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[ドクリ]
[不意に跳ねた心臓の音がやけに大きく響いた]
[何故なのか未だ、解らない]
[それは目覚め始める獣の血]
[供儀とされた愛しい妹の喉元が
酷く酷く柔らかそうに見えて
そんな自分の意識に驚いて頭を振る]
[咥内で赤い舌が上顎を舐めた]
[未だ、気付かない 気付けない]
[胸元は心臓の辺りを抑えるようにして
ふる、と、桔梗色の髪を揺らして頭を振る]
星詠みの結果―――だ、そうですわ。
でも、…そう。
ニルス様もおっしゃってましてけれど
今までも満月なんて何度もありましたし…
[だから、と。
去る妹の背を見る睫毛は細かく震えた]
/*
レイヨ!!!
君が私の希望を蹴ったんだな!(←
うひひ
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
赤 ちょー 久しぶり
[満月が 近づいてくる]
[身体がひどく熱く寝苦しい。
隣で規則正しい寝息を立てる妹の
シロイ肌が、白い、白くて、]
[ぐるぐると目が回る]
[目を閉じても眩暈が脳を揺らす]
…嗚呼、
[制御しきれぬ血の目覚めに
声にならぬ吐息が漏れた**]
/*
年齢スケール
レイヨ>アイノ>イェンニ>クレスト=マティアス>ニルス>ユノラフ(30前)>ヴァルテリ
ウルスラがどこかな?
…いけません。
私は…――なんて、ことを
[裡で想う言葉が他に伝播しているとはまだ気付かない。
眠る妹へと伸ばしかけた手を、
逆の手で ぎゅ、と握る。
そのまま、自身の身を抱き締めて小さく震えた]
[喉が 乾いてていく]
[満月が――どこかの何かを狂わせる]
[寝台の上で俯いた顔を上げると
いつも眩しげに細められた眸は真っ赤に染まっていた]
[まだ眠るらしき妹を部屋に置いたまま廊下へ出る
顔には薄い隈が眠れなかったことを示していた
階段を下りていくと居間の方からざわめき聞こえ
顔を覗かせ果物が並ぶ様子に表情を和らげた]
ニルス様、ユノラフ様お早うございます。
お茶でしたら、
わたくしがお淹れ致しましょうか?
満足頂けるかは判りませんが。
[クレストの姿とレイヨの姿も見えれば
同じように、挨拶を向ける]
― 昨夜の事 ―
[ぞわり]
[全身の毛が逆立つのが判る
それは月の重力に惹かれているかのように
赤い眸の下、赤い舌で一度くちびるを湿らせて
見下ろした手の爪は伸び、鋭く光る]
[どうすれば今魔物となれるのか
血が 教えてくれる――…]
嗚呼、ドロテア、………
[小さく落とす呟きは震え掠れ 怯えるよう]
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