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[ふわりふわりと、シャボン玉は舞い上がる。
一息吹き終わると、ストローをコップに戻した]
知らない……
[ミナツ>>150へ即答する]
ミナツは知ってる?
“おやすみ”はいつだったのか。
>>153
テンマ、つめたかった。
[自分の右てのひらを見下ろして、瞳を伏せる]
時は……。
[ときは人が作るもの。
呟く声はごくごく小さい]
>>156
繰り返し、繰り返し、何を、誰に手向ける?
[カナメは答えなかった問いを口にしてから、新たな疑問を付け加える。
ただし、それは語尾の上がらない形]
何のため。
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<11月26日付 編集手帳
ものがゆるみ、ほどけ、流動し、とけていく。名詞の「時」は動詞の「解ける」と語源を同じくする、という仮説を唱えたのは、今年7月に亡くなった国語学者の大野晋さんである>
なんとなく「環の端無きが如し」を思い出した。
ぐるぐる回って巡って、やがて溶けてなくなって、宇宙は無に帰すのかもしれない。
>>162
悲しい?
[言葉を飲み込むミナツの表情を見つめていたが、ゆっくり瞬きをしながら空を見上げる]
“空”はこんなに、小さくない。
[言って、見上げた格好のまま瞳を閉じた。
人工の風が頬を撫でてゆく]
[岩に腰掛けたまま、鳥の鳴き声がする方へ視線を向ける。
佇むユウキの姿が見て取れた]
“せんせい”。
[音になるかならないかの大きさで言って、眼を細め薄く笑った]
>>168
変わらないことなんてない。
[シャボン玉用の液体が入ったコップを岩に置いて、羽織った上着のボタンの辺りを握り合わせた]
時が流れるのはそういうこと。
>>171
とても穏やかな気分。
[ユウキへ照れたような笑みを向ける]
お父さんとお母さんはいつ来るの?
[決り文句のような流暢さで言った]
『別れの儀式は、死者の為に行われるものではない。
自分を言い聞かせる為の物。
それならば何故、墓碑で記憶を留めようとするの?』
[すらすらと、いつかのカナメの問いを諳んじる]
答えは簡単。
前提が間違っているか、結論が間違っているか。
[事務的な平坦さで言うと、そこで深呼吸した]
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