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[何度目かに巡る、幾つめかの扉。鍵穴は見つからない。
左手に鍵を握りこむ。温かいか冷たいかはわからない。
やがて、ドームに沿い弧を描く通路の向こう、軽い足音。
蒼みを帯びた髪を揺らす少女の姿を見とめ、丁寧な会釈。]
…おはようございます?
[目元だけで笑みかける。初対面の少女へと、口数少なに
自らの名を告げて…彼女の名と、部屋の位置とを尋ねる。]
不躾に、扉を叩いてしまいたくはないので。
[そして、ルリの肩へかけられたブランケットを
暖かに掛け直そうと両手を伸ばしかけるが…留めて]
……。
どうか、お風邪など召さぬよう。
[今度の笑みは、どこか諦観の滲むいろを*口元に*。]
>>30
なんだ?
[聞こえる言葉を繰り返し、首を傾げる。
ぬいぐるみを地面に置いて、樹へ昇ろうと裸足を幹に付けた]
[が、一番下の枝にさえ手は届かない]
[やがて木々らしきものがはっきり見えてくる。ビオトープと思しき場所。一度足を止めてから、ぐるりと回るように歩き]
……おや?
おや。君達も……此処の人かね?
ん、いや。此処の人、という言い方は少々妙だな。
ひとまず一人きりでなかったというのは僥倖だ。
[前方の二つの人影に、声をかけた。最後などは独り言のような調子だったが]
[差し出された手を見て、どうすればいいかわからないから。とりあえず、自分も手を伸ばしてみる。]
俺の名前か。そうだな。
獏って呼んでくれたらいい。
夢を食う生き物の名前なんだそうだ。
俺は夢を喰われた方だけれど。
獏、か。
夢を喰う方ではなく喰われた方である。
何だか詩的な言葉ではないかね。
[伸ばされた手を握り、軽く何度か上下に振る。それからふと、木の頂点よりも遥かに高い天井を仰ぎ]
本当に此処はドームのようだが、……
そういえば、君達の他にも人はいるのかね?
[思い立ったよう、二人に*聞いてみて*]
[大きすぎたブランケットを引きずる有様。
二歩三歩と、いくつ進んだろうか。ふいに響いたは――叩かれる音。
反応して回転しルリの視線が男を捉えた]
おはようです。
こんにちは。
こんばんは。
ごきげんよう。お元気ですか。
はい、おかしいですか、カナメ?
[最後のは声に。
向きを変える
小さな身体のバランスは危なっかしい。
[頭に浮かんできた挨拶を並べたのに、
「声」から注意をうけたか、それでも静かな笑みのまま、男に]
ルリは、ルリといいます。
あなたは、どなたですか?
[テンマと聞けば頷いて。その名を唱える。
問いには、ルリの部屋の方へ人差し指が向いた]
ルリのおへやは、あっちでした。
あっちだったかな。あっちでしょう。
あなたのおへやは、どっちですか。
音は、あなたでしたか?
たたいていたのですか?
ルリは、聞きました。
よい音でした。
ありがとうございました。
[男の手中の鍵には目は留まらず、
男の会釈の真似か、首を縦に振る]
かぜとは、なんだったかしら。
あー。
ぐずぐずで、ずびずびで、へっくしょい!かしら。
テンマもおかぜなどめさぬよう。
[音の響きが気に入ったのか、
「めさぬよう」を幾度も繰り返し。
笑顔で、掌を向けて。
またブランケットを引きずりだしたのだった]
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