情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
始まりはいつも躍動を伴って、けれどゆっくりと、次第に速く。
[花火の音、爆竹の音、蒸気機関の上げる汽笛の音、車体の軋む音、初めはゆっくりとした振動も、次第に軽快なものに変わるだろう]
maestoso というところかな。
[くすりと笑って、ベッドから降りると、部屋を出る]
せっかくの旅だし、さっそく部屋に籠もるのも勿体ない、ね、ヤナーチェク。
[左腕の兎は、ここばかりは同意するように、かくんと頭を垂れた]
動き、出したわね。
[勇壮なファンファーレ、花火の音。
手を振って見送る式典参列者達に、手を振り返し。
流れる景色を楽しげに眺めている*]
[サロンで食前酒をたしなみながら、手に持った書類に目を通す。どうやら客室の配置図と乗客リストのようだ]
発車までの時間にカフェーを味わい、車掌に変装し手に入れられる程度の危機管理では、女帝も大した事はなさそうだ。くっくっく。
[細巻きの煙草に火をつけると、指で乗客リストをなぞって行く。一人の乗客の名前で指がピタリと止まる]
ラウリ・スモーバー…。アナスターシェの血族に、似たような名前の家があったような。ふぅむ、調べてみるか。
[紫煙を吐き出すと、乗客リストを懐にしまい、酒の味を*楽しんでいる*]
−ピェルヴィクラース・コンパートメント−
『斯くして女帝は壮麗なる莫斯科を背に
浦潮への長い旅路へ吾を誘い給ふ。
遙かなる東の凍土。吾の血潮は彼の地に遠く、また近くも繋がれり。
白き大地と花の色は離れてなお、魂の記憶に鮮やかなれば』
…おや。
[葡萄黒の万年筆が動きを止める。
窓の外に視線を向けると、爆竹の音は華やかに出発を謳った。
先程開けたピロシキの包みの中身は既に胃へと消えている。
書きものをしない手には、今はプリャーニクと呼ばれる菓子があった]
さて、と。
[列車の簡単な見取り図を思い浮かべる。前から、蒸気機関、一車両目には件の……、それから順に一等、二等、三等の客車、さらに後ろに貨物車が続く、はず。人差し指を顎に当て、思案しながら]
激しくうろ覚えだけれど、まあいいかな。
[行ってみればわかるし。と、前、後ろ、と交互に見てから、とりあえず前の車両を目指してみる]
[茶色い表面の上には粉砂糖がかかり、まるでそれは残った雪に似ている。
蜂蜜入りの生地、胡桃に干葡萄にジャムが入っている。
崩れやすいその菓子の最後の一口を丁寧に口に運んで、
それから書きものを止めた手は万年筆に蓋をした。
窓の外には遠くなっていく駅があった]
さて───旅は道連れ、と言うからには少し散策するのも悪くないな。
[分厚い手帳と万年筆を懐へと仕舞い込んでベッドから腰を上げた。
上質な生地で作られた長い外套の裾がひらりと揺れる。
コンパートメントの扉を開いて廊下へと出れば、向かうのは食堂車]
(己の旅の道連れと成り得る人々を見ておくのは悪くない)
確か食堂車があった、ような。
[無いわけ無い。それだけの長旅だ。
客車を移る、と、連結部分で受ける風は、きりりと引き締まりつつも心地よくて、目を細めた]
ん、いい音です。
[たぶん、機関車までいけば五月蠅いのだろうけれども。あるいは、トンネルにでも入れば。そんな事を考えながら、いくらかその場にとどまって。
寒さで指が冷えた頃には、食堂車へと向かうだろう。温かいお茶でも飲みに**]
さて、と、美人の隣室だと浮かれてばかりはおられんな。
一等車に部屋を取れなかったのは、わしとしたことがかなりの痛手だ。
むむ、一から計画を練り直す必要が…。
まあ、何とかなる、何とかなる。Que sera sera...
考えろ、ヴァルテリ、今までそうやって世の中渡って来ただろうて。
むう、しかし腹が減っては戦が出来ぬ。頭も回らん。
ナポレオンとて、兵糧失くして敗走の憂き目に遭ったのだ。
[...は何事かぶつぶつと呟くと、コンパートメントを出て、食堂車に向かい歩き出した。]**
−→サロンカー−
[列車の中は、この記念すべき初運転を楽しむ人々の往来が幾らかある。
ピェルヴィクラースの乗客達はと言えば他の車両よりも幾らか上品に
列車の旅を愉しむ乗客たちが多いらしいようであった。
そんな人々と簡単な挨拶を交わしながら眼鏡の主はサロンカーへと辿り着いた。
上質な食堂車でもあるその場所は上等な設えとなっている。
入口の近くに用意されているサモワールも凝った意匠が刻まれて、
その傍を通ればやはり温かく、また、その上の小さなポットに用意された
紅茶の馥郁とした香りが銀色の給湯設備のあたりに漂っていた]
(流石、女帝の名を関するだけはある。趣味のいい場所だ)
[薄い唇を持ち上げると笑みの形になった。
流れる風景を楽しむことができる窓の傍の席を確保して、
給仕が通りすがれば温かい紅茶を頼む。
花型の小鉢に用意された添え物は、花のジャムだった]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了