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― 四辻よりの移動 ―
―――……、
[ドスリと突き刺した槍を軸に身を回転させる/飛来した光の矢が瞬時に傍らを過ぎ去り髪先をちりぢりに焦がす。]
熱い、けど、
柔らかい。
[身の回転と同じく、角度を変えて槍をぐるんと回転させる。<斜め45度に向けた切っ先は、もう一つ飛来した光の矢の切っ先に触れていた。
幾らの矢を用意しているか等は無論察せない。ただただ、向かってくる「線」へ向けて角度をつけてやる。]
ちらせない、けど、ふれやすい。
[ぞくりとした切っ先を感じ、槍と身体との間を開ければ、先に有翼人に傷つけた場所>>36を過ぎる矢。
動かなければ、確実に心臓から背中を射抜いていただろう。]
[腹部に手をやるでもなく、酒瓶を抱え、槍を引き摺りながら、次は崩れかけた建物を通り抜け別の通りへ蹌踉めきながら向かおうとする。
腹部の傷は、やがて血が滲む程度に。**]
― 庭園の在ったビル・低階層 ―
[床材が幾重にも抜けた吹き抜けの底。
煉瓦が混じる瓦礫の上で目を覚ました
ベルンハードを見下ろし立っている。
誰何への応えは、喘息めく息遣いの下。]
…ここの住人だよ
「引揚げ屋」をやってる
[相手の心底には頓着しない様子で、
空見える吹き抜けを見上げてみせる。]
塒が壊されたんで、困ってるところ
…気に入ってたんだけどな
ここは
[顔の向きはそのままに、少年を見遣る。
緩く詰るざらついた声音は当時のまま。]
ごめんなさいの一言くらい
――聞きたいじゃない?
/*
相方さんとの意思疎通がぎこちない いかんなあ
…フィールド広い村で
直接会話なオンリーな赤は運用に苦労しますね
ぐろい赤にしたいけどさっぱりできてません ううう
―回想 実験体との遭遇前/崩れ掛けのビル―
[化け物が床下の穴へ落下していった直後のこと。
戦闘の余波で上層部を構成する煉瓦は次々と崩落を始めており、
その内のいくつかはビルの外側を転がるように落ちて行った。
――くぐもった呻き声が聞こえたは、大き目の破片が一つ剥がれ落ちた直後の事]
……この、声は。
[聞き覚えがある声――有翼人の天敵たる「銃」の持ち主の声であった。
たまたま近くで眠っていたか、派手な物音を聞き近付いて来たのかはわからない。
ただ、瓦礫の直撃を受け顔を上げた彼と、有翼人の視線が合ったのが不運であった]
――見たな。
[有翼人の鋭く細めた目が、帽子の下の童顔を捉える。
相手の反応はどうであったか。
こちらの気配を察し武器を構えたにせよ、それは怒りを刺激する結果にしかならない]
あたしの穢れた姿、こんなにも間抜けで醜い姿を――
[きりきりと、音がしそうな程眦を吊り上げる。
暗闇の中でそれと気付かれたかはわからぬが、既に弁明を聞く気はなく。
その手は弓を引いている]
記憶に残させるものか……!
[そして矢は放たれた。
男の記憶を、その脳ごと破壊すべく**]
―回想・了―
/*
サンテリさん見つけにいったら、そこにはレーメたんいないってことでいいの、よな?
白い塊って、白い塊をレーメたんが吐いた?
それとも、サンテリさんが白い塊になるような何かをしたん?
あれ?二人とも倒れてるん?
どんなん???
と思いつつ、一人踏み出せないチキンである。
[賞金稼ぎとの口頭での契約を終えると、向かう先は、とある路地の裏。
先に何やら大きな破壊でもあったか、崩れる瓦礫の狭間には、いくつかの赤い塊が見えた。
その中に、もし僅か見覚えのある黒い帽子を見つけても、当然のように、一瞥を向ける以上の事はしなかった。
それから、ほんの少しずれた場所。
足元のマンホールを、 ココン、コン、コココン とブーツの踵に嵌められた金属で叩いた。]
クーラ、マルカ?生きテいるカ?
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