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ウルスラ、さま。
ありがとうございます…
わたくし、…身を、清めて参ります。
その、
…ありがとうございます。
ドロテアを―――見ていただいて。
[部屋から出る前にお辞儀をする。
彼女が共に来るならば柔らかく笑み、
部屋を出る時にアイノの姿を見れば、
痛々しそうに眉を顰め、横をすり抜けた]
[コップから零れた水が、マティアスの布団に染みていく。
コップが床に落ちる前に掴み、ニルスは小さな溜息と共に眼鏡のブリッジを押し上げた。
マティアスの、目に見える動揺が何ゆえにかを測りかねるのは、獣の爪に掻かれたかのような傷跡の所為か、ニルス自身がマティアスに抱くイメージの所為か。
ともあれ、長老がマティアスに告げたことが事実であれば、人狼は殺せる存在であるということは確かだ。
それをしっかりと記憶に留めて。]
もし君が疑われることを恐れているなら、私に関してはその心配は無い、と言っておくよ。
勿論、それが永久のものでないことも言っておかねばならないが……少なくともドロテアの件では、君を疑うつもりはない。
[わざわざ安心させるように言葉にしてから、空いた手でマティアスの肩をポンと叩く。]
……長老殿は、他に何か言っていたかい?
[そして、風呂場で湯を貯めて暖まった。
身体にこびりついた血も落として
ウルスラが共に入れば不自由は助け
十分に落ち着いてから着替えて出る]
[湯に浸かる。
身体を洗う―――鏡に映る。
桔梗色の狼になっ自分はそこにはおらず
イェンニという女がひとりいるだけ]
…わたくしは、人狼。
でも、…今は、ちゃんと、人ですわ。
自分の意志で、こうしてられる。
[肌にびっしり生えた毛皮も無いことを確認し
頷いたとき 聴こえた声に動きを止めた]
…見極める者、厄介ですわね。
えぇ、それでもそう、
人と言われたマティアス殿は…
疑われにくそうでございます。
[ならば早く食べる対象でしょうか、と
ヴァルテリと思いは重なるだろうか]
[寄り添う肌から、細かな震えが伝わってくる。
常は助けてくれるイェンニが、珍しく支えを求めるとみて]
いいの。
[短くそれだけを彼女に告げた。
声色のうちに言葉以上のものが伝わればと願う。
ちらりと目にしたのは、青ざめたアイノの顔。
その様子に顔を曇らせて、レイヨがいれば目配せをする。
そうしてイェンニと共に、浴室へと向かった]
……獣が。
[>>101果たして、そのようなことはあったろうかと記憶を探るも、思い当たる節は無い。
ただ、獣が騒ぐと聞いてニルスの視線は、さっとマティアスの顔へと向いた。
獣の爪で掻かれたような傷跡。]
君の怪我も、騒いだ獣の仕業……だったりしてね。
[あくまでも冗談めかした口調で呟いて苦笑いを浮かべてから、マティアスが抱える汚れた枕を引っ張った。]
まあ何にせよ、君は血を拭って包帯を巻き直すべきだ。痛々しくて、見るに堪えない。
[言葉と共にニルスはコップを持たない手でマティアスの腕を引き、布団から離れるように促す。
そしてマティアスが立ち上がれば、彼の鞄の中から包帯を持ち出して、彼と共に居間へと。]
イェンニ。
…私からも、お礼を言うわ。
怖がらないでくれて、ありがとう。
出来ればずっと、言わずに済めば良かったと思うけれども。
[少しあとに口にした礼は、先の彼女>>98へと向け。
そうして支えあうように入浴を済ませれば、
随分と気分が落ち着くのを感じる。
衣服を整えて、最後にもう一度、
彼女を軽く抱きしめるようにしてから居間へ向かった]
[ぐるぐると淀む意識の中――耳に届くのは、ユノラフとヴァルテリの会話]
[昨夜、マティアスを探している時に耳に入ってきた“人狼を見破れる力”の持ち主(>>1:91)は、どうやらユノラフであるらしく。
それによると、マティアスは人間であるという(>>94)]
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