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[相手の姿を認めると、自然とその手首に目がいった。
蛍川の女が言っていた言葉が脳裏に蘇る。
彼女の言葉が本当かはわからないけれど、自分なら、一緒に落ちるより自分が踏みとどまって引き上げたいなと思った。]
永嶋さんがこっちに居て良かった。
あっちの世界に戻る方法を探そうと思うんだけど、熱中症は、大丈夫ですか?
[どことなく浮かない顔の男に、そう訪ねた。]
私にもよく分からないんだけど……。
[狐と鬼が争い、神の呪いで神隠しが起きている。
ヨシアキから聞いた話、鬼子母神の神話などを『自信が無い』、『わからない』を要所に取り入れて説明する]
狐や鬼や神様にどんな思惑があるかなんて知らない。
だけど、戻る可能性があるのならば、神様を脅してみるのはどうかしらと思ったの。
大事なものを取られたら、返してくれるんじゃないかってね。
さっき本殿から、これを取ってきたから…次は、鬼の所に行ってみようかなと。
[胸元から小さな包みを取り出して見せた]
バチが当たるならこっち来いって思うのよ。
―――――…幸せ…。
[地面へと再び視線を落とした。]
――――――…。
人は嫌いだけど幸せであってほしいとは思う。
だから関わりたくない。
自分のことは――――…。
[言いかけた言葉を飲み込む。]
どうしてそんなこと聞くの?
あなたは…人が嫌い…?
[質問に質問で返すも、視線は地面に落ちたまま。]
お借りします。
お稲荷様は神様の使い…だとしたら、この神殿に居る神様が、神隠しの主なのかもしれないわね。
さて──行く前に、私の家に寄ってもいい?
取りに行きたいものがあるの。
/*
なんだか狼みたいですね。
たーだーのーひとーなんですが。
動物嫌いフラグ立てたまま回収できないような気がしてきました。
勢いで動きすぎて、キャラが分からなくなってきた。
さあ、どうしてだろう。
あんたの答えを聞いてみたかったから。
……じゃ、理由になってねえか。
俺は。
[考えを纏めようと、懐から煙草を一本取り出します。赤い光が明滅し、空へと上って行く煙を見上げ。そうした長い沈黙を経て]
……嫌いだな。
その方が、楽だ。
[ザクロの説明を、時折疑問符を浮かべつつも飲み込んで]
狐と、鬼。
[蛍は川の周りのことしか知らなかった。狐と鬼のことも]
それで上手くいくのかはよくわからないけど……、
あなたが肝の据わった人だというのはよくわかった気がする……。
[もごもご言って、頷いた]
……鬼の所、って、心当たりあるの?
[昇る煙を追うように視線を見上げた。]
――――…。
お父さんを好きなわたしは好き。
でも、お母さんを嫌いなわたしが嫌い。
だから、わたしはわたしが嫌い。
これでいい…?
[空を見上げたまま。]
明日は雨かも…ね。
知ってる?嫌い嫌いは好きのうちなんだって。
[小さく笑った。]
消えた人、何処にいるか知ってる?
探しに行かなきゃいけない。
[またもなんとなく聞いてみる。]
やっぱりこの町が変わらないと、わたし変わらない気がするから。
[じっと相手の顔を見た。]
永嶋さんと萩原さんは、どういうカンケーなんですか?
[少し距離を置いた位置に立ったまま、グリタとイマリに問い掛けた]
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