[ペンションの前にタクシーが着く。
少女は胸に下げたポシェットからお金をだし、おつりを受け取ると、勢いよく飛び出した]
『お嬢ちゃん、荷物忘れてるよ!』
[運転手さんの声に、あわてて戻り、ぺこりと頭を下げた]
おじちゃん、ありがとう!
[あわてて荷物を持ち、ペンションへと駆けていく]
[中に入ると、バイトらしき少女─アンに出会った]
あ。おねえちゃんここの人?
えっと、はい、宿泊チケット。
パパは、お仕事であとから来るんだって。
しばらくよろしくおねがいします。
[ぺこりと頭を下げると、アンに案内された部屋に*向かった*]
こんばんはー。今日の晩御飯なにかなー?
[勢いよく飛び込んでくると、餃子のお皿が目に入る]
わーい!餃子だー♪ぎょーざ、ぎょーざ♪
[そこで、初めて見慣れない人たちがいることに気がついた]
あ、はじめまして。みなせるりといいます。
[ぺこりと頭をさげた]
ザクロおねえさんと、ゼンジおじさんですね。
よろしくおねがいします。
[もう一度頭をさげると、しゃがんできたゼンジと視線があった]
うん。パパはお仕事があるので、あとで遅れてくるんだって。
パパと一緒にお泊り、たのしみなの!
[うれしそうに話す]
おじちゃん、怖い…
えっと、パパと同じくらいに見えたから…
[そこにザクロの話を聞いて、『あ、しまった』という顔になる]
え、あの。
ゼンジおにいさん、ごめんなさい。[ぺこり]
[ゼンジおにいちゃんとザクロおねえちゃんと一緒にお茶を飲んでいると、優しそうなお婆ちゃんがやってきました。ボタンお婆ちゃんというそうです。自己紹介をして、一人で来たというと、「偉いわねぇ」と頭をなでてもらいました]
うん。パパはお仕事で遅くなるんだって。るり、いつもお家で一人で留守番したりしてるから、一人で出かけるの慣れてるの。
[そして、もう一人おにいちゃんがやってきました。セイジおにいちゃんというそうです]
はじめまして、みなせるりといいます。
[ちょこんとお辞儀をした]
ゼンジおにいちゃんとセイジおにいちゃんがお見合いなの?
よくわからないけど、おめでたい事みたいなの。
[誤解したまま、のほほんと眺めている]
[ボタンに頭をなでられてうれしそうに]
えへへ。ボタンおばあちゃんありがとうなの。うん、パパはお仕事忙しいから、るり、お家のこときちんとがんばってるの。
[セイジの方を向いて]
よろしくお願いしますなの。うん、パパ早く来ないかなあ…[少しだけ寂しそうに]
はい、危ないところにはいかないように気をつけるの。おにいちゃんありがとうなの。
ゼンジおにぃちゃん、お馬さん好きなの?お馬さんかわいいよねー。るりもお馬さん好きなの。遊園地いくと、いつもメリーゴーランドでお馬さんにのるんだ。
[うれしそうに話している]
餃子だ餃子ー♪
[手を広げたセイジおにいちゃんに]
えへ。セイジおにいちゃんやさしいんだー。ありがとう。
ちょっと、るりのパパに似てるー。
[うれしそうににっこり]
いただきまーす。
[空いている席に座って、手を合わせる。そして勢いよく食べ始めた]
おいしいー。え、この餃子ゼンジおにいちゃんが作ったんだー。すごい、るりより上手い。
[目をきらきらさせて感心して]
[セイジの方を向けば]
えっとね、パパ以外の男の人に、ぎゅーしちゃ駄目なんだって。
うん、困ったことがあったら、よろしくおねがいしますなの。
[ザクロに向いてぺこりと頭をさげて]
セイジおにいちゃんも、何かあったらたよりにしてるのー[にっこり]
[お味噌汁をすすりつつ]
うん。ご飯おいしいから、たくさんたべるの。
うちは、パパと2人暮らしだから、るりがいつもご飯作ってるの。パパ、忙しいから。
お味噌汁もおいしいねー。あとでマチコおねえさんに、コツ教えてもらいたいなー。駄目かな?
[マチコに向かって話しかけ]
えへ。セイジおにいちゃんやさしいー。パパに許可もらったら、ぎゅーするね。
一人でできるのって寂しいの?
[よくわからずに、きょとんとして]