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[が、爪がちくっと刺さって、痛い。
顔を上向きにして、落としかけたせいもあったかもしれない]
おぉおおお。
……俺は注射はするのは好きだが、されるのは嫌いなんだ。
[ぶつぶつ呟きながら、ポケットから取り出した煮干を手のひらに乗せて、頭上のにゃんこに差し出す。
色々と入っているようだった]
にゃむにゃむー。
[煮干をにゃごにゃごいいながら食べ始める。混ざっていたアーモンドはぽいとユウキの髪に残した]
にゃーーん。
[煮干を食べ終え*幸せそうにひと鳴き*]
お母さんは、お着物汚しちゃうからご飯はいいのよぉ。
[お茶をすずずっと]
楽しそうねぇ。
[ギンとじゃれているユウキをほほえましく見ている]
もちろん、楽しいとも。
素敵な嫁さんに、娘に息子、祖父や居候……
たくさんの家族に囲まれて、楽しくないはずがない。
食事かー、父さん肉は大好きだぞー。
[タレをつけずに口に放り込んだ。もぐもぐごくん]
ギンちゃんいらっしゃい。
[立ち上がり、ユウキの頭上からギンをおろして抱え込んだ]
あら、いやだ。
[残されたアーモンドや、煮干しの頭に気付くと笑みを零したが、教えない]
[一心不乱に肉を焼いて食べている]
ヌイちゃん、それおいしいの?
[ヌイの作ったソースを分けてもらい、焼けたばかりの肉にべったりとつけてふーふーして、口へ運ぶ]
・・・ぅぅ・・・。
[目の端にじんわりと涙が浮かんでくる。
どうやらちかにはピリ辛過ぎたらしい。
それでもにっこり笑って]
おいしい。
猫缶はじいじのなつかしい味?
じいじは猫缶が大好きなのね。
[みんなの真似をして短冊を一枚手に取るけれど、文が書けるほど文字を知らない。
ちらりとユウキの短冊を見て]
おうまさんだ。
絵でもいいのね。
[ペンをぎこちない手つきで握って、色んな大きさの丸を次々と描いていく]
このいちばんおおきいまるが、じいじ。
次のへこんだまるが、ととさま。
へこんだまるにちょっととんがってるのが、かかさま。
[丸に髪らしきぐしゃぐしゃの線と目鼻口らしい点が、絶妙に崩れたバランスで描きこまれて行く]
さいごに、ギンちゃん。
ほら、みんな描けた!
[伸びきった輪ゴムみたいなギンを描き加えて、全部で10個の丸が短冊の中でひしめき合っている]
父さん、ちょっとにゃんこに嫉妬しそうだ。
[大人気なく呟いた。
目の笑っていない笑顔]
おお、ちかも出来たか?
[ひょっこりとびっしり丸の描かれた覗き込む]
前衛芸術的で、いい絵だ。
ぜんえいげーじゅつてき?
[意味が分からずきょとんとするが、たぶん褒められているのだろうと解釈してにっこり]
んーと、かかさまがととさまに、えっと、えいってしてるの。
だからへこんでるの。
[幼心に、力関係を正しく把握しているらしい]
ネギちゃんに、ととさま、かかさま、じいじ、あにさま、アンちゃん、リンちゃん、ナっちゃん、ヌイちゃん、そしてギンちゃん。
ほら、みんないるよ。
[丸をひとつずつ指差しながら、ツキハナに説明]
いやねぇ、そんなに強く叩いてないじゃないですか。
[力関係は今日も変わらない]
ちかちゃんの丸は描かないの?
[指先を短冊に近づけて、空いたスペースに丸を描く]
あ、ととさまへこんだ・・・。
ととさまとかかさま、いっつもなかよしで、わたしうれしい。
[愛情表現だと思っているらしい。
ツキハナの指先の動きを見て、一瞬固まって]
わたしのまる?
・・・そうだよね、わたしも・・・家族だもん。
[ペンをぎゅっときつく握って、短冊のすみっこにゆっくりと円を描く。
手がぷるぷると震えて、円もおかしな具合に縒れた]
で、できた・・・。
[感慨深げに、じっと見つめている]
[チカノがツキハナに短冊を見せている様子を眺めている。
最後の○が付け足された時に不意に席を立ち、
手に何か抱えて、また戻ってきた。]
ほら、ちか。
せっかくだから色鉛筆で色塗りなよ。
ねーちゃんは、可愛い色にしてね?
[ちなみに24色だ。]
[背中を撫でるツキハナの優しいぬくもりに、はにかみながら短冊の丸を指でなぞる]
いろえんぴつ?
わあ、きれい!どの色がいいかなぁ。
[アンの持ってきた色鉛筆を見て、ぱっと笑顔がはじける。
手に取り、ぐしぐしと短冊に色を塗りだすが、力が入りすぎて紙がぐしゃり]
あっ、・・・よかった、破れなかった。
[深呼吸をして、今度はゆっくりと]
アンちゃんはぽっぺたのいろがももいろだから、ももいろで塗るね。
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