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バファリン喰いを想定して仮セット。
本来なら墓下が静かになる喰いかたはしません。
むしろ霊話を盛り上げてくれる人を齧るよ!
馬鹿は いいもんさ
[体内の「炉」を熾していない今なら、
女の柔肌へも幾許かは触れていられる。]
馬鹿にもなれない 道化も居るが
[相手の両手首を取って、床へと押しつけ
――少女の面影残す娘を暫く見詰めた。]
…俺は 愉しんでるよ?
― 砂塵の街・宿の窓辺 ―
[――花もなく飾られていた花瓶が、倒れた。
零れた濁り水ほどのコールタールに塗れる女。
蹲る姿の何処が如何ほど灼かれたものか――]
居ない相手に、礼は言えないか…
[屈む男は、身の裡からの熱ゆえに頓着もなく、
最前まで蕩けた顔を晒していた娼婦を捕える。]
…で、
ホントは俺に 何の用?
俺が死んだら
お前は逃げていい
[言い含める声音はざらついている]
…ウルスラ
[名を呼ばれたかったんだろう と
そんな響きで]
[抵抗は如何ほどか、膝で押さえつけ跨る。
着飾る胸元を引き剥ぐと、零れる豊満――
手荒な扱いに揺れ、定まらないままの乳房。
その脇から、横薙ぎ
強かに平手を打ちつけた。]
* …痛い? *
― ビル街・屋上庭園 ―
[高層ビル街の一角に、上層階のみが
クラシックなレンガ造りの建物がある。
屋上には今も庭園が残るが、
年月に風化した煉瓦は脆く崩れやすく、
この場所へ至れる者は限られていた。]
…ッ ぎ、
[奇形化して歪な花を咲かせる木陰から、
今は押し殺す態の苦鳴が漏れ聞こえる。]
[ガリ、と馬銜噛む音は常より高い。]
く、ア…
[煤の混じったクレオソートの香りを
娼婦の部屋へ残してきた軽業師の身は、
胸板から脇腹まで衣服ごと爛れていた。]
…は っ…
[尨毛の木に凭れる軽業師は
砕けた煉瓦の粉を直接創部へ擦りつけ
至極大雑把にも――焼け爛れた組織ごと
「毒」をその身から削り落とした。]
熱さに鈍いのも、考えもの…
っ痛…
[布も巻きつけず疵は剥き出しのまま、
仰向いて額へ片手を乗せ息を整える。]
― 屋上庭園 ―
[声を聞いてみれば、ぎこちない羽ばたきの音も
足音も先立って聞こえた――ような気がした。]
…ああ…
[割りと助かる。相手をする気はないと言われて
そんなことを考え、額から緩慢に腕を下ろした。]
そうらしいね、
…祭壇じゃご機嫌そうだったのに
[翼持つ其の人の声の調子にか、
尨毛の幹から僅か後頭部を浮かせる。]
…
「目をつけられたんじゃないか」って
言った気がするんだけど、俺
[ストップモーション中の其の人にかける声は]
羽根、どうした?
[まだ脂汗も拭えぬ己の有体を横へ置いたもの*]
それも言っ…
いや 何でもない
[面倒な相手等言う翼人へ言いかけてやめる。
漸く気が到り、腕で汗を拭い帽子を被り直す]
異能者?
――――…祭壇に、ああ
目隠し、ね
[――己の目の高さへ残る白いラインに触れ]
…殺すんだ
…
[滲むどころでない激情を浮かべる其の人。
軽業師の男は、少し思案する間を置いて]
そこのぐらついてる羽根、
飛び回るに支障なく 固定してやれるけど
…お嬢ちゃん
ご自慢の羽根に シミをつける覚悟って
あるかな?
[そして、幾許かの時が流れた頃。
ベルンハードが姿を見せたとき、
撓み軋んでいた床は庭園ごと割れ
煉瓦造りの上階層は半ば崩落を始めていた――――]
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