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[海辺への道を進み、その途中で道を逸れて風音荘のある方へ。学生時代に通い慣れた道。10年前は丁度その時期にあたる]
景色変わんねぇー。
っても当たり前か。
[遠目にはもう風音荘が見えて来ている。その入り口付近に人影を見つけると、離れた場所で一度足を止めた]
っと、あれって確か……貘原って言ったっけ。
[まず目に付いたのは、この10年前に飛ばされて最初に会った男子。名前は辛うじて思い出せた。彼がもう1人に話しかけているらしいのを見ると、視線はそちらにも向かう]
…………やっぱ居るよなぁ。
[小さな呟きは不思議そうな雰囲気を含んでいた。僅か首を傾げて後頭部を掻き、離れた場所からしばし見つめて*いた*]
ん? 何か言ったか?
[流れ聞こえたような言葉は、はっきりと捉え切れなくて。呼んだか、とでも言うように祐樹に聞き返した**]
― 駅 ―
「ちーがーうー。
みんな、大事なものはちゃんとある、よ」
[風のかわりに答えてくれたのは、あの兎だった。
ててて、ととと。
言うだけ言って外に出る階段を駆け降りてゆく]
巻き込んだのは、兎の失敗にってことか。
[駅前から伸びる商店街も今は静かだ。
時折、蜃気楼のような過去の場面が浮かんだりもするけれど、なぜか長く見続けることが出来なかった]
あの空間の狭間、危険な場所ならあの兎ももっと慌ててるだろう、かな。
とはいえゆっくりしてたいわけじゃないし。
備瀬さんの開放のためにも、早くワスレモノを見つけなきゃな。
ここは、10年前も今も変わらない。
この頃から古めかしかったからなあ。
[日焼けしても構わない、とばかりに古本屋の店先に積まれた文庫本を手にとって、パラパラと捲り始めた**]
― 元・自宅 ―
[予想していた通り、仄かな白檀の香りに出向かえられた。客人でも来ていたのだろう、飲みさしの湯飲みが幾つか残されているのを認めれば、呆れたような困ったような声を発する。]
あら、ら。
片付けもせずに何時もの場所に行っちゃったのね、わたしは。
[壁一面に立て掛けられた写真。
フレーム入りの物もあれば、素のまま画鋲で取り付けられているものも。
年月をかけて撮影されたであろうそれらは、殆どが自分の手によるものではない。]
[色素の薄い瞳はそれを順に眺めたのち、やがて机に放置されたままの写真に向いた。表札の前、並んで笑顔を向けているのは記憶にあるままの両親だ。
旅行に発つ二人を、見送りがてら写真に収めたのは―――]
これ。わたしが撮ったんだよねー…。
[貯金を貯めて購入したカメラではなく、その時だけは父の写真機を貸してとせがんだ。折角の15周年記念なんだから、綺麗に撮れた方が良いでしょ?…と言って。
遺品整理が終わった日に、何処からだったか、写真は手元に戻って来た。その日は一日中、部屋に篭って泣いた。]
とにかく混乱して、迷走してたっけ。
自分の所為で死んじゃったんじゃないかって。
そんなわけ、なかったのに。 ……ないんだ よ。
[あの日泣いていた自分に向けるよう、独言。]
……ただ、人を撮るのはこれっきりにしようって、
思っちゃった なぁ。
[確か、個展の話が出た頃か。経歴を説明する傍ら、省吾には話したことがあったと思う。風景写真が主である理由。一瞬を半永久的に残すことの出来る感動が、逆に働いてしまった出来事があったこと。
ちくりと刺さる記憶ではあるけれども、大人になるにつれて自分なりに答えを出している。だからきっと、これはウサギの言う「ワスレモノ」ではないのだろう。]
にしても、こんなに撮っちゃってまあ。
置き場所無いからって隅にまで積んであるし。一軒家が泣くぞー。
[アパートに作品を引き取った自分が、どれだけ収納に苦労しているか考えたことがあるかー、と頬膨らませる。表情にはもう寂しげな気配はない。
暫くののち玄関に戻り、サンダルを足に引っ掛けた。自分はもうこの場所の住人ではない。長く居るのも何だか違う気がして。]
……行って来ます。
[目を細め微笑むと、懐かしい場所を切り離す。
戸に確りと施錠をしたのち、その場所を後にした。*]
― →街中 ―
[軽口にけらけらと、笑っていられたのは、そのすれ違いの前後まで。
聞き返す声に、無意識に呟きを落としていた事に気づいて。
なんでも、と一度は言いかけたものの]
あー……いや、ちょっとな。
やっぱ、10年前の自分見る、ってのは。
びみょーだな、って。
そう、思っただけ。
[何となく、黙っていても、という思いから、ぽそり、とこう返した]
─ →駅前公園 ─
[あれこれと、考えを巡らせながら歩いていく。
煙草は途中で、携帯灰皿に落として消した]
10年前に飛ばされたのに、意味があるんだとしたら……。
[どれだけ記憶を辿っても、考えられるものは、ひとつしかなくて。
けれど、何となく、それを直視はしたくなかった。
何でだっけ、と考えても、それも見えなくて]
……ぁー……面倒な。
[大げさなため息と共に駅前公園に戻るなリ、零れたのは大げさなため息だった]
─ 駅前公園 ─
大体において無茶振りがすぎるんだっつー……。
[言っても詮無いとわかっていても言ってしまうのは、多分、近づく事を求められている事が自分的に余り見たくない、と認識している部分だから。
そこまで気づいているなら、と言われるかも知れない、けれど。
そんな簡単に行くなら、多分、きっと、忘れていない]
……どーすっか、ねぇ。
[思い当たる節に即すなら。
ヒントを得られそうな場所は、多分]
あそこ、だよ、なぁ……。
[ちら、と視線が向かうのは。
バス停の近くに建てられた、病院の看板]
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