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[子どもがくれたわたあめ。
最後に残った割り箸をくわえてぶらぶら。
※危険です。テレビの前のお子様は真似をなさらないよう]
おにさんこちらー
[手に付いたポテトチップを叩くかのように、鈍く2回打ち鳴らす。
眠たげと言われる顔のまま辺りを見渡すと、面を被った老若男女が夜店の明かりに照らされてふわふわと]
[『還って』来ている人がいても、きっと誰も気づかない]
―現在 祭り会場―
たーのむよー ワカバ!
問題はあと、自由研究だけ!
そこがなんとかなれば!万事解決!
へるぷみー、
なんか半日で終わる研究おせーて!
[級友へ向かって手を合わせる、男子学生が一人]
ほら今ならもれなく、
「シンヤんちにおとまり勉強会に参加権」つき。
おまえも興味あるだろ、シンヤ?(あいつ女子人気高ぇんだよな)
それにあの古ーいうちの、趣?ってもんも味わえるぞ。
―現代―
[カロリーが無駄に高そうなかき氷を食べ終えると、
ソラを探していた様子の男性が現れる]
ごめん、用事あるからまたねー。
[そういって周囲の人々に挨拶を済ませ、やってきたのは公民館。
かくれんぼ踊りの前に行われる劇の打ち合わせがあったのだ]
ちぇー、リンゴ飴プレゼント攻撃でもおちねーか。
…しょーがねえ。
じゃあ、とっておきのひみつ。
おまえにだけ、特別に教えてやる。
あの家に、な―――
[カラコロ カラコロ
下駄の音が通り過ぎる]
[そのとき。
言いようのない、なつかしさを感じた]
はは
[そう笑い声をあげると、
カラコロ下駄の音響かせて]
伊達にモチーフにはしていませんからね
[踊りについてはそう返し、
ふと当てられるのは狼の面
面越しの狭い視界にヒナの顔があり瞬いた]
――…
…
[面の奥で一度、きょとりとして、
――ふ、楽しげな笑みを浮かべる。
面が外された時、ヒナが見た笑顔は、
いつもと同じでないかも知れず。]
やあ
[漸く、面と向かって―――]
見つかってしまいましたね
[くすくす笑う声は、下駄の音と妙に合う。
カラン、一歩動いてヒナに向き直り、一つ手を差し伸べた。]
じゃあヒナさん、かくれんぼの鬼と
折角だからかくれんぼの踊りでも、ひとつ
神隠しに合うかもしれませんけどね
[笑う声色は、*冗談めかしたものだった*]
………あー。いや。
やっぱ やめた。
お前に言っても、どーせさ、
「科学で証明できないもんは信じない」
っつーに決まってるし。
[にやりとした不敵な笑みを浮かべる
ひとり秘密を守り囲い込むことを決意した、そんなような。]
あ? 「でる」か? って………
[ワカバの口にした推測には、
自分から振った話題であるにも関わらず、沈黙をおし通したのだった]
[内容は――以前この村であった神隠しの話]
で、ここで何だっけ。
[散歩に誘われた]?
[というと一斉にツッコミが入る]
『違ーう!』
『[占い師 オトハ]はそんなことしてないだろが!』
『本当にお前この村の出身なのか?』
いや、ちょっとふざけてみただけ。
[反省心ゼロで言い切った]
[笑い袋とハンガーを抱えて、屋台の間をそぞろ歩く。
頭には狐のお面を乗せて]
笑い袋とか、なんかもうちょっといいもの当たればよかったのに……よし、ムカイ君に押しつけよう。
[じーっと笑い袋を見つめた後、さくりと決心する。
ふと。
声が。
しゃてきの けいひんじゃ ないのに ね !
(うんうん おかし でも ないのにね !)]
……うん?
[きょろりと背後を振り返り、首を傾げた]
[一度面に隠れ、また現れた作家の笑みは、
遠くて、少し怖くて、懐かしくて、胸を締め付けるもので]
フユキ先生…?
[そして思いのほか、近くにあって]
あら。
[差し出された手を、少しみつめて]
この指とーまれ、ですね。
[歌うように言うと、自分の手を重ねる]
先生になら、隠されてもいいですよ。
…お見合いしなくてすみますから。
[弟の複雑な視線など、知る由も無く**]
俺と逆、だねぇ。
[ぱらぱらめくった本の最後の方、女医は『この村から離れたいな』と言っていた。
その後どうなったのかは書かれていないようだったが]
巡回してきますね。
[わいのわいのと騒ぎながら動きをまじえての最終打ち合わせは続く。
一段落して休憩に入ると仲間から尋ねられる]
『この話、実話とか言ってるの聞いたんけどマジなん?』
[その問いにうーんと考える振りをして答える]
まあ私には分からないけど……
鬼だろうと神様だろうと妖怪だろうと、
誰だって寂しいもんなんじゃない?
[はぐらかすような答えに相手は不思議そうな顔をしていたが]
―現在 祭り会場―
しかし、お前とこうしてても、
残酷な現実(宿題)は終わらないな…。
はあ。もー、自由研究はちょっとおいといて。
祭りの間は、祭りを楽しむとするか。
縁日いってくるわー。
…ミナツも来てるかもしれないし。
あいつに問題集(回答ずみが望ましい)レンタル頼むついでに、射的おごってもらおう。
たしかあいつ、引換券もってるっつってたよーな…。
ん、すまんかった、
じゃーな、ワカバ、おまえマブいぜ。
[子供たちの遊ぶ声とともに、*祭り囃子が流れてきた*]
― いつかのどこか ―
[カラコロとなる下駄の音。
自分を遊びに誘う声>>51に、顔を上げる]
…まあ、懐かしい声。
お元気でした?って変かしら。
ええ、また遊びましょう。
あの時のように。
[そういうと、少女のように優しく微笑んだ**]
─夏祭り会場─
わ、!?
、ぁ、わ、ゆ、ユウキ、先生。
こ、こんばんは。
あ、あの、ね。
なんか、かくれんぼ、したい子いる、かなって。
思って。
だ、だから、その。
歌って、みたの。
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