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[ボタンに誘われてこの村に住み始めたのは昨年の祭のあと、初雪が降る前の頃。
だから、歌姫やモミジが依然として行方知れずであることは既に知っている]
今年はこの方なんですね。
[掲示板に貼られたポスターは、フォークデュオと書かれたものだった]
今年の「代償」は君だね。
[その人と向き合うように、立つ。
手に持つのは、自分の着物と同じ、青い花]
持って行くと、いい。
大事なことを、忘れないように、閉じこめておける。たぶん。
それと。
[持つ青い花は、二輪]
出会えたら。
彼女にも……
[モミジの分よりはいささか小さな花。
手渡して、その背中を、そっと押す*]
[ゆら、と揺らめく]
[居場所は未だ、二つの狭間、境界線]
……ここに人が増えるのは、さすがにどうかと思うんだが。
[同じように人が消えた、と認識した時、思ったのは、それと]
[誰が何を願ったんだろう、という、素朴な疑問]
[一年前、杜氏へ本当に訊きたかったのは、酒まんじゅうのコツではなかった]
4つ買うと1つサービス?
あれ、そうでしたっけ。
[本当は、『みんなどこへ行ってしまったんでしょう?』と訊きたかったのに、訊けなかった]
[どうやってそこへ来たのかは分からない。
気付けば居た、と言った方が正しい]
あんな詩を作ってしまったから、呼ばれてしまったのかしら。
[震える声は得体の知れない場所に居ることの他に、我が子がどうなったかの不安があったから]
あなた……。
[夫が傍に居るのなら少しは安心出来るのだが、もし、一緒に呼ばれてしまっていたら。
不安を抱くモミジの腕に赤子の姿は無い]
[はらり、と帳面をめくる。
細かい字は、自分のもの]
もう祭りの日か。
[去年も二人、神隠しが起こった。
まだ幼い子のいるモミジと、毎年祭りに訪れたザクロ。
皆が無事に戻ってくるように。そんな願いをよそに、二人の姿は消えてしまった]
[紙をめくる。
はらりと紙が落ちる。
光に透ける厚さではないのに日にかざす、化粧師の名刺だ]
……え、っと。
今年はことさら、忘れっぽくて困るな。
[頭を掻くと、名刺を持って、家を出た。
祭りのにぎわいを抜けて、さまようように、名詞の主を捜す]
/*
戻ってきたらエピってるかと思ったけどそうでもなかった(
ザクロさんとロッカさんどっちが狼だったんだろう…
そしてあとの狼どなたなんだ。
/*
というか、ずっと気にしているのだが、赤でロッカちゃんに花を渡しそびれていてだな!
どっかでなんかうまいことできないかとねらっているのだが。ううむ。
[覇気の無いままである作家の夫にも化粧を施して祭へ送り出した。
まんじゅうをかじりながら歩いて行くと、杜氏の姿が目に入る]
また今年も、誰か隠してしまうんですか?
…今年も祭りはやるんだな。
三年続けて、人が居なくなっているって言うのに。
モミジさんなんて、あんな小さな子を置いて。
ザクロって人も、随分人気のあった歌手だったって聞いた。
二人とも、自分から居なくなるなんて有り得ないのに。
…なんで僕の願いは、叶えてもらえないんだろう。
花は、一体誰が摘んでいるんだろう。
…ん。
ううん、大丈夫。
ちょっと暑さに眩んだだけだし、少し休んだからもう動けるよ。
さ、皆。
まずはどの屋台から覗こうか**
[子供たちの誘いを後でと断った先で声をかけられる。
化粧師は笑っていなかったろう、たぶん、自分と違って]
化粧師っていうのは、見えないものを見る力でもあるのかな。
[笑みを抜くように息を吐く。
コエのないまま、問いかけるように首を傾げた*]
いやいや、ただのしがない化粧師ですから、霊感みたいなものはないですよ。
未だに神様の尻尾が掴めないでいます。
虫の知らせとでも言うんですかね……
[子どものはしゃぎ声に視線を向けると、マシロの姿]
質問を変えましょうか。
ダンケさんの願い事は、叶いましたか?
