[1] 絞り込み / 発言欄へ
やだ、行かない…!
[寝言と共に顔を上げると、ポルテが投げたチョークが額にクリーンヒットした]
ア、アイムソーリィ……
[さすりながら横を見ると、空いたままのアン、そしてチカノの席が目に入る。
背中がぞくりとしたのは、寝汗のせいだけではない]
文芸部 綾部 マシロは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
具合というか、薄気味悪いというか……
私、怪奇現象みたいなの信じてないんだけどなぁ。
[男子の方に顔を向けると、その後ろの窓の異変に気づいて指差した]
それ……誰が書いたの?
[曇りガラスに “返して” という文字が*浮かんでいる*]
私……
[かもしれない。そう、か細い声で呟いた。
窓に近づいて椅子を寄せると、まだいくつかぶら下がっているてるてる坊主に手を伸べて外そうとする]
ありがとう。
[ゴロウから受け取った物を見て涙ぐんだ。
窓にもう一歩近づいて、腕を伸ばす。
力を抜いた数秒後、草木にぶつかるがさがさという音がてるてる坊主の着陸を知らせた]
/*
なるほど、「犯人はだあれ」の犯人って、かみかくしした犯人だと思っていたけど、「返して」と並べると、神様から取った何かを返して欲しくて、盗んだ犯人は誰だべって感じがしてくるのですな。
[手をベックの首元に伸ばしかけて、すぐ引っ込めた。
しばらく手のひらを眺めてから、窓に向き直る]
マル……
探しておいでよ?
[床にしゃがみ込んで、マルの背中をそっと撫でる手は、少し震えていた*]
[1] 絞り込み / 発言欄へ