情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[裏返った菓子鉢。こぼれた甘納豆。
ワカバの口唇にはまだザラメの粒が、]
…
なんて なんてこと――
[声はひどく 恨みがましく。
面は悲嘆に染まり 視界は涙に、歪んだ。]
してくれたんだ。
[山奥の村に、茶屋は「稲荷屋」一軒だけ。
その店を、屋号で呼ぶひとは殆どいない。
いつも客をあたたかく迎える耳の遠い老婆が、
ずうっと昔「かみなりばばあ」なんて渾名を
つけられてこわがられていたなんてことも、
いつから人間好きになったかなんてことも、
覚えているひとはもう――殆ど *いない*。]
[ホズミの腕の中でくてりと眠ったままで]
……どこ さまよ てんのかな
窓硝子にうつ たアレも …駄にな ちゃったし ……
[蔵から出るよりも前に、そんな言葉が小さな口から紡がれるが、それが猫の口からのものだと人間が気づくかは――*]
― 診療所 ―
[待合室のソファで寝ていると、ドウゼンにぴしゃりと額を叩かれた]
……大丈夫だ、馬鹿は風邪ひかないっていうし。
[もそもそ頭を掻く。
肩をすくめるドウゼンに、苦笑を返した]
[もう一度ガラス窓を覗き込むが
暗い雨空の下では鏡のように
ホズミ自身が映っているだけ]
さまよっている何かが、映ってたっていうのかな?
……。
[どうにかしたくても、手掛かりになるのは
抽象的で現実離れしすぎる話と、アンの形見の貝殻だけ]
―― 診療所 ――
[静かな、薄暗い部屋でワカバのそばに居る。
新たに運ばれてきたのは――つめたいロッカ。
扉越しには、つめたくなった者らの親族と
ドウゼンとの涙声混じる話し声が聞こえ。
――その声もやがては絶える。訪れる静寂。
ヘイケは、眉根をきつく寄せて両腕を組んだ。]
……
[診療所のドアをがらりと開ける]
……こんばんは。
[フユキの姿を確認すれば、
ロッカについて語る事は既になく。
しかしワカバの顛末を聞けば]
――ワカバちゃんも、ですか!?
そう、ですか。
[短い返答。
心が少しずつ麻痺してきてるような、そんな気がした]
此処にこうしてあり続けることに意味があり。
[右の掌を見て]
何かが足りないから雷神さまが怒っている。
[左の掌を見る]
両方同時に成り立つんかね、ロッカ。
[答える少女は、もう居ない]
[待合室に姿を現したヘイケに、小さく右手を挙げて挨拶して。
次いで診療所を訪れたホズミに左の手を挙げる。
ワカバの顛末を聞いて言葉を失うホズミに、自分も押し黙った]
…わらうことが出来なくなるわけでは、
[視界にはフユキがドウゼンへ向ける苦笑。
耳にはウミを抱いてきたホズミの僅かな声。]
ことばが尽きるわけでは、
ないのね。
[ほろり 感慨を漏らしてから其々へ目礼を]
[ホズミの腕に抱かれてやってきた診療所。]
幽霊なんていないと思 ていたのだけど。
合理的に考えて良いのかな? これ?
何か僕たちのルールの外の話な気がする。
[眠った猫の口から紡がれるそれは、誰かを彷彿とさせる語調で]
足りない足りないってロッカちゃんは言ってたけどさ。
……結局のところ、何が足りないって言うんだろうね。
みんなの――あの状態とか見れば
雷神様が怒ってるってんでも納得するしかないけど。
[フユキとヘイケに問いかけるように]
考えてはみたんだけど、
人と海と柿ぐらいしか思いつかないわ。
ロッカ―――
彼女は何か別のものを夢と表現しているように思った
不謹慎な事実を「大丈夫だよ」では済ませない自信と 「今まさに何か見ているような素振り」
…… て、彼女の確信は何故だったのか。
[しっぽがぴくりと動く]
まあ そーだよね。
いきなり えっと……アンちゃんと、ケンと、ロッカちゃんと あたし。4人立て続けにコレだもんね……
[今度は先ほどとは違う誰かを彷彿とさせる語調の言葉が紡がれる]
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了