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─ 街中 ─
………
[今にも泣き出しそうな灰色のそら。
冷えた空気に吐く息も白く染まる。
見上げた瞳は、雪降るかな、と忙しなく天を見詰めていた]
……っくし!
[言葉の無い静寂は突然のくしゃみに破られる。
下を向き、マフラーに口元を埋もれさせると、男は寒そうに鼻を啜った]
…凍える。
[ぽつ、と呟くと止めていた足を動かし始める。
男は自分の店に戻る途中だった。
冷えた身体が温もりを欲している。
戻れば暖かい部屋が待っていると思えば、動かす足も速まっていった**]
─ 何処かの駅前 ─
[今にも降り出しそうな空の下。
駅前から続くショッピングモールからは、賑やかなシーズンソングが流れてくる。
その音に負けじ……というには、ちょっと控えめにギターをかき鳴らした。
足を止めてくれる人も皆無じゃないが、開いて置いたギターケースの中に投げ込まれる『お気持ち』は微々たるもの。
今はギターソロだけで歌がないから、余計に少ないのかも、なんて。
そんな風に自分を慰めているのはちょっとどうかと思わなくはないけど]
……つか、さむ。
[一曲弾き終え、ぱらぱら拍手もらって。
にへら、と笑って、買ってきといた缶コーヒーを手に取った]
降って来たら、撤収だよなあ……。
[ちら、と見上げた空は、まだ、ないてない。**]
─ 街中 ─
[早足で進む道の先。
曲がり角で白くて長いものが揺れた]
………
[一拍瞳を見開いた後、足を更に速めて曲がり角を覗く。
しかし人の往来があるだけで、想像したものは痕跡も全く残っていなかった]
───……
[男は不思議そうに首を傾げる]
…誰かの……いや、それにしては…
[疑問の声を零すが、それも直ぐに途切れ。
思考のみで疑問を整理しながら再び歩き始めた。
考え事をしているため、その歩みはやや緩い**]
……あ。
[今日もにぎわう、駅前のショッピングモール。
行きかう人々の話し声やら、賑やかに流れるこの季節にぴったりの曲やら、
今はそういったものなんて耳に入りません! といった感じで、
その商品に釘づけになってしまった。
好きな女優さんが、
今やってるドラマの中で履いてる、かっこいいブーツ。
ほしい。でもお高い。
ただでさえ寒いうえに懐具合まで寒くなるのは目に見えている]
[顎に手を当てて考え込むポーズをとって、
一秒、
二秒、
カチ、 カチ、 カチリ。
不思議と秒針の音がはっきり聞こえた気がして。
思わずきょろきょろするけれど、
当然、ここは靴屋であって時計屋じゃあない]
うーーーーん……。
[もう一度、かっこいいブーツとにらめっこ。
気がつけば、このブーツを履いて、
新しい一歩を踏み出す自分の姿を想像していた。
できるだろうか。想像通りに。
古い恋をうち捨てて、新しい恋をさがしに――]
[さむいね、と言えばさむいね、と返ってくる。
そんな、些細なことにも喜びを見出してた恋は、
ふいに終わりを告げた。
独りも案外気楽だと笑って見せてはいるけれど。
その実、気が緩めば泣きだしそうな心を抱えて現在に至る。
そういえば今の空模様も、
そんな、彼女の心模様とおんなじだ**]
[空になった缶は、袋に入れておく。
最後にまとめて捨てる方が、効率いいから]
……さて、そんじゃ……。
[次は何を弾こうかな、と。
思いながら相棒を抱え直した時、すぐ横で白いものが揺れた]
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