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迷子!? だから逃亡者!
怪しい奴に終われて逃げてるんだよ! オレ!
芸の出来る羊羹屋でも、不審人物でも、迷子でもないんだ!?
[フユキに慰められつつ、広間に入った]
逃亡。
怪しい奴に追われて……
……何か色々と大変そうだね。
[レンの主張に素直な感想を。広間に着くと卓の傍に座りかけ、ソラとレンの言葉に、反射的にか窓の方を見]
……、蝋燭が。
[その後戸棚に歩み寄っていき、中を覗いては呟く]
[お茶の準備をする来訪者にさほど疑問も抱かず
広間の隅に座り込んでいます]
蝋燭が、また減ってる?
[ソラの言葉を繰り返し戸棚の前に行きました]
リウ姉ちゃんの蝋燭がない。
お姉ちゃん、帰ってこないのかな。
[もう一つ減っている蝋燭の名前は思い出せず、
四つの炎を眺めて*います*]
誰に?
──誰だろう、ええと、ずっと追われてるんだ。足が絡まって、なかなか逃げられない。
つかまったら大変なことになるんだ──たぶん。
[戸棚の蝋燭の中から【レン】と書かれた蝋燭を取り──そのまま固まった]
わからないけれどわかる。
わかるけれどわからない。
そんなものは、この世に幾らでもあるからね。
仕方がない事だ。
[悩むレンに、半ば独り言のように。
減った蝋燭を見たまま、しばらく何か考えていたようだったが、ふと黒板の方に向かい]
カリスマ家政婦のおじさん……。
どうしたんだろう。
もしかして、捕まっちゃったんだろうか。
[不安げにぼそり。
フユキの様子に気付くゆとりも無く]
[男が指先で掴んだ白墨が、桃色に染まり、そのまま沈むように赤色になる。一瞬の事で、最初から赤いものだったようにも思えるかもしれない]
……
[それを無言で黒板に走らせていき]
リ 消え し た
帽 屋に ても
見 な よ、 ア
[小さめの、下手ではないがやや右斜めに傾いた文字で、黒板の左下辺りに何行かの文を連ねる。しかし一部を覗いては読もうとするとぼやけて読めないだろう]
赤い……字だ。
リウ、消えてしまった……?
帽子屋に会っても
……ア?
──犬のお巡りさんなら、迷子のフユキさんを家まで送ってくれるかもしれないのにね。
[窓の外をぼんやりと見つめる。
落雷した樹から煙が上がっている]
リ――消え、し――
帽――
――な、――
[赤く染まった白墨を置き、書いた文字を読み上げるが、そのほとんどは葉擦れのようなざわめきとして聞こえるだろうか。ソラとレンの言葉には、それぞれ頷いて]
家まで。送ってくれるかな。
迎えにきてくれるだろうか。
[犬のおまわりさん、というのに、ぽつりと。つられて窓外を、煙を上げる木を見やった]
帰りたい。どうだろう。
どこかへ行こうとはしていた筈なんだよ。
どこへ行こうとしていたのか、思い出せなくてね。
帰ろうとしていた、のかな?
[ソラの問いに、取りこぼされたチョークを目で追いつつ、疑問形で返し]
帽子屋じゃないよ。
だからさ……言ってるじゃないか。
オレ、駿河の羊羹問屋の若旦那だって……。
……フユキさんは道がわかるといいね。
[なぜかよわよわしく告げて、視線は広間の入り口を*向いたまま*]
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