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ああ、また会ったね。
祈り、かね?
[プレーチェの問いには、ふむ、と]
祈りという言葉には二つの意味、使い方がある。
一つは……神や仏に思いを捧げる事をいう。
もう一つは、強く願う事を祈るという。
例えば死者への祈り、という場合は……
それは死者の成仏を願うという意味だ。
[少し、考え]
成仏は……安らかに眠る、という事かな。
>>98
“安らかに眠れ”。
[目をパチクリさせて、ライデンを見つめる。
次いで視線を移し、花咲く墓碑の一つを指差した]
テンマ。
そう、安らかに眠れ……
Rest In Peace.
[頷いてから、プレーチェが視線と指を向ける先を見やる。最初に目に入ったのは青い花]
テンマ……?
テンマさんが、どうかしたのかね。
[聞こえた名に不思議そうな表情をしつつも其方へと歩み寄り。傍にしゃがみ、低い位置にあるその扉を見る。
かけられたプレートに刻まれた文字を読み]
これは……?
[まず漏らした声は、ただ疑問の響きを含んでいた。すぐ理解に行き着かない思考。
この文字が、何を表すのか――]
[少年の名乗りに]
レンですね、よろしくです。
ぐっもーにん、は。かわいい、かんじです。
[目覚めに関するやりとりに耳を傾け。
テンマを求め行く後ろ姿を、じっと見送り]
[ポケットへ手を入れ、白い鍵を握りしめる]
しろを、探してくるです。
[告げて皿やコップを片付けると、キッチンの扉を出た*]
[外に出かける二人を見送って、失人はおかわりのカレーをたいらげた。口のまわりには、カレーがついたまま。]
うまかった。
飯はうまいもの、覚えた。
[しゃがみ込んだライデンの右隣に立って、墓碑に声をかける]
どーしたの?
[ぬいぐるみを持つ左手はそのままに、右手だけライデンの首へ回した。
抱擁になりきれぬ形で、男の肩先で目を閉じる]
おはよう……。
[死の帳が揺れて、生者が紡ぐ現世の夢を断片的に運ぶ。
刻まれた名(かぎあな)に、プレーチェとライデンの声が届き
…酷な微睡みが緩むのを感じた魂はひくと瞼を持ち上げる。]
――…
[『 どーしたの? 』またひとつ、声は届く。指が動く…
2人が覗き込む墓碑の扉から、蒼褪めた手が音無く伸びる。]
[――何かを、掴むように。]
いや、この名前は……
いや。
[言いかけてやめる。
「此処は墓ですよ」と教えるカナメに]
やめたまえ、縁起でもない。
[独りごちるように呟いた。肩先のプレーチェの顔を振り向き、また前を向いて]
この扉が何か、知っているかね?
ん。ああ、おはよう。
君は……レン、だったね。
[扉の傍でしゃがんだまま、訪れたレンの方を見]
そういう事だ。強く願えるなら……
それがすなわち祈りというものになる。
テンマさんは知っているが、
[一つ目の問いに答え、二つ目の問いに答えかけて言葉を濁す。
ねむるところ、と聞こえたプレーチェの声に]
眠る所、だなどと……君まで、縁起でもない。
これはロッカーか何か、ではないのかね?
[たしなめるような言葉は、しかしそこまで強いものではなく。眼前の扉にかけられたプレートを見直す。
テンマの名前と、此方は判読しづらい四桁の数字。並ぶ扉のところどころにはR.I.P、という三文字や似たような英文が刻まれていた]
>>107
ねむるところ。
そうか。テンマは眠っているのか……
…カナメが言っていたな。ここは人が眠る場所だと。
眠る者を無理に起こす事はない…。無理矢理起こされるのは辛いだろう。
最初の眠りと次の眠りは違った。
この眠りは……繋がりを取り戻せる眠りか?
……いらないよ、カナメ。意味はいらない。感じる。俺は自分で感じるから。わからないものは、見つける。自分で。なんだか随分、おとなしくなったな……最初はあんなに耳元でうるさかったのに。
[カナメのささやきに答える。今までのようなイライラした感覚は湧いてこない。]
……上着、どうしたものかな。
[手にする上着を見て困ったように呟く。]
そう拗ねないでくれたまえ。
別に怒っているわけではないよ。
[プレーチェには困ったような笑みを浮かべて。ゆっくりと立ち上がり、レンの声を背後に聞きつつ]
だが、此処が本当に「そう」なら……
昨日会ったばかりだというのに?
[並ぶ扉へ順々に視線を向ける。細かく見るようではなく、ただ、漂わせるように]
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