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ネギヤは「消えて」しまったから。
チェシャ猫に聞いても
見つからないよ、 アリス。
……なんて、ね。
見つからない。いや、会えない、かな?
別にどちらでも良いけれど。
[戯れに黒板に書き込んだ文章を遠目に見、男はやはり戯れに、*呟く*]
/*
黒板一度は使いたかったんだ……。
いかにも怪しい感じで。
さて。六感開発。占い師は<<秘書 テンマ>>、霊能者は<<作家 フユキ>>、守護者は<<作家 フユキ>>、狂信者は<<学生 リウ>>、悪戯妖精は<<作家 フユキ>>に違いないっ!
*/
/*
合ってる可能性があるのがテンマだけです。
霊界見て守護して悪戯したいと思います。
そういや悪戯妖精って絆……結んでるの?
とかいいつつ一旦落ち。
*/
[羊羹の残りをかじりつつ戸棚の蝋燭を少し眺めて、
ソラの座っていた位置と玄関先に目をやりました]
誰か、いたんだっけ?
[ソラの返事ににっこりと笑い]
お母さん、私より先に帰ってたんだ。
でもまた出かけたのね。
[続けてソラに言います]
お姉さんは、お客さんなのね。
お母さんが帰ってくるまで、待ってて。
[羊羹を飲み込むと、黒板に書かれた文字を眺めています]
人、いっぱい。
……お祭り?
[広間にいる人たちに一礼をする。
黒板に歩み寄ると]
……地球を、七回半
[頭に残るフレーズを口にする。白墨を手に取ると、文字を書き始めようとして]
……ネ ヤ?
[フユキに書かれた小さな文字をそっと指でなぞる。
ぴき、と大きな音が響き、眼鏡に縦にヒビが入った]
問題。
「よーかん」と「ぼーりんぐ」の相関関係について
400字詰め原稿用紙2枚以内で、説明せよ。
[何も持っていない手だけが、エアジャグリングをしている]
灯り……集蛾灯?
[戸棚に近づくと、そこに置かれた蝋燭をじっと見つめ]
リウ、レン、ソラ、ルリ、テンマ……フユキ。
[蝋燭に書かれた名前を一人ずつ読み上げて、点呼を取っていく]
お休みの人、手、上げて。
……いない?
[そこにいる人数を数え、首を傾げる。
やがて自分を数に入れて、納得したように手をぽんと打つ]
名前と顔、一致しない。
視覚で、認識。
[机の上に置かれたノートを一枚破り
鉛筆を手にして、レンの顔を描いていく]
……できた。
[ノートに描かれているのは、帽子とサングラスとマフラー姿。
余白に「レン」とマジックで大きく書くと
黒板の空きスペースに、セロテープでぺたりと貼る。まさしく手配写真]
ソう、美 シかっタの。
腹、イっ い?
[ザ……ザザッ……
波の音を思わせるノイズが入る]
ああ、違うの。
周波数は、合わせないと。
混線は、楽しいから。
楽しいは、癖になるから。
平気。楽しいも繰り返せば、単調。
/*
無残な死体を見つけたほうがいいんだろうか……?
まぁいつ死ぬかわかんないし、霊COはさくりとしてしまおう。
ステルスとか隠すのなんて特異な才能は私には無い。
ネギヤさん……だ、だからこの家にはカレンダーなんてないから……羊羹食べすぎだし。
[何も無い空間にぺしぺしと突っ込みを入れる]
──おや?
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