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そう、
[視線はすっかり色を失って、
もうひくりとも動かない女の指先に、留まっている]
でも……叶わないんじゃないかな、
[生きて欲しいと願った女の言葉に、
そんな呟きを残して、その場から背を向けた]
[6thの剣幕は少しわかる気がした。
世界に価値が無いのだから、戦う理由があるとしたら、ただ守るべき人のためなのだろう。]
……、
[階下へと降りる彼女にはなにか目的があるようだ、自殺していたかもと語った時とはまた少し違って見える。
6thが去った後、屋上に少し残る。
前来た時は直に去ってしまったから、
よく見てはいなかったのだ。夜明け近くの空の色は淡い紫に棚引くような薄い雲。風が髪を攫っていく]
……この世界は、好きだな。
[戦力外、といいつつも、
きちんとついてきたらしい9thを見やる]
なんだ、11thになついてたのか……?
[思わず零してしまったが、
そういえば先ほど分かれた時、
途中まで追いかけられていたことを思い出して、そのまま黙った]
親近感、というかなんというか……、
[ずっと見えてる相手は目前にいるので、否定も肯定もしにくく言葉を濁す]
ん……ということは、
また、見える相手、変わるのか。
[何気なくそんなことをいいながら、
問われた言葉にゆるく背を向ける]
そんなの……、
大体の世界が僕の世界より、
好きになれる世界だと思うけど。
でも大事では、あるよ……。
[刻々と変わり行く空の色を見ながら、答える]
余計なお世話って言われるかもな……。
僕だったら、こうはされたくないし……。
[7thについてはそんなことをぽつりといって]
なんか、やたら自由な子供……、
たまに大人みたいな顔もするなまいき。
[さらっと言ったが、怪訝な顔をする9thに、
なにかあったのかと同じく怪訝な顔をした]
[けれど、無邪気にも聞こえる声に問われれば背中を向けたまま目蓋を伏せた]
大事では、あるけど。
……僕の世界は一言で言えば、戦争しかなくて。
本当にそれだけの世界 でさ……、
ずっと憎しみみたいなのが連鎖してて僕らと人間とが殺しあって、それが当たり前で、その始まりもしらないし終わりも無い……。
他のたくさんの……こんなふうに、
穏やかな世界を滅ぼして、存続する価値は……、
――……、
[移り行く空の色、こんな風に暁の空をただ眺めたことなどなくて、なんだかとても眩しいような気がしてきつく目蓋を閉ざす。
指先がフェンスを捉えた、越えるのは簡単な境界線、カシャンと乾いた音が鳴った*]
[価値無き世界にあるがゆえに、
――世界の美しさに打ちのめされる。
妬むような気持ちはあるけれど、
それよりも強いのは畏敬のような何かだ]
[>>49 だから9thの叫びに、小さく首を横に振った。
7thの世界に咲いていたのだろう、あの名も知らぬ花を思う。
もう知ることもない綺麗な花、それから一面の海に映る空と、――耳に残る星のような音楽と、父親に憎まれ口をきく娘や、あるいは人と人で無い者との間で循環する命を。]
……僕の知らない世界の、
綺麗なものとか、安穏とか、……平和
そういうもの憧れるし、なんだろ……とても尊いと思う、
うん、
[今、この場所から下を見下ろして見えるたくさんの窓や、航空機から見下ろしたたくさんの家々の灯り、それにふいに涙が零れるような――たぶんそんな気持ちで、“世界”を思う]
誰の世界とか、関係ない……。
[>>45 悲鳴のような叫び声が響く。
響いたけれどやっぱり振り返らないまま、フェンスにかけた指がしんと冷えていく。
打ちひしがれたような気持ちと、もどかしさと]
……早く、終われば……
[けれど駒でしか――兵隊でしかない、自分には戦い方がわからない。フェンスに指が食い込む、この境界線を越える想像は、ずっと付き纏っていて。呟きを零したところで、>>46問いかけられた言葉に気付いた]
沈黙のままであれば、白くなった手のを覆うように手が伸びてきた。その手が触れれば、びくりと指が震える。あたたかな温度と、背中越しの気配、フェンスから遠ざけられれば――自分の胸の裡に気付かれているのだと思った]
っ……、
[何故ひきとめるのだろう、理由もいわないのに。
問いたくても口唇が震えて、何も言葉にならない。
そのまま4thの傍らにあるのを感じながら、
ただ俯いて自分が落ち着くのを待っていた。
他人の体温で落ち着くなんて思わなかったから、
それは少し不思議だ。抗わずに身を預けて]
……4th、お前は……僕のことがわかるの?
[そんな言葉だけを口にして、
それから12thの事を聞くことになった]
[>>57>>58 それから3rdが来て何かを言っていく。
言葉を発したのは、4thが全ての言葉を紡いだ後。
俯いたいた眼差しが、静かに視線だけを向けた]
それが知りたかったらお前が僕を殺しにきなよ……
[>>61 一人じゃなくて、守りたいものがあって、
そんな恵まれた3rdの言葉は、
酷く身勝手で自分本位だと思った]
……お前に何がわかるの。
守りたいものがあれば、殺しても許されると思ってるの。殺すことを許すの?生きるのを許可するとでもいうの?
……何もなくても、
自分の心に正しささえなくても、
それでも戦わなくちゃいけない奴の気持ちが、お前にわかるの?
傲慢な偽善者、
脱落するって死ぬってことだ……、
呪いの言葉をそのまま返すよ。
……お前が死ねばいい。
[それがお前が4thに言った言葉だ、と添えて。
日記を取りに戻ってきた時には、
もう3rdに視線を向けることはなかった]
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