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―――――…。
[聞いただけだったが。
目の前で見れば納得はいく。]
神隠し……。
気持ち悪い。
[悦子がいたところ。
真珠の耳飾りがきらり光る。
空を見上げた。]
――――…。
神隠しなんてありえない。
[唇を噛む。]
だって神様はいない。
いるはずない。
[いつもの空なのに、酷く違って見えた。]
先生。近くにいるかもしれない…探すべきですか?
[首を傾げた。]
金田さん、わたしと一緒に帰っても困るでしょ。
[そう呟いて店を出る。]
誰か来るまで待つといいと思う。
わたしは……じじいたちに話聞いてくるから。
[目を合わせず、店を出ようとする。]
―――――…。
だからじじいに話聞くって言ってるの。
[店の外でまた空を見上げる。]
手がかりがないなら…手がかりを探すしかない。
わたしはこの町が変わらないと困るの。
だから、探すしかない。
[視線は空を見定めたまま。]
――――…。
[老人たちが集まっている寄合所へと向かう。
そこには祟りだと恐怖する老人に、それ見たことかと罵る老人の姿が見えた。]
また人が消えた。
どこに消えたか心当たりはない?
[ぶっきらぼうにそう声をかけた。]
[老人たちはボソボソと呟きながらこちらをちらちらと見る。
それに腹が立ってきた。]
わたしはこんな町どうだっていい。
思い出も何もない。
だけど、生まれ故郷だから。
でも変われば捨てられる。
この町はわたしの生まれた所じゃなくなる。
[溜息をついた。]
何も知らないならいいの。
また…探すから。じゃあ。
[そう言って寄合所を後にした。]
[ぼんやりと歩く。
空をこんなに不安にも見つめたのは初めてだった。
人が消えることが怖いんじゃない。
忘れられることが怖いんじゃない。
できるなら忘れてほしい。
そうすれば幸せだから。]
神様なんていない…だって…隠すならわたしでしょ…。
[誰にも心配されない。
隠されたことに気付かない。
それは、死、でもなく消失。]
[泣いてくれる人がいるならいい。
笑ってくれる人がいてもそれでもいい。
消えることに意味があるならそれでも構わない。]
――――――…。
暑い……。
[蝉時雨降る空。
あの空―――の。]
――――――…。
[空と太陽の関係のように。
いつかなれると思ったけど、やっぱり夢だった、と心の中で笑った。]
―回想―
[消えた姿を探しても。
見つからない。]
――――――…。
[それな幼い頃の記憶と重なって。
空を一緒に眺めた日を思い出した。]
――――…さん…。
[けれど、それは失った。
そして今もまた見つからない。]
―回想了―
[自宅から出ると溜息をつく。
同級生も1人いなくなったらしい。
顔は覚えている。]
――――…なんで…。
[消えるのはわたしでいいではないか。]
ニュータウン計画の反対のため…?
だとしても……これは…。
[分からない。
理由は開発の反対なのだとしても。
唇を噛んで空を見上げ。
またこんぺいとうが降るのではと歩き出した。]
雨の晩に神隠し…。
[小さい頃に聞いた話。
もう記憶の片隅からも消えかけていた話。
年寄りの妄言、そうとすら思っていたのに。]
なんか…なんか…。
何かあるはず…。
でないと起こるはずない。
[言い聞かせるように呟いた。]
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