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――ふたり、ね。
[贄となろう乙女から身を離し、長の言葉を反芻する。
呟いた数に意味を重ね言葉を噤む。
ふと、冷気が擽る。
遅れ着たイェンニの連れて来た真新しいものに触れ、
鼻を啜る。張り詰めた意図が無数に巡る。
正直この空気が苦手だと思った。]
まったく、しょうもないことばっかり
言ってるんじゃないよ。
緊急事態なんだからさ。
[呆れた口調でヘイノに肘で強めに突く。
そんな折、不意に長老の口から出た
ドロテアが選ばれた理由]
しるしが、ない。
[だから。
思わず出そうになった言葉を飲み込む。
呟くドロテアに視線をやり]
あんたは……優しい子だね。
[すっと手を伸ばし、頭を*撫でた*]
第二のドロテアを増やしては、いけない。
[情報屋の言葉端を拾い上げ、
自らに言い聞かせるように呟く重さに、
今は誰も気付くことは無く。
そっと目を瞑り、氷に閉ざされた雪の音を聴く。
手渡した白い淡雪のような砂糖菓子は、
無残に奪われる命の、生きた証を舌に残す記憶として。
せめて安らかな終わりを導くための祈りとして*]
[無力が故の贄となるべき娘に一度視線を向けるものの、掛けられる言葉など浮かびはしない。
ただ、静かに視線をそらす。
それぞれがまじないについて口に出す中、無意識に強く杖を握る。]
――そうだのぅ……
このような儀など、数年来なかったことじゃて……ちぃと調べてみんとわからんが……
ドロテアは――禊が終われば……
[それが明日の朝なのか、明後日の朝なのか。
どちらとも言葉にはせぬまま。]
このままここにおっても、狼使いが名乗り出るわけではなかろう……
わしは一度戻らせてもらおうかのぅ。
[重い空気に一度吐息をこぼし。
よいせ、と身を起こして、じゃらりと杖を鳴らしながらテントの外へと向かった。*]
[遅れてきたイェンニに目礼を置き眼鏡を手に思案に沈むも、彼女のどの言葉にか顔を向ける。声をかけるでもなく、束の間は滲んだ視界が彼女を捉えていた]
………
…説得に応じては貰えないのでしょうか。
[苦渋の決断を下した長老に対してか、供犠の娘に対してか、あるいは狼を操るらしき者たちへ対してか。狼の遠吠えは集まる誰の言葉を待たずも応えているようで、向かう先すら曖昧な声は小さい。
カウコの言葉が一度は途切れようとも、続きを想像する事は難しくない。菓子の包みを抱く供犠の娘の声、カウコやヘイノのドロテアを増やしてはならなぬと言う声―――音も息もない溜息が零れてしまうのに唇を噛んだ]
長老のお話は伺いました。
でも僕にはまだわからないです。
[ビシャルが場を辞そうと動くのに、滲む視界はまた集められた者たちを見回した。マティアスのように視界の無い訳でもなく、トゥーリッキのように見ぬ事を選ぶでもなく]
…今でなくとも構いません。
皆さんのお話を伺いたいです。
[供犠の娘が身を呈して護ってくれる時を想えば、今すぐにでも聴きたくもあり、語られるのを待つ間すらも惜しむ口振り。事情を知るであろう者も知らぬ者も含めてとは、決して強くはない口調であれ言外にも滲んだ]
…
ああ。戻って――
調べられることがあるなら、頼む。
あんたが狼使いでも、記述は違えないだろうと…
そうあってほしいと想ってみよう。詮無いがな。
[凍える風吹き抜けたあとの外へと赴くビャルネへ、
蛇遣いは告げる。希望へは、小さな賭を積む如く。]
あんたの"わからない"を埋めるためではないが、
では少し話してみるかね――歩まぬレイヨ。
[火の傍から離れるのを億劫そうに、腰を上げる。
車椅子へ掛けたままのレイヨへといくつか歩を寄せ]
こうして集まる大勢の前でお聴きせずも…
[滲む視界は強く意見を述べず控える態のイェンをちらとなぞるも、彼女に限らず大勢の前で零される意見と個人的な会話は誰しも多少の差異はあるだろう。一度、言葉を切り間を置くように、眼鏡をかけなおした]
個人的にもお話できればと思います。
気が向かれたら小屋へ来て貰えると嬉しいです。
大したおもてなしは出来ませんけど…
皆さんにとって、足を運んでまで…
僕が話すに足るか定かではありませんが…―――
[トゥーリッキの声に言葉を切り、立ち上がり寄せてくれる歩の分だけ視線はあがる。キィ…―――座す車椅子ごと向き直ると、眼差しと共に礼を述べるように軋んだ音を立てた]
僕は吼え続けるおおかみより人がこわいです。
見据えるべきを誤るかも知れない己も含めて。
小屋か… あんたの。
思えばあたしは――あんたがこの村で、
どんな責を担っているのか、
いかに暮らしを立てているのか、知らないな。
[齧られた眼鏡の蔓は、耳裏を刺さぬのだろうかと
束の間追った。硝子越しのレイヨの瞳と交わし…]
気が向かねば火の傍で座っているよ。
――お招きに預かろう、有難く。
…ひとは、こわいな。
為すことも齎すこともあまりにおそろしい。
[蛇遣いは青年の車椅子を殊更押すことはしない。
ただ彼が通る間、入口の幕を持ち上げていただけ。
そして、その幕で皆の視界から遮られる間際に、]
…
聴くのも、説得するのも己のみではないよ。
[語尾を持ち上げず、レイヨの膝元へ軽く触れた。]
―テントの外―
[赤いオーロラはまだその姿を見せている。
その光に眸を細めながら、じゃらり、じゃらり、杖を鳴らして雪を踏みしめる。
長老のテントからほんの僅かに離れた場所に、男が住む小屋はあった。]
……さあて、どうなることやらのぅ……
[喉の奥で笑うような声をこぼしながら、小屋に入る手前で、村の中を見渡すように、
ところどころかがり火で照らされた村を眺めた。]
……――夜、が続く今。
ひとり、で、ひとりと、隔絶された場で会うのは…
[ぽつり ぽつりと零す低い声は
名こそ出さぬがレイヨへと向けてのものであると、
見えぬ視線向ける方向で示す]
あんたが狼遣いなら…「罠」だし
…そうでないなら…――「贄」と近しい…
[そして、彼の彼であるが故に、そう言われるであろう事も想像せぬ訳でもないだろうと、言外に想いを添える。
其れは、レイヨを測る材料ともなろうと]
…――、
[言葉選ぶが得手では無いとばかりに口を紡ぎ。
テントから出るひとの気配を感じるままに、火へと顔を向けた]
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