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[死は、いつも隣にある。
さっきまで笑って居たのに次の瞬間に命の火が消えてるなんて、ありきたりだから。
もう慣れた。
本当の特別は作らないのが、傷つかないコツ。
ドロテアには片思いだった。
エートゥは恋人だった。
けど、どこか醒めていた。だから、痛くない。痛くなんかない。]
そうだよね、0011。
[呼び出され、ボスの元へ。]
なんの用ですか。
[ちゃんとですますをつけて話す無表情なその顔は、別人に見えるだろう。]
俺に0020の始末を。
・・・そいつがドロテアを殺ったんですか。
[目にも表情にも色を浮かべはしない。ボスの返答がどうだろうと、ふたつ返事で引き受ける。]
命令とあれば、お受けします。
0011の名を、穢す事はありません。
[踵を返し、ボスの前を辞した。]
ニューヨークへ・・・
[表情も動かさず、ボスの話を聞く。]
妹だから信じる、ですか。
[口元が歪む。]
失望させないでください、ボス。俺達は、スパイなんですよ。
血の繋がりも、身体の繋がりも・・・
なんの意味もない。
[ボスの部屋から退室し、出入り口に向かう。
途中、見覚えある黒い傘を見かければ、じーっと見て。]
・・・0044?
[声をかけてみる。]
[違う体型、違う声。
ちょっとずつ近寄りながら耳の形を確かめようと。]
悪ィ、違うんか。そやな、あいつは女と違うし。
[壁際に追い詰め、両手を壁につけて退路を経った。
髪から覗いた耳に唇をつけて囁く。]
エートゥ、やろ。
生きとったんやな。・・・良かった。
[安堵の吐息を吐く。]
最期かもしれへんから、えっち、したい。
・・・縁起でもあらへんな。最期かもしれへんなんて、いつもやのに。
耳の形。人によって違うんや。耳たぷも、耳の穴も。
[耳たぷを口に含み、舌で舐めた。いつもより小さな身体を抱き寄せる。
触れる感触が覚えてるのと違う。]
俺は優しかったやろ、エートゥと初めてシた時も。
それに、無理そうなら後ろを使えばいいし?
[髪に触れる手を捉え、近くの空き部屋へ─────]
[───事後。]
エートゥ、お前が裏切り者なら、俺が始末してやるから。
死ぬな。
[汗で額に張り付いた髪を指で払ってやり、耳たぷを軽く噛んでから置き去りにして部屋を出た。
今度こそ、ニューヨークへ。]
[ニューヨークに着けば、まずはきょぬーのねーちゃんに連絡を取った。]
0020の居場所は探知できているか。0026の時計に発信機とか盗聴器とかついていないのか。
[まだ時計を身につけているかわからないが。]
遅い?パパ(ボスの意)の長話と飛行機の時間に文句を言え。
[携帯にがなりながら、いつもの場所へ。]
よ、ねーちゃん。俺はやっぱりきょぬーじゃない方が好きやって再認識してきたわ。
援護は必要ない。
[ねーちゃんと別れて歩き出す。
やがて、振り向く姿を見つける。]
花を、散らしにきた。
[わざと声をか
けてからチャクラムを投げる。
0020の胸元に向けて。]
皮肉?言ってる意味がわからへん。
[胸元を狙ったチャクラムは、予想通り外れた。]
エートゥのこと?・・・
他人に聞く必要ない。俺が何者か、解っているだろう。
[小さい動作で避けたナイフが耳を掠め、血が流れた。]
ちっ。
[二本目のチャクラムは手からすっぽ抜けて0020に向かう。どのあたりに当たるか、予想もつかない。]
[こちらに向かって駈けて来て、チャクラムに足止めをされてゆっくりと倒れる0020を抱き留める。]
・・・違う形で出会いたかったな。
きっと、殺すか殺されるかの違いやろうけど
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