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[少女が段ボールを持ち上げると、ホッとしたような表情で立ち上がる]
ありがとう。
あなたにも蛍川の御縁がありますように。
[少女に微笑みながら言って。
そして青年を振り返り]
あなたもありがとう。
聞いてわかんだろう?
ストーンズだぜ
[得意げに ジャーンとギターを鳴らしてポーズを決めてみせる]
[相手が興味がないそぶりなら]
チィーッ 伝説のキース・リチャードなんだぜ
[頭を掻いた]
まあ、知らないならいいや・・・
[と頭上で響く蝉時雨]
ああ・・・五月蠅いな
[そう呟くと ギターをしまい 階段を下りていく。ニキとすれ違い様]
そういえば・・祭り・・・雨降るか?
誰かが言ってたけど・・・お前天気みるの上手いんだろう?
[他愛の無い会話を交わす。]
すとーん…、りちゃ…?
[そういえば雑音の混じったラジオからそんな言葉が聞こえた気がする。
鮮明に覚えていないのはきっと興味がないからだろう。]
―――――…煩い、ね…いろいろと。
[視線を落としたまま、少しだけ笑って。
もっとも目は笑っていなかったのだけれど。]
雨は遠いよ。
でも…夏の空は気まぐれだから。
どこかの誰かと一緒で、さ。
[空を見上げて言った。]
[一言三言当たり障りの無い会話をすると階段を降りた。]
-神社の近くの雑貨屋-
おばちゃん ソーダーアイス くださーい
[雑貨屋の前の赤いポストにリクエストハガキを*投函した*]
―――――…。
[階段を降りていく姿を静かに眺めて。
それから階段に座り込む。
ぼろぼろの鞄。
破られた理科の教科書を大事そうに開く。]
―――――…。
あの雲は…晴れの証。
今日の雲模様は快晴。
傘の心配はいらないでしょう。
[ラジオで聞いたそれを真似て紡ぐ。]
でも足を止めて、話しを聞いてくれた。
関わろうとしてくれた。
[不機嫌そうな表情に返すのは微笑み]
蛍川はね、御縁を祈る川。
昔、ある男女が、蛍の光に愛を誓った川なんだ。
[二人と一匹の問いに、笑いながら川を眺めて答えた]
――――――……。
[家に帰ったところで、壊れたラジオがノイズ交じりに天気を教えてくれるだけだけど。
それが楽しみであり、それしか楽しみないのであり。
学校へ通うのもいい大学に入って予報士になるためだから。]
――――――…。
[蝉時雨降る中、しばらく空を*見上げた。*]
たまたま通りかかっただけだ。
[向けられた微笑に、調子が狂うとばかりに舌を打ちます]
……それで、その男女はどうなった?
だいたい、どうしてそんなことを知っている?
[ギターの演奏に変わり、
いつしか流れていたのは、蝉時雨。
止まってしまった音色が気になり、
しばらくしてから、ぶらぶらと歩み始め、]
あ、立木さん……
[見知った顔の方へ、おずおず頭を下げた。*]
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