[表情を変えずに、杜氏を*見やった*]
化粧師 ンガムラは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[アンはまだ、帰ってこない。
ロッカとケンも、帰ってこない。
そして、ザクロと、モミジも]
……、
[また、夏が来た。
今年も、祭は行われた]
……
[からり、からり。
涼やかなビー玉の音が、蝉の合唱に紛れて揺れる。手にしたラムネが立てるそれを聞きながら、青年は木陰に置かれた長椅子に座り、白く灼けた風景を眺めていた。首からはやはり、カメラを提げて**]
あーあ、
「招かれないように気をつけて」って言ってた傍からこれだし…。
[揺れる視界に、総てを悟ったのか。
謳うような声は、それでもどこか安堵の色。]
――知らないならいいわ。
[くつり――。
悪戯を企む悪い笑みを浮かべ。
素っ気ない言葉で返す。]
ただ、もう一度…
見たかっただけだもの。
[「コエ」に送られる「代償」に。
添えられる「代花(価)」は、あまりにも美しかったから。]
/*
祖母モミジ 48年前神隠し(25歳くらい)
母カエデ 49年前出生
娘モミジ 21年前出生(母28歳)
こんなもんだろうか。[何してる]
お婆ちゃん生きてたら(死ぬ確定かい)73歳。
いいとこ。
化粧師 ンガムラは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
そうだね、今日は妙に蒸し暑いから。
カキ氷…アイスキャンディーでもいいな、冷たいものを食べたいね。
うん?あっち?…あぁ、本当だ。
ダンケ兄さんに…化粧師の、お兄さん。
……ううん、ごめん。
やっぱりまだ駄目みたいで…少しあちらの長椅子で休んでるよ。
すぐ戻ってくるから、皆この辺りで遊んでいてくれるかい?
…ふぅ。
──…おや?
シンヤ君じゃないか。
久しぶりだね、卒業式以来かな?
…と、ごめん。
少し暑さにやられたみたいでね。
隣、座らせてもらうよ。
…シンヤ君。
君は今年のこの祭り、楽しみだったかい?
僕はね、嫌だった。
アンもいない、ケン君もいない、知っている人も知らない人も、いなくなってしまった人がいるのに、何でって。
また今年も誰かいなくなるんじゃないかって、怖くて。
あの言い伝えに縋ろうと思ったけど、結局駄目だった。
兄さんが案内してくれるって言ったのに、僕は、怖くて逃げてしまった。
皆を返して欲しいと願いたかったのに、その代わりに誰かが死なせるなんて嫌で。
皆返して欲しいんだ。
でも、また誰かがいなくなるのも、もう嫌なんだ。
僕はただ、皆がいる日常を取り戻したいだけなのに。
なんで、それを叶える術が見つからないんだろう**
/*
なんかすごく眠くて起きてられる自信ないのでpt使いきってしまtt
シンヤ君いないのに勝手に横でぐちぐちしててすまない。とてもすまない。
そして投票どうしよう…兄さんにするべきかなぁどうかなぁ。
デフォはンガムラさんなんだが。
しかし何で僕最終まで残されたのだろう…
/*
しかし表のptと比べると寝言のptの量の多さにちょっと慄く。
通常だったら800ptって普通かちょっと少ない位だろうに、慣れってこわいな。
でもこうしてptやりくりして発言考えるのってなんか懐かしくて楽しい。
[かたり、とラムネの瓶を置く。と、かけられた声、現れた姿、知った姿に、こくりと頷いた]
……、
[隣から、尋ねられれば首を縦にも横にも振らず]
……
[ただ黙って、マシロの話すのを聞いていた]
……、……
[それからふと、肩から提げた鞄、財布やカメラの関連品が入れられたそれのチャックを開き。ごそりと中を漁り、数枚の写真を取り出した。
そして、差し出す。それらに映り込んでいるのは、アンに、ロッカに、ケンに、モミジに、ザクロに、 消えていった、人々の姿]
例えば、日中。
友人と共に、祭りの準備を手伝い。
それが終わると、祭りの賑わい増すまで境内の木陰で本を読み虫の鳴く声を聞く。
同じ様に木陰で涼む女性と静けさを共有したり、境内で子らと遊ぶ大人の声に笑みを零したり。
カメラを構えた青年に、どんな写真が撮れたか問うてみたり。
そうしている内、石段を上る下駄の音で祭りの始まりを教えられて。
お囃子を遠く近くに聞きながら、出店を巡り、歌に聞惚れる。
そんな平凡で、変わり映えのない、幸せを。
……
人を犠牲にして、叶えたい願いなんて。
俺には、ないよ。
きっと誰かには、あるんだろうけど……
俺は、それなら、消えたっていいよ。
[写真をマシロに渡しつつ、空を仰ぎ]
でも、俺は、消えてないし。
……消える事なんて、ないのかな。
俺はただ、写真を撮る事しか出来ないんだ。
皆。
写真の中では、いつまでも、笑っているのにね。……
…シンヤ君。
君も、僕と同じことを考えていたんだね。
ねぇ。
僕は、君に消えてほしくはないよ。
君はこんなに素敵な写真が撮れるんだ。
今までも、これからも、たくさんの人を幸せに出来る。
今、僕がこの写真の、皆の笑顔で救われたようにね。
だから──…消えたっていいなんて、言わないでくれるかい?
