情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] 絞り込み / 発言欄へ
[遠くに一台の車。涼しげに走る姿が恨めしい]
あと何キロだ。
[印刷した地図の指の部分が滲む。
口の中で悪態をついて汗を拭った]
[長閑な田舎の一本道。
途中、悪態を吐く勤労学生(なのかは定かではない)を
過ごしてきたことなど知りはしない。]
あっつー…
[手入れが施された指先は、懐から扇子をつまみ出し涼を扇ぐ。
足許爪先に施された金魚の絵が、
ぱしゃんと音を立てて跳ねた。]
[停留所。バスが走り去った後に立つ男が一人。
辺りを見渡して呟く]
…えれぇ田舎だな。
[手には、地図と旅館への紹介状。
小さな旅館だとは聞いていたが、予想以上になりそうだ。
ひとまず、荷物を持って地図を見ながら歩き出す]
[暫く行くと、遠くに神社らしき建物と林が見え、道沿いに張り巡らされた提灯が幾つも下がっているのが目に入って立ち止まる。
夏祭りか。
そういや盆だ。
胸内で呟いた後、地図に目を戻し再び歩き出した]
……。
[唇の端が引きつる]
バス停……
[ここからでは見えないバス停を振り返る。
戻る道のりを考えただけで、目眩がした]
戻ったって、仕事があるわけじゃないしね。
[少々、語尾はきつく。
諦めたように地面に倒れた荷物を拾う]
ふぅ。今日も良い天気だネェ……
[白衣を着た短髪の女(?)が、肩に掛けたタオルで汗を拭いながら歩いていた。
身長や細身の体格、顔の造作は女性のようだが、大股で歩く動作や化粧ッ気の無さ、まっ平らな胸部などは、女性的な容姿の男性のようにも見える]
あー。
そういや、祭りがあるんだっけか。
[往診用のバッグを左肩に提げ、タバコを一本咥えて右手で火をつけながら。
見慣れない顔を見かけた事で、ふと思い出したように呟く]
[ここは、向日葵畑の迷路。]
[畑の十字路を右に曲がれば、向日葵を従えた道が続いている。
右に、向日葵畑。左に、向日葵畑。
後にまたも現れた十字路を道を左に曲がると、やはり向日葵の群れが迎えた。]
くっそ、抜けだせねえ。
[この村の停留所でバスを降り、気紛れにこの迷路へ入りこんだ。
それ以降、散々求めているのに、ここのゴール地点には未だ辿り付けていない。]
[この真夏の季節にも関わらず、マフラーを首へ巻きつけ着込んだ格好。加え、顔を隠すように、帽子とサングラスを身につけている。荷物は持っておらず、空手だ。
そうした風体のレンの、向日葵の中の放浪の時はどれほどであったか。]
―――――っっっ!!
[向日葵の群れが途切れる箇所を、行く先にようやく見つける。
向日葵畑のその途切れ目から、外へと転がり出た。*]
[不意に携帯が鳴る。
電話に出て話す男の顔が曇った]
…なんだって。
渡した地図と紹介状は手違いだぁ?
…仕方ねぇな。
[電話の向こうの相手と暫く会話を交わしていたが。
踵を返し、元来た道へ戻る。
数時間後、来たバスに乗って男は村を去った]
[1] [2] [3] [4] [5] 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了