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[部屋の中で嘆いているウルスラや、居間へいこうとするレイヨにも視線を向ける。
アイノの話はこの場に居たものには聞こえていただろうが気にすることもなく]
……そうさの。
[人狼の可能性、にはゆるりと頷き。
イェンニに首をかしげながらもそれ以上訊うことはせず]
さあ、いつまでもここに居てもしかたあるまい。
わしは、居間へ行こう。
[マティアスへもう一度視線を向けてから、ゆっくりとその場を離れた]
[涙を流すユノラフを見る。
ニルスは、なにを思っているのかと、彼のほうへも視線を向ける。
アイノことを聞かれれば、断ることなくただ、あるがままに伝えて。
お茶をいれると言うイェンニにゆっくりと頷いた]
それがよかろうて。
[居間へと戻って、揺り椅子にすわる。
投票箱は、またもとの位置に。
投票された紙は、テーブルの上に、おかれたまま]
[揺り椅子に座ったまま。
虚ろな表情のクレストがソファで苦悩する様を眺める。
口のきけぬ彼は、票を集めていた。
それがどういう意味か――]
……お前さんも、疑われておるなぁ。
[その名を記しておいて、しれっとそんな声を、かけた。
筆記用具をもたぬ彼の返事は期待せぬままに]
[苦悩するクレストを眺めながら、あのときレイヨと何か話していたらしい様子を思い返す。
そのレイヨが離れていくさいに尋ねられたことに、遊戯室と短く返しはしたから、居間にレイヨがいなくとも気にはせず。
クレストの口が形作る言葉に、ゆるりと瞳を細めた。
年老いても、視力は退えず。
文字は読めなくとも、唇の形は読める]
――どうして、謝るのか……
[さてさて、と呟いたところで。
果物ナイフを手にしたウルスラが居間へと来る姿を見て、一つ瞬いた]
[ゆらり、揺り椅子が揺れる。
震える手でナイフを持つ姿は、今朝方の少女に重なり]
……何故、か。
[ひとだった、と断言するウルスラの問いかけにゆっくりとあごひげを撫でる。
銀色のきらめきを向けられていても逃げる事はせず]
ナイフを向けられたから、かの。
[どちらなのか、との問いには小さな吐息を落し。
ウルスラを座ったまま見上げて]
どちらか、たしかめたいかい。
ならば――そのナイフを、つきたてられるのかね?
[震える手の娘を見つめたまま。
怖れる様子もなく、問い返す。
人を手に掛けた後悔も見せぬまま、悠然と]
ドロテアやマティアスは食べられたのだよ。
[錯乱したような言葉に、小さな吐息を零し]
かわいそうなアイノを人であるというのなら。
ころさねば、たしかめられないのだろう……?
[揺り椅子に座ったままなのは、立ち上がって逃げるには目の前の娘が邪魔だから。
震える手がナイフを振り上げても、さほど脅威は感じずに。
片手をあげて、ナイフを受け止めようとした。
――割り込もうとしたもののことには気づかぬまま**]
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