157 家出少女の電車内
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[電車が揺れる。
減速する時特有のそれ。
揺れは彼女の身体にも伝わって、
ぴんと伸ばしていた背筋がほんのわずかな間、曲がる。
ゆるり、と車窓へ向けた視界に映るのは、
見慣れた、降りるべき駅の光景。
いつものように改札を通って、
いつものように家の扉を開けて、
ただの“ハツネ”から“お姉ちゃん”へと変わる、境界をまたぎ越す、
その時は、近い。
ため息が自然とこぼれる。
テストの出来栄えを訊かれることが予測される分、重苦しく]
(23) 2014/08/05(火) 02:48:32[ホーム側のボックス席]
[何気なく見回した車内に、あの少女の姿はなかった]
……、降りた、んだね。
[単純にそう思う。
彼女は音楽の世界に入り込んではいたが寝込んではいないし、
あの少女が、お仲間さんを欲しがる彼女が作り出した幻であると考えるほど夢見がちでもない。
それに、ポケットの中の飴玉が、
少女がここにいたという、確かな証明になってくれているから]
(24) 2014/08/05(火) 15:45:52[ホーム側のボックス席]
[昔と、これからに思いを馳せながら、
前方のドアから電車を降りようとする。
学生鞄は肩にかけ、楽器ケースを片手に提げて。
一番前の座席まで接近するにはやや時間が足りない。>>3:19
開きっぱなしの扉の前で、眼鏡の男子学生に顔だけを向ける]
(25) 2014/08/05(火) 15:47:41[ホーム側のボックス席]
[発車を報せる音が鳴る。
顔を向けた先へと軽く頭を下げると、
そそくさと電車から降りた**]
(26) 2014/08/05(火) 15:48:40[ホーム側のボックス席]
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