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[そう呟き、しばらくぼーっとしていたと思ったら、突然目の前に落ちていた鉄棒を拾い上げ、怒りに任せ、そこらじゅうを叩き始める。]
にいさま、にいさま、にいさまのばかばかばか。僕だけのにいさま、あんな試験管から生まれた化け物に構うなんて!
[鉄棒が、あらぬ方向に曲がって棒でなくなった頃、やっと気持ちが落ち着いてきたようだ。]
お腹がすきました。
食べ物…、食べ物…、赤くて柔らかくて…、新鮮な…
[街をずるずる徘徊し続ける。]
ー壊れかかった ビル街ー
けふけふ…、どうして埃っぽいのですか?にいさまと過ごした家はこんなに汚くなかったのに。
[空腹を訴え続けるおなか、埃っぽい街、崩落寸前のビル群。彼の軽い頭では、いつまで経っても理解ができない風景だ。]
ごはん…、食事…、メシ…、エサ!
[ビルの入り口だったと思われる場所に、疲れ果てて動けないのか、行き倒れと思わしき人が横たわっている。]
―廃墟のビル街―
[白い翼は、風の吹くままに空を舞った。
下界の人間たちがこちらを見ていることに気付けば、殊更気持ち良さそうに。
彼らの決して届かぬ高みを見せ付けるように]
あら、
[そうして、荒廃したビル街に差し掛かった頃だったか。
他の人間よりも高い場所から、こちらを見上げる視線に気が付いた]
……地上では流行りなのかしら。ああいう格好。
[崩れかけのビルばかりでは安易に着地する訳にも行かず。
その場で旋回しながら馬銜をくわえた男を眺める]
[そこからの彼は別人と思われる動きで、行き倒れに襲いかかり、外套から取り出した肉切り包丁で襲いかかる。
血飛沫をあげ、声もなく絶命した行き倒れに神の祝福を。]
お腹が空いても、マナーは守らないと、ですよね、にいさま。
[顔についた血飛沫を手で拭いつつ、ぺろりと舐める。手を合わせて食事にありつけた感謝を祈り、じっと今日の食事を鑑賞する。
感謝の心で満ち満ちた後、包丁を使って、食事を食べやすい大きさに切り分けた。
静かなビル街に、ゆっくりゆっくり何かを噛み砕く音が響き渡る…。]
[摂食した恍惚感に満ち足りたとき、ふと空を見上げる。鳥にしては大きいが、飛行機などこの街を飛ぶ事はない。]
ふーん、なんだろう?
[おなかもいっぱいになって、少し頭に栄養が行き渡ったのか?
にいさまも見つからないし、空を飛ぶ何かを追っかけてみようと思い、肥えた体を動かしてみた。**]
[未だ若者と見える後ろ姿は、やがて去り――
見送る視線の主は過ぎった影を目で追った。
あやうくぶら下がる看板の上、立ち上がるのは
長身の…道化た服装(なり)に馬銜(はみ)噛む男。]
ん
[黒い棒状の銜枝をくっと深く噛み込みながら
片手で翻す身は、配線の絡む梁へと跳躍する。
足下では 僅かばかり看板が――ゆら、ゆら。]
[白い翼の其のひとが旋回するさまを暫し観て。
やかてふと――彼女の意識が落ちる先に気づく]
…
目をつけられたんじゃないか?
[銜の片側へ指をかけながら其の翼人へ言うと、
ざらついた声と共に黒い煤煙が幾らか漏れた。]
……共食い?
あーあ、こうはなりたくないわよねー。
[肉を切り骨を噛み砕く音に眉の端をぴくぴく痙攣させながら、これ見よがしの声量で呟く。
有翼人は下界より発達した科学でもって、自分らの食糧問題を解決していた。
勿論、その恩恵に預かれるのは有翼人のみである]
やっぱり人間って、下賤。
[飢えた人間への同情も、犠牲者への哀れみも、一言たりとて口にはしなかった]
ふうん
[聞こえよがしの蔑みが降ってくる。
軽業を為す男は銜へかけた指を一度戻す。
其のひとが羽ばたく風が、道化た帽子の
尾を揺らし…男は首を傾げてみせる。]
したよ、心配
…もうあんまりいないからね、「ただの人間」
[口を開けばまた煤煙の黒が宙へ流れる。]
汚れるの、嫌かい?
[煤を厭う素振りに、ざらついた声がわらう。
捻れた梁を蹴り上がると、その上を歩き
軽業師は見目よき翼人のほうへ歩を寄せる。]
わざわざ、こんなところまで降りてきて
『あーあ、こうはなりたくないわよねー。』
[銜へかけた指を戻す。とん、とん、とん
片手の指を動かしながら片掌へ打ちつける。
――わざわざ、一文字ずつに区切った手話は]
へーぇ、そうなんだ。
バケモノばっかりってこと?
[首を傾げる男に目を細める。
有翼人も、元を辿れば人間から枝分かれした「人間以外」なのだが、地上のそれらと己を同類とは見做していない]
そこの変な格好したあんたもそうなのかしら。
――ま、どっちでもいいわ。
一応感謝しといたげる。
[高度を落とし、それでも煤煙が翼に触れぬ程度の距離を保ったままホバリングし]
どうも、あ・り・が・と。
[目を細め、唇の端を片方釣り上げた、気品の欠片もない表情で言葉ばかり礼を言った]
嫌に決まってるでしょう。
地上人みたいなみすぼらしいカッコなんて。
[ホバリングのまま男を睨み付ける。
そうしているうち、梁を歩く男に接近され、空中で僅かに身構えた]
わざわざ、って――
[苦虫を噛み潰した顔で男の声を聞き、手話の文字を読み取る]
あ、あの、
あたしは、ねぇ――
[男を睨み反論しかけるが、それより男の跳躍が早く。
宙空で擦れ違った長身を、はっと息を呑んで振り返る]
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