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[刑事に嫌な顔をされながら、楽しそうに笑う。
思考は襲われかけたところにはない、ミル・シティに向かっている]
(ザクロとユウキ、どちらが先にブラック・キャットにたどり着くのかのう)
準備は万端、あとは誰かが「そこ」に行けばすべてが手に入るように準備してある。
逆に言えば「そこ」に行かなければ手に入らない]
頑張れ若者。
[のんびりと呟いた横を銃弾がかすめた。
あんまりのんびりしている隙は無いらしい]
……この街から出ようかと思うんじゃが。
ヘリコプターか何か借りられんかのう?
公共交通機関を使うと、世間のみなさんに迷惑がかかるんじゃないかと思うのだよ。
[この街の迷惑になりつつある人物は、のんびりとした笑顔のまま脅した*]
[鼻歌を歌いながら準備する。
さすがに大通りでというわけにはいかないので、ホテルを借りた]
……あー あー
[ひとつ、咳払い。
使うのは普段のスマホではなく、一代前の携帯電話]
『Eより本部。
ターゲット補足』
[今まで取引していた警察の声色を真似て、警察本部へと連絡をとる]
『ブラスとはDと接触後、メインストリートを東へ移動中』
[了解、尾行継続せよ。
返答があって、通話は終わる]
……なんちゃってね?
[通話が切れると、肩をすくめた]
ま。こうなっちゃうと私の方が囮よね。
[警察と接触していた分、騙すのも自分の方がやりやすい。どれだけ信頼されていたかにもよるが。
先刻、メインストリートで出会った観光客、ユウキに似ているのは慎重程度の男に二言三言話しかけ、意味ありげにチケットを渡す。それは本当に、ただのオペラのチケットだが、疑ってかかればいくらでも怪しく見える行動だ。
ちなみにオペラハウスはメインストリートを東へ進んだところにある]
ごめんなさいね。
警察が無能じゃなければ、すぐに解放されるわ。
[くすくすと笑いながらうそぶく。
本物のユウキがどこにいるのか。
未だミル・シティでは遭っていない。
迷子になっていなければもうこの街にいるだろう。もう、ブラックキャットの元に向かっているだろうか]
あとは仕上げをご覧じろ。
だっけ?
[古い言い回しで言って、やはりくすりと笑った*]
─ ミル・シティのどこかのビルの屋上 ─
[ヘリコプターから耳を押さえながら降りてくる]
うるさくて苦手だのう。老体にはこたえるぞい。
ああ、いやしかし、助かった。思ったより早く着いた。
[パイロットにチップを渡そうとするが、受け取ったら負けな勢いで固持される]
……頑固だのう。
ありがとうな。もう二度と連絡など取らんから安心してくれ。
[ヘリコプターを見送った*]
「桜の木を切ったことを正直に話した某大統領がすぐに許されたのはなーんでか?」
「はい、先生!リンカーンがまだ斧を持ってたからです!」
………あら?面白くなかった?
まだ銃口向けられてるから笑えませんってか?
やー、でもさー、家主を人質にとらないと
俺の命の保証がされないじゃない?
[小銃片手にぺらぺらと話しかけている。
ここはミル・シティの有力者の屋敷の書斎。
銃口を向けているのはもちろん家主の有力者だった。]
[ちなみに今日は白衣を着用。
ついでにごついガスマスクも着用している。]
…だってさー、なんか気がつけば俺って
情報弱者でさー。ちょっとは情報欲しいじゃない?
もうちょっとでお仕事終了だけどさー。
このままだとすっきりしなかったからー。
ま、おかげ様でちょっとすっきり?
[この面子で自分が声をかけられた理由とか。お年寄りの因縁だとか警察と通じてるのは誰か、とか。]
ま、そろそろ行かなきゃ。
[それから白衣の男が鼻歌まじりのカウントダウンを終えた頃、まさにミル・シティの各所で文字通り盛大な花火があがった。
今日この時間に合わせて、あちらこちらに送りつけていた時限装置付きのそれが。]
いっつあしょーたー!
[さて、仮初めの仲間達は予定通り動くのだろうか?
それとも今だ檻の中から遠く爆音を聞いているのだろうか。]
にゃー、姫君とはシャンパンで乾杯したかったなぁ。
だって、約束したしね☆
[ちょっと寄り道はしたけれど、時間がくれば粛々と手順通り仕事を開始する。元々の計画どおり。]
─ ミル・シティ ─
[花火の音と光に住民が空を見上げた足元を、黒い影が舞う。
何匹も
何百匹も、何千、何万──
数えきれないほどの黒猫の幻影が街を飛び交う]
[ミル・シティ一の高さを誇るビルの前で、腕時計を確認する。
年代物の時計だが、時間は正確だ。
心の中で、5秒前からカウントする。
ブラストが無事(迷子にならずに街についている)かは、それで知れる]
イッツ ア ショウタイム。
[ぽつりと呟く。
と同時に上がる、爆音に、口角をつり上げた。祭りの始まりだ*]
[黒猫に触れようと手を伸ばしても、手には触れた感触はない。
けれど、触れようとした人物の脳にほんのわずかな、ノイズほどの情報が残される。
違和感だけが残るので、ふたたび手を伸ばす。より多い情報が蓄積される。
ミル・シティのあちらこちらで、黒猫と追いかけっこをする姿が見られた]
はっははははは、はははははー!
やっぱ爺さん、だてに年くってないねー!
[コルト・ガバメントモデル45口径]の甲より年のこー?
[花火の大音量と駆けめぐる黒猫に
戸惑い逃げまどう住民達を尻目に
男は目的のブツがある[校長室]へと向かった。そしてー*]
[最後にひときわ大きな花火たちが上がった。
スターマイン。連続して上がる小さな花火。空が明るくなる。
花火の余韻が落ちる頃、まるで夢であったかのように、黒猫たちの姿は消えていた。
ほんのつかの間の夢]
まったく、学校の先生ってのは暇なのかね?
[後日、ミル・シティのとある学園の校長室から入手したマイクロチップを弄びつつ、スツールに腰掛けている。ゼロシティの、ではない。こじゃれたバーのカウンターだ。]
さぁて、どう料理したものかなぁ。
[にやり不敵な笑みを浮かべて、待つ人はー。
ゲームはまだこれからいいところ…?**]
派手、ねえ。
ドレスでも着てくれば良かったかしら?
[爆音と花火と、黒猫たちのパレード。
騒動に紛れて侵入するのは機械室]
欲しいのは黒ネコ、黒といったら黒。
君がくれたのは黒猫のパレード
[口ずさむ替え歌。
手早くセキュリティに割り込んで、校長室と呼ばれる部屋への道を開ける]
あらん。
どうしたの?
[作業が終わるころ、黒猫のパレードは終わっている。
それでも消えない猫がいれば、それは本当の黒猫だ]
びっくりした?
でももう終わりよ?
……そうね、もう一カ所、あなた付き合ってくれる?
[爆音に驚いたか隅に丸まっていた猫を抱き上げると、上機嫌で歩き始めた*]
─ ヘリポート ─
昨日は随分とにぎやかだったようだが、今日は静かだのう。
[強いビル風にあおられつつ、恐れる様子もなく屋上の端から地上を見下ろす。
口にしているのは適当な発言だ。
この高さでは下の様子なんてまともに見えやしない]
まぁ……きっと若者がうまくやったんだろうて。
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