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このアイスにコーヒー注いでアッフォガード風にしたら……
いや、何か、戦況がよけい悪化しそうだからやめとく。
んー、さすがに肉や魚を材料にしたことはないからなあ。
どうやればこの生臭さを消せるだろう。
一応ワインで処理しようとはしてるみたいだけど……
[よせばいいのに魚市場アイスをじっくり味わって、レシピを分析している]
んー変わっタイトルだなそれ。時限制なのかな?
えっと……
■村長さんちの1時間前頃に思いつく海戦
紀元前400年、スパルタの指揮官はアテネの衝角戦術に舌を巻き、西暦1000年、ノルウェー王オーラヴ1世は側面攻撃にあまりに無力な障壁を嘆く……
ペロポネソス戦争からスウォルダーの海戦、はたまた最近閉店した都内美味しい海鮮丼の食べられた店まで、ありとあらゆる『あああの時思いついていれば! 時既にお寿司! もとい遅し!』な事象の数々を“いまだアナログ回線でがんばる男”ヴァルター=V=ラーゼンがモーレツ解説!
見て嘆くこと請け合い! 次代の嘆きのイレアナは君だ!
これ微妙にイレアナdisってないか?
お菓子屋さんだからね、食べ物無駄にするの嫌なんだ。
[サーディに苦笑した]
ああ、ドロテアありがとう。
コーヒー飲みながらなら、何とか進軍できそ……え?
醤油?
[コーヒーひとくち啜ってから、しばしウルスラを見つめた]
魚市場アイスか……
ほら、プリンに醤油かけたらウニっぽい味がするとかあるだろ? 甘味と魚は意外と合うんだよ。……多分。
あーえっと表裏一体ってやつだ。だから大丈夫がんばれ
[などと意味不明な供述をしてみた]
あ。
意外と。
[目をぱちくり]
ああうん、思ったよりいい感じ?
[ベースがベースなので、「おいしい」までは至らないけれど]
[ヴェルフェルミ=アイ・ヴァンホー
9世紀○○地方の王。
ストーカー王。執着王といわれ当時としては異常な情報戦を取り、政治戦略とも執拗に追いつめることを、また性格もねちっこいであったという。
戴冠後、南方進出のために首都を古都ピジェに移し、いくつもの国をその情報能力と戦略を駆使して手中に収めて領土を広げていった。
その麾下には当時最強といわれた軍人黒獅子や諜報部隊"L"をはじめ様々な文武官を従えており、また政治においては律を主にした厳格なことで知られている。
敵対するものには容赦はなく、悪辣な手段も平気でとっていたといわれているが、被害を最小に収めた手法をとっていたともいわれている。
彼のストーカー王などという不名誉な名で後世に伝わっているのは、当時の、嘆きのイレアナ。事件に由来することが多いが、彼自身も好色であったとも、欲しいとおもった存在は何がなんでも手にしたい強欲な王だともあるが、慎ましい性質ではなかったようだ]
[諸説にはそうなった原因は、彼を最も愛したといわれるユリアをその手で謀殺してしまったことが由来するともいわれているが、彼の幼少時代もまた原因の一つといわれている。
当時の父王の妾の子として生まれた彼は兄姉に疎まれ、よく暗殺に身を晒されながら悲惨な暮らしをしていた。
また当時の父王「お前には扱いきれないだろう。そういったものがいたら危険だ」などという理由だけで友となったものを殺されている
それは当時の病弱な王位継承権第一位であり一番可愛がられていた王による乱心ともいわれている。事実の有無はともかくそのようなエピソードがあるように、彼に味方は母親意外にいなかったのだろう。
だがその母も度重なる苦労にて早死にしているといわれているが、何時頃かの記録は残ってない。
一人母の死を悼むヴェルフェルミに「あなたの母君も一人で死ぬのは寂しいでしょう。ご一緒にどうぞ」というメッセージとともに獣の死体が贈られてきたなどとも言われているぐらいだ。おそらく彼意外誰もその死を悼むものがいなかった故に不明なのだろう]
[それがきっかけで彼はより辛辣に卑怯も不名誉もものともしない人間に変わったのではないかといわれており、また後の若狼を拾ったのも、後の黒獅子と呼ばれるものと親交を得ていたのもこの頃である。
その後、父王を初め当時の兄弟など王位継承権を持つものが一人ひとり"不慮な事故"でなくなっており、王位継承権の低いヴェルフェルミが王として君臨することとなった。
また、当時のヴェルフェルミの父王の時代、彼の国は弱体化の一途をたどっており、それを早急に建て直すためにも手段を選ばぬ策を講じざるを得なかったという説もあり昨今では不名誉な名を得る王であるだけではないという説が浮上している。]
[バニラアイスをほおばりながら、えらい味のするアイスとか、砂糖の山とか横目にソファーの上で赤のノートにちらほらと自分勝手にいろいろ書いていた]
[ポテチのり塩味を開けて食べている]
「刺激100%!スッキリすっぱい恋するレモン」×バニラアイスの味にも興味があります
すっぱあまい…のでしょーか?
