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[あれやこれやと考えて、その幾つかは横に積んだりぽい、としたりしつつ。
揺れる藤紫の奥へ、奥へ]
……ん。
[どれくらい進んだか。
不意に、場の空気が変わったような、そんな気がした]
この先?
[誰に問うでもなく、呟いて。
幾重にも重なる藤の花房をそっと押しのける。
その先に、見えたのは──]
……なんで。
この木だけ、咲いてないんだ?
[満開の花の囲む小さな広場。
その真ん中に佇む木。
その枝の上には、藤紫も若緑も乗ってはおらず。
どこか寂しげで、力ない佇まいでそこにあった]
仮装じゃないなら、変装?でもそれ余計目立ってるわよ。
[言わない言葉の代わり 遠慮なく 突っ込み]
そりゃ暑いわよー。でもこれ衣装だから脱ぐわけにもいかないし。
[ぼやきながら ぱたぱた 扇子は止まる事無く]
うん、シンちゃんもキクちゃんもね、先に行くって自分で決めたみたいだから。
私は、後からでいいの。
[最後の方は きっと 微妙に意味不明]
[呼ばれていると、感じはする。それに逆らう気もないけれど]
[気遣ってくれた優しい青年が、どこかに消えて、それを確かめずに動けない]
[もしかしたらって、思うから]
[花のない木に近づいて、軽く、手を触れる。
葉も花もない所から、何となく察してはいたが、触れる感触もどこか乾いた感じで]
……枯れてる……っていうか。
枯れかけてる?
[植物の知識なんて大してないけれど、何となく、それはわかって]
……なあ。
もしかしなくても、俺呼んだの、お前?
[小さな声で問いかけてみる。
木からの答えは、残念ながらないけれど。
ずっと内に抱えている不協和音が、それを肯定するように、ひとつ、響いた]
そ、か。
[肯定してくれたのはいいが、内に響く感触は何気に負担になるらしく。
大きく息を吐いた後、木の前にずるり、と座り込んだ]
…うそ。
[友人の容赦ない突っ込み。
なんたることだ。
完璧だと思っていたが、目立っていたらしい。
い、いや、目的は自分だと気付かれなければいいのだから、目立つ目立たない大したことではない。筈。
だよ、ね?]
私も着替え、持ってないし。
[誰がここに居るかもわからないし。というのは心の中。
友人は本当に歩くのも大変そうだと改めて思う。]
…そう。
[シンちゃんは先程の新郎だと解ったがキクちゃんとは一体。知り合いだろうか。
よくわからないが、いいというならいいのだろうと深追いはせず。消えた友幸については。]
妹さんを?
そうなんだ、知らなかった。
[初耳のこと。
会えたかどうかも知らないと伝える。]
たまたま、踊っている所見かけただけだから。
あ、あと、兎と揉めてたような。
[光景を思い出すように付け加え。]
話してる最中にいきなり、ふっと消えるから驚いた。
[事実を淡々と話す。]
此処をでる、きっかけ…?
[掬子さんのことばを、くちにして反芻します。
この不思議な世界を出るきっかけ。
それは、あの真昼さん曰く「ウサ公」とお呼びするあのうさぎの言葉とどことなく繋がるような気がして。
――でも、いいのでしょうか。
何に対して、明確な理由は出て来ないけれど。
そんな不安がよぎるけれど。
真昼さんを一度見上げ、何かを確認するようにうなづいてから。
わたしたちは掬子さんの案内について行きます。]
[鞄の持ち手を両手で握り締め、前を見据えれば、ゆっくりと、しかし確かな足取りで幾本もの藤を潜り抜ける。
時折さらさらと花房が音を立てた。
最早過去の物とは言えない程度に、集まってしまった記憶の欠片。
未だ抗ってはいるものの、掻き消す事は出来なくて。]
[次に二人へと、声をかけたのは、どの位歩いた頃だったか。]
……あの。
ごめんなさい…。
[一時立ち止り、呟くように。
背を向けたまま、なのは、心苦しさから。]
多分、お二人や…他の方達…。
此処に連れて来てしまったのは…。
私…。いえ…『私達』なんだと思います。
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