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じゃあ、これ、よければ
[わたしは、さっき買ったばかりのマルボロを、ユウキさんに差し出しました]
Man always remember love because of romance only.
人は、本当の愛を見つけるために、恋をするそうです。
ユウキさんにも、すてきな人が見つかりますように。
[この文章の頭文字をとって、M-a-r-l-b-o-r-o.
これが、マルボロの名前に込められた意味だそうです
ぜろくんが教えてくれたのでした
優しいユウキさんにも、ぎゅーってしてくれるような人ができますように。
わたしは、この人のこともかかえていきたいと思いました]
ぜろくんが、教えてくれたんです
[ぜろくん、前にたばこを買う手伝いをしてくれた男の子
わたしが言ったのは、ぜろくんの受け売りなのです]
それじゃあ、ユウキさん、また。
[わたしはぺこりと頭をさげました
屋上にいって、煙草を吸おうと思ったからです
マルボロの方が、わたしは味がすきですが、もともと買うつもりだったのはハイライトです
そっちがあるなら、構うことはありません]
―屋上―
[ひらひらと舞い落ちる雪はどこまでも白くて綺麗です
わたしはその中で、ハイライトを一本、咥えました
それから、かみさまが使っていた銀のジッポで、そっと火をつけます
すうと吸い込めば、わたしの中にずっしりと重たい煙が入ってきます
この感覚が、今はたまらなく愛おしいと思います]
[咥えたたばこを口からはなして、ふぅと息を吐きます
ゆらゆら、ゆらゆらと空にのぼる煙が、空から訪れる雪と対照的でとても素敵です
こんな雪のなかでたばこを吸うかみさまは、とても素敵だったなぁ
思い出すだけで、しあわせな気分になります
けれど、かみさまがここにいないと思うと、悲しくもなるのです
ポケットにしのばせた石が、ちょっぴり重たくなった気がしました]
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