情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[レイヨがテントへと向かえば、使者の男もその後を追う。テントの前にラウリの姿を見ると立ち止まり、黙ってその様子を眺めた。狼に喰らわれてはいない、刃を受けてもいない、遠目に見れば眠っているとも思われるような、しかし間違いなく死んでいると判る姿]
……、
[それから入ったテントの中で、カウコの死を語る長老の話を聞いた。肩を震わせるのを見ると、僅かに口を開きかけ、やはり閉じて]
……失礼します。
どうかご無事で。
[最後に長老へ一礼をし、短く付け足して、外に出た]
[マティアスの倒れる場に戻り、彼に膝掛けがかけられるのを見る。レイヨが戻ると告げるのを聞き――意思を確認するのを聞いて、逡巡した間は、短く]
……私も、共に。
[レイヨの顔を見据えてそう返し、車椅子の傍らについていった。見えてくるレイヨの小屋に明かりが点っているのを認めて、一度、己の腰に触れる。コートの下、ベルトに挟んだ武器を確かめるように。
扉が開く。男は、レイヨの背後に*居て*]
―― レイヨの小屋 ――
――ただいま、だな。
[送られた台詞>>4:119がゆえに、帰着した態の
留守宅の主へかける言は些か場にそぐわぬそれ。
遣い手たる者は、小鍋の中へ細く赤黒い腸詰めを
放りこみながら、レイヨとアルマウェルを迎えた。]
長老さまと、話してきたかね。
[生き残りの彼らが道々見かけたであろう、村内を
闊歩するおおかみたちのうち数頭は此処にも在る。]
[――姿が見える者は、四頭だった。
窓外を見張る態で太い首を擡げている者が、二頭。
レイヨが普段使っている寝台に伏せる者が、一頭。
頭目たる遣い手の背を暖める如く蹲る者が、一頭。
姿を見せず隠れ居る者もあったが――
獣臭や息遣いにてそれを察せる男は、既に亡かった。
しろい蛇も含め…待ち居た者は総て、
その瞳を動かし小屋へ辿りつくにんげんを*視る*。]
――……
[トゥーリッキとその蛇に加えて、四頭の狼の姿が見えれば、問いには返さないまま、コートの下から一本のナイフを取り出した。ウルスラを殺した物とは違う、二十数センチの刃渡りを持った、狩猟用の片刃のナイフ。
構えれば、唯一両刃になっている先端が閃き]
……
[切りかかるわけではなく。ただ、レイヨの横に一歩だけ踏み出して。瞳に警戒を過ぎらせ、男は在る*だろう*]
[逡巡も僅かに同行を示すアルマウェルの返事に、念を押すような再度の問いかけはせず、躊躇いがちな瞬きだけの頷きを添える。彼と小屋へ戻る道々には獣の息遣いが村の中にまで押し寄せていたが、口を開いて彼に何か言う事はなかった]
………きこえる…
[牙を向けられる事はなくも、恐怖に慄き扉を締め切る家々の周囲を闊歩する狼の姿も見えただろう。マティアスのように獣の気配を知る事の叶わぬ求道者は幽かに呟き、どことも取れぬ方を向き眼鏡の奥で眼差しを細めた]
………おかえりなさい。
生憎とその方たちに振舞えるお茶はありませんが。
[部屋に居座る狼の姿に注意を奪われ、半拍ほど遅れて場にそぐわぬ言葉を返す。部屋には慣れぬ獣の臭いが漂い、自らの寝台すら占拠されるらしきに、前髪に隠れる眉を下げた。
不在の間に火にかけられてたらしき鍋、トゥーリッキが腸詰を放り込むのに、更に下がる眉―――口で指摘をせずも隠さない面持ち。向けられるもう一つの視線―――白い蛇も眼差しはなぞり、冬に起きる蛇におはようございますと添えた]
はい…―――カウコも殺したんですね。
[キィ…―――茶を煎れようと身じろぎ軋んだ車椅子はトゥーリッキの言葉に止まり、長老から聞いた言葉を伝えるとも確かめるともなく、かみ締めるように呟く。キィキィ…―――容器の並ぶ棚から茶を選ぶ折、胸元にしまっていた容器を棚に戻した。
カウコへ差し出すために自らが歯を立てた指の傷と共に、子犬に牙を立てられた手の傷も今は薄く塞がる。カタリカタリ、一本だけ脚の短い机に空のカップを置くたび、小さな音がすれば狼は耳を動かすだろうか]
僕はあまり肉を口にしないんですが何の肉ですか?
[まじないのために狼の毛を飲んだ求道者は、それ以外の事で獣の身体を口にせず、普段は植物からの恵みで生きる。遅れて指摘する鍋に放り込まれた腸詰は、火にかかり温められて、徐々に香りを漂わせ出すか。
そのころには湯も沸き茶を煎れて、先の言葉通りに狼を従える以外はあまり普段と変わらず寛いで見える火の傍のトゥーリッキと、反対にとても警戒して見えるアルマウェルと、距離ある双方へ腕を広げるように両手を伸ばして、湯気のあがる*カップを差し出した*]
ひとまず、お茶でもどうぞ。
[使者から応えもなければ、重ねる問いもなく。
遣い手はアルマウェルから小鍋で茹だる腸詰めへ
視線を移した。彼が取り出した刃は狼が見ている。]
まだ茶を煎れる気でいるのだな。
気を遣わせんように、火を塞いでいるのだが。
[声は頷きながら、レイヨへと渡す。小屋の主が
茶を煎れるための湯を沸かす様子に小鍋は避けて]
そうかね。 …殺せていたならいい。
[カウコのことを確認されみじかく返答をする。
狼たちは、物音に耳は動かせど視線は揺らさない]
[白蛇は、ひとの言葉を解さない。鎌首が、ゆらり]
…肉ではないな。血だよ。
[レイヨが差出すカップへ遣い手は手を伸ばさない。
火かき棒の逆端で小鍋に茹だる腸詰めを引上げた。]
そして、あんたはあたしが
「誰」に会いに行ったかちゃんと聴いていたのだ。
[手の中へ収まる程度の大きさの綱切りナイフで、
腸詰めの端をぶつりと切ると――透ける小腸から
熱く赤黒い塊…茹でた血がぬめと溢れ出てくる。]
「何」はない話だろう。
話をしに来たのではなくて、群れの頭として
話が出来る相手かを知りに来たのだ、若先生。
[調理の手法としては――馴染みのものだった。
男らが、狩りへ出る前に好んでトナカイを潰し作る
血の腸詰め。口元で器用にナイフを使い齧りとる。
それはケーキ地のようにやわらかく、血の臭みは
香ばしいものへと変化している。溶ける脂は甘い。]
…赤マント。
寒いのだが、そこを閉める気はないかね。
[遣い手は、未だレイヨが差し出すカップを取らず、
扉前で得物を構えるアルマウェルへと声をかける。]
――何なら、もう二、三頭
中へ入れて部屋をあたためるか。
[警戒する使者の背後――微か雪踏む複数の気配。
低く唸る狼が数頭、彼の後ろへうろついていた