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レディに物騒な肩書言う、良くないヨ?
せめて賞金稼ぎと言て欲しいネ。
[女が気にするのはあくまで其処。
彼女が殺しを稼業にしていることは、
隠すまでもなく吐き溜めの街では知られている]
ん、情報ありがとネ。
信仰心の犠牲になた可哀想な娘ネ。
[礼は言うものの、掴みたい情報は他にある]
ドロテア、誰かが守てるとか、ないカ?
宗教団体、家族、その他……
何でも、何か情報あるなら買うヨ?
[ドロテアを殺しにいくとでも言いたげな程に
彼女に関する情報を求めた。
懸念材料を無くすため。不要な警戒を解くため。
不安感が消えねば、仕事に集中できない]
それはどうも?
[崇高、の言葉に唇の端を持ち上げて返し]
フン、荷が重いですって?
天を翔ける翼と浄化の弓持つこのあたしに、地上人の抹殺がどれだけ容易いか――
[足先で彫刻を蹴り、身を宙へ。
手にした弓矢を番えれば、キリリと弦の鳴る音と共に、金色の光が迸る]
――確かめてみる?
[鏃を銃を仕舞った男の額へ向け、躊躇なく右手を離した]
一人だったんだ、おじさんが悪いよ。
大事な人は一緒にいないと…
[続いた質問には、しばし沈黙する。
にいさまは僕を宝物と言い、そのくせ一人にする。大切な人はずっとそばにいるはずなのに…]
分からない…、難しい事は分からないよ。もっとも、にいさまは僕が殺される事を想像していないと思うけど。
それより、僕、機嫌が悪い。僕に刃物を向けるのやめてくれない?
[むくれた表情で、相手に言う。]
……ふむ。
有翼人の力は、人間のそれを上回っていると考えたほうがよさそうだな。
[金色の光を見据えながら口の中で呟く。
光が放たれると同時、男の死体を突き飛ばして地に伏せた。帽子を手で抑える]
死んでしまっては、確かめられたかどうかがわからなくなってしまうと思うのだが……まったく。
[腰に提げていた閃光弾を、虚空へと投げる。
瞼を閉じていても、目が灼けるかと思われるほどの光――]
[一度は整然と組み上げられた情報は砂上の楼閣のように、容が直ぐに崩れている。それでも尚、元の容の輪郭を僅かなりと留めてはいる。]
難しいことは分からない、か。
幸せな生き方だ。
[非難されても、刃は向けたまま]
[その目前に、衝撃を受けた天井が落ちる。]
一人で居る事が危険でも何でもない、そんな時もあった事も、知らないのだろうね。
さっさと兄のところへ帰ることだ。
それで兄にでも慰めて貰うがいい。
[塵埃の中に*姿を消す。*]
[ぽつり]
[艶やかな光沢を持つ黒の液体が、
頬に印を付けるように落ちた。]
[黒い雨、――曇天の空から零れる雨と蒸気、芯熱の開放――]
[男は銃を持っていた。
一撃で仕留められなければ全力退避するつもりで、矢を放つと同時後退かつ上昇していたが]
――くっ
[突き飛ばされた死体。
やり損なったと思う同時、目を灼くほどの閃光が放たれる。
目を閉じ右腕で覆う動作も間に合わず。
上下感覚のみを頼りに、只管高く高く翼を打って舞い上がる]
ま、運が悪かたネ、彼女。
でも私がそれから救てやるから、オールOKヨ。
直ぐ楽にしてやるマス。
[カウコからの詫びには気にしてないといった風に
手を振り、ぶっきら棒にコインを彼の手元へと放った]
それだけ有名人なら、きと情報ダダ漏れネ。
追加で情報入たら、すぐ教えるとイイヨ。
[そう告げると、再びトボトボと歩きだした]
―路地―
[翼の音を聞きながら、目を瞑ったままその場からかけ出した。
どこか細まったところに飛び込んで、そしてようやく息を吐く]
……末恐ろしい。
いずれ決着をつけねばならぬというなら……。
[爆弾も銃弾も使えばなくなる。銃弾ならば行き倒れから巻き上げることもできるだろうが、爆弾はそうもいくまい。
溜息は知らず深くなった*]
[土埃に消えたおじさんを見て、機嫌はますます悪くなる。]
なんなのさ。あの人嫌いだ、人殺しだし。
慰めてもらうって、美味しいの?
あの人は味のないものばかり言うから、嫌いだ。次に会った時、お腹が空いていたら、生きたまま食べてやる!
[普段はやらない、残忍な捕食を思い浮かべ、それでも機嫌が戻らないまま外に出た。**]
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