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[ぐちゃ り]
[両手で掲げ持った罪の果実に、大口を開けて齧りついた。
果汁が口を、喉を、胸を伝い落ちていく]
んくっ……
[穢れは喉を通り抜け、苦く、熱く、全身を駆け巡り融けてゆく。
そしてその熱が集約するは、右手の甲]
あつ……っ
[浄化の力を示す聖痕は黒く灼け、原罪の烙印へと変じていった――]
[嗚呼、穢れなき乙女を包み、足を這い登る血の蛇。
其れは知恵の実に在らず。
其れは生命の実にこそ在れ。
苦き味は地の味。
地に満ちる、神に忘れられた者の味。]
[滴る果汁は、土塊の上に落ちた。
乙女の足を這い登る血管は、
さながら新たな宿主を見つけた樹の根。
では――――…]
[樹の枝々は、乙女を傷つけず、
緩い螺旋に周囲取り巻き、天へ向けて幹造れば、
奇怪な枝葉を八方へ伸ばさん。**]
[異常な有様。異常な様相。
有翼人という「種」を、
時折、空の高みに見る者はそう感じた。
好奇、嫌悪、堕落、恐怖、畏怖に、美醜共存するその者へ向ける眼差し達は―――。]
[屈強と言うには足りない男が、
賞金稼ぎから回収した象撃ちライフルを構えた。
血走る目、汗浮かぶ額、疎らに生えた髭、赤褐色の髪の色。
朱に染まる乙女の胸を穿つ為に、
ライフル構えるその指が、引き金に触れた。]
なんと――醜い。
[言葉とは裏腹に目許を緩め、螺旋の生の部分に指を触れる。
己の一部として取り込んだ血肉と、同じ生命を共有していた樹。
瀝青と血に塗れ生き延びた自分と、それは近しくも思えた]
[寄りそう堕天と生命の樹に、遠くより向けられる視線があった。>>30。
緩く、別れを惜しむような動作で振り返り。
無粋なる輩に向けるは、慈愛の微笑み]
――可哀想に。
[両腕を、"視線"に向かって差し出す。
引き金>>31に指が掛かったその瞬間、堕天の乙女の姿がぶれる。
前に向かって一歩踏み出し、傷の痛みによろめいたか。
だが、確かに胸の中心を狙ったはずのライフルは、服の切れ端を散らすだけで通過した]
そんな銃器を振り回していては、生命の温もりは伝わりませんよ?
[銃弾に怯む様子もなく――どころか、撃たれたとも気付かぬ素振りで、尚も一歩"視線"へ近付く。
焦った手付きが、次弾を籠める音が聞こえた]
さあ――もっと近くで――
――冷たい死を迎える前に――
――触れ合いましょう?
[微笑みながら近付く乙女に向けて、次なる銃声が響き渡る――**]
[子守唄で胎児を抱き揺らす
かの娼婦の元へは行かない。
――――しとり
しと、
しとり…
錆びたクレーンの先端にぶらさがる何か。
其処此処から滴る血。
吊るされているのは白目を剥いた運転手。
軽業師は仰向き、暖かい滴りを身に受ける。]
( ― …痛い? ― )
[奪ったナイフはちゃちなもの。
小さな刃を際どく寝かせて滑らせる。
既に生皮を剥がれた太腿を、薄うくに削ぐ。]
[暴れて助けを求める犠牲者は、然し己が
切れた腱の断面をひくつかせているだけな
ことを理解できない。己の姿を見られない。
――喉へ突っ込まれた鉄パイプが、
声帯を震わせることのないように
そう配慮されたものとはわかるのだけれど。]
[割れ曇ったロードミラーの首が皿代わり。
向こうが透けて見えそうな薄肉が、ひたり
また一枚薄造りめいて並び、運転手の膝は
削り取られた軟骨の故にかたかたと震える。
脂を浮かせるナイフを丁寧に拭き、男は笑む。
――――熱源に寄生するいきものの両腕は、
旧友たるマティウスの血に肘まで濡れた後、
ひとときもその色艶の乾くいとまがない。]
[尋ねたいことを聴くのは一度だけ。
それから先は――声も出させぬ地獄。
ぴく、ぴくと蠢く運転手の首が、揺れる。]
……
……
[逆さ吊りにされた格好で身動きも出来ず、
喉から鉄パイプを生やした瀕死の運転手は
鉄パイプの先から垂れる胃液で、
何度目かの「ころして」を書いた後――
軽業師が撒き直した砂の上に何かを書く。]
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