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[それが下駄による音だと気づくこともなく振り向いて、木陰に佇む少女に声をかけた]
あれ、アンちゃん熱下がった?
……靴、片方どうしちゃったの?
[次の瞬間、アンの姿がすっと消えてなくなり、遠くに見える和服の少年にやっと気づく]
――っ
[*腰が抜けた*]
あ…いた。オトハさん!
[やがて、大きな箱を抱えた後ろ姿を見つけて、声をかける]
あの…アンさんの神隠しの噂、聞いてますか?
そ、それで、占いで…探せないかと、思って。
私には…占うことは、許されていません、から。
[目をそらし、力なく呟く**]
[アンの家とその近辺は騒然としていた]
アンが行方不明…神隠しにあった?
…あいつの靴の片っぽだけが、発見されたっ て…?
[そこで人垣を作っていた村人たちからの伝聞は、片割れと主を失った靴の話も]
あ、フユキさん。
聞いた?アンが神隠しにあったってよ…
[人垣を離れれば、フユキの姿に]
ひょっとしてこれ。
あいつを隠した神様の、犯行声明文かな。
[自分の元に届いた事も言い添え、広げた手紙を振ってみせた]
何だろうと攫ったんなら許せねぇ。
…アンを、連れ戻してやる。
[僅かに怒気をはらんだ*]
[赤線が引かれた少女の家を訪ねられ、
狭い村の利点とも言える口頭で簡単に説明する。]
確かめるって何を?
――ってちょっとお前、待て!
っ…せっかちだな。まだあれも施して無いのに。
お前だって候補の一員になるだろうが。
この手紙が関係有るなら。
[村に息衝く言い伝え。
このご時世にとは思うが、用心に越した事は無い。]
あ…ミナツ!
良かった、行き違いにならずに済んで。
ねぇ、ミナツのところにもこの手紙ってきて…ぇ?
神隠し?アンが?どうして…?
…とりあえず、アンの家、行ってみよう。
だって、嘘かもしれないじゃない。
アンがいなくなったなんて、信じたくないもの。…ね?
ま。此処で燻っていても仕事にはなりませんし。
出張サービスしましょうか。
[化粧道具を手に取り家を出る。]
おや、年頃の女性がお揃いで。
何かの相談ですか?
[途中、オトハとヒナの姿を見かけては声をかけた。]
[することもなく、村の通りをただ歩く。
そこで通りすがったアンの自宅は、
アンが神隠しにあっただのと騒ぎになっていた]
神隠し、ねえ……。
言い伝えに見せ掛けた事件の方がしっくりくるけどね。
ミナツ。お前にも手紙が?
書かれてる人が、神隠しに…?
[アンの説明を加えた後、思案し、一度示す手紙の一文は]
“次は 誰に しようかな”
この、「次」が神隠しを指しているならば…まさか。また行方不明者が出るかもしれない の、か。
ミナツの名もこの手紙に載ってるな。
……だけど、おまえまで消えるなんて……
[だめだ。ふとミナツから視線を逸らして、口をついて出たのはそんな言葉*]
[ンガムラに声をかけられると、やや狼狽えて]
あ…い、いえ、ただ、アンさん心配ですねって。
あの…。
「占い」で、何かわからないかって、お願いを…
[彼からも目をそらす]
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