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おとーさーん…
[からんころん。扉を開けて、中をきょろり]
あれ、まだいないのかあ…。
あ、ママ、りんごジュースちょうだい?
[慣れた感じでカウンターの隅に座ると、ポルテに注文した]
いらっしゃ…。
[ママと呼ばれて]
ま…。
[気を取り直して]
どうしたの、お嬢ちゃん?お父さん探してるの?
[引き攣り笑いで]
ね、ネギヤさん?こ、この子はわたしの子供じゃないわよ。だって、わたし、独身だしね。
[ネギヤに「ママの子供なの?」と問われて]
あ、あなたがここのママ?
[にっこりと笑って]
うん、おとうさん探してるの。
きょうはここかなーって。
ちがったかなあ…。
[引きつった笑いには気付かなかったようで]
あとでおとーさんが払うから、おねがいね?
そうよ、わたしがここのママ。あなたのママじゃないけどね。
[つられて笑い]
そう、お父さん探してるの?よくこの辺に来る方かしら?お名前なんていうの?お父さんの。
こんな時間にこんなところに来るのはいけないわよ。これ、飲んだらおうちにお帰りなさいな。
[<22>%りんごジュースを差し出して]
これ飲んだら、お帰りなさいね。わたしのおごりだから。ね。
…しょうがくせい、に見えます?
[まあ、ランドセル背負ってもたぶん、似合う]
わたし、いちおー18、なんですけどねー。
よく中学生か小学生か間違われます。
で、まあ父を探してるんですけどね、有り体に言えば。
[年齢を聞かれちゃ小学生のふりはできないなあとか]
18って…高校生!?
[かなりびっくり]
じゃあ、もうすぐ卒業ってことかしら?
[一応18歳ならここの出入りは可能。学校が禁止していなければの話だが]
お父さん探してるの?お名前教えてくれる?そうしたら、わたしが知ってるかどうか分かるけど。
[同じ質問を繰り返し]
あ、そうです。
ほら、学生証。
[高校の学生証を提示して。
学校が禁止かどうかまでは知らないが、そんなに頭のいい学校ではないのでまあいいだろう]
名前・・・ですか。
“U”“V”“P”“K”“Z”“B”
…なん、て。
あら、ほんと…。
[差し出された学生証を確認して。確かにこの子の写真と…]
どうして、名前のところを隠しているのかしら…?
[指で名前のところを隠しているのを疑問に思い]
UVPKZB?なんの暗号かしら…ね?
じゃあ、あなたのお名前は?
ルリちゃん…でいいのかしら。
[あまり信用はしてない感じだけれど]
で、UVPKZBお父さんを捜している…と?
残念ね、少なくともわたしはその人知らないわ。多分この店にも来たことないんじゃないかしら?なんか、ロシア人みたいな名前だしね。
そうです、ルリです。
[本当かどうか、それは知る人ぞ知る]
うーん、そうなんですかね…
父の行きつけとかあんまりないんですよね、日ごとに行くところが違って。
今日はどこなのかなーって、毎日探してるんですよ。
[りんごジュースをずずずと飲みながら]
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