[ ポーンザインの南部に位置するコルネリカ港は、かつて幾度も戦禍に見舞われた。豊漁な港を求めるため、あるいはポーンザインを経て北を目指すため、ヴァイキングや、海戦王オラヴィの率いる海軍に攻め込まれた。
しかしどの歴史書を紐解いても、この港が攻め落とされたという記録はない。
地図をご覧いただければおわかりの通り、守るに易い地形というにはほど遠く、この海域を死守し続けることができたのには訳があると推察するのは難しくない。
理由のひとつははっきりしている。ポーンザインが、敵船に積まれた攻城兵器をぶち倒す投石機の技術に優れたからである。 これによって漁港の守りを高めた。
もう一つは――]
[ほら、聞こえないだろうか。よく耳を澄ましてみてほしい。私はいま、コルネリカ港にいる。
かつて戦に明け暮れた港も、様々な経緯の後、今は穏やかに栄え、名物[小凶]味ウニ丼や食べれば[6時間前]には未来が開けると言われるしらすかき揚げ丼など海鮮料理目白押しの港町だ。きっとこの漁港に上がらない海の幸は無いに違いない。
ほら、聞こえないだろうか。彼らの声が。
「海鮮を制する者が世界を制する!」
世界の7割は海だという。
海鮮――海戦を制する者が世界の大半を制するという彼らの言葉は偽りではない。
美味い海鮮を食べ士気を高め、海戦に勝利し、また美味い海戦を食べる。コルネリカはこうして勝ち続けたのだろう。
ヴァルター=V=ラーゼン『村長さんちの魚市場でダジャレを連発した』 第<90>話より]
[「戦うよ」
言葉が短くなってしまうのは、震える声を聞かせたくなかったからだ。マッテオは、情けないと思いながらも、伺うようにイレアナの表情を見てしまう。明かりは彼女が持つ蝋燭ひとつ。暗闇の中でも、しかし彼女は自分の表情を見逃さなかったに違いない。
彼女は、まさに父の魔の手に晒されようとしている今でさえ、自分よりも毅然としていて揺るぎがない。刻一刻と迫る時間など無いかのように、じっとマッテオの言葉を待っている。]
[「……ヴィルコラクを」
机の上に置かれた地図。
支流に挟まれたその城を手に入れることが出来れば、ピジェの――父ののど元に食らいつくことが出来る。
父の。
執着王と呼ばれる父。
この世の全て、形のあるなしを問わず、全てを手に入れようとするどん欲な人。]
[一瞬の物思いの間も、イレアナは変わらずマッテオを見ていた。思考の先にあった言葉さえも見透かされたような気がして、一度だけ、ゆるりと頭を振る。
「ヴィルコラクを襲撃する」
振り上げた手を、躊躇わず振り下ろす。
がん、と堅い手応えが決意を揺るがすように懐剣を握った手に返ってくる。
これは父との決別。
これは自分の決断。]
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