ねがう。
[化粧師の言葉を反芻する。
願う。
その言葉に感じるのは、かすかな羨望]
願うこと、か。
[祭りの夜に咲く花は。
自分には見つけられなかった]
見つけられたら、何か……
[願ったろうか]
神様の尻尾、か。
[なるほど、と一度自分の両手を見下ろして]
俺は、願えないよ。叶いもしない。
[相手を見直して、微笑んで、小さく頷く]
そうか。神様の尻尾、掴みたいと願ってみるのもいいのかもな。やってみる? ンガムラさん。他の願いでもいい、あるならば。
去年、みんなが帰ってきますようにって、マシロは願ったよ。
……優しいな、あの子は。
[うらやましい。と、音なく唇は動く]
……。
[動いた唇を一度とじ合わせて。
描いた言葉を思い浮かべる]
うらやましい、か。
[コエにしてみる]
願い事が、あったのかな。俺には。
[忘れてしまった。
その中に、あったのだろうか]
[コエにする。
けれど返る音はない]
……。
[耳を澄まして、いくらも待って。
それでも、楽しげに笑うかすかな音も聞こえない]
こちらへ越してきてから、この村における神隠しについてだいぶ調べました。
私は優しくないので、違うことを願いますよ。
[ダンケの顔を見つめる目元が少し細くなる]
今年は、あなたが消えますように。
それを神様に頼むのか。
[ぱちくりと瞬きを一度]
まあ、調べたというのなら、説明は今更だな。
案内はいる?
いらないといっても、俺もいくんだけどね。
[花を摘む。
願う。
代償を払う]
もう、調べたというのならば。
今までを体験していた君ならば。
[それらはすべて、想定のうちか。
ならば今更、説明するまでもない]
[緊張の糸が途切れ、箸が転がったかのように笑い出した]
いります、案内。
むしろ、していただけるとは思いませんでした。
[笑いをこらえきれないままに後をついていく]
/*
寝ようとしたらあれこれ呼ばれて寝られへんかったので更新まで頑張って起きてることにした!
そしてこれは兄さんに票入れて良いのかな。
そんなにおかしかった?
[自分も、一度吹き出してしまえば笑いは止まらず]
調べたんだよね、神隠しのこと。
よければ俺に教えてくれないかな。
[少し足をゆるめてみる。叶うならば、化粧師の隣に並んで*]
どんな風に、伝わっているのだろうね。
俺のこと。
君のこと。
俺たちのこと。
君は、知っていたかな。
俺は、興味がなかったのかな。
それとも忘れてしまったのかな。
思い出せば元通りになる訳じゃない。
彼は俺を消すことを望むらしいから、この後の村のことはわからないけど。
今になって、少しだけ、
できうるならば、
[思い浮かぶのは昨年、マシロが願った言葉]
……。
[袖を探れば、小さなとげが指に当たる。
反対の袖に入れた小さな小瓶。
ふたはきちんと閉められたまま。
不思議に思って取り出せば、
たった一粒、青い色の、星の砂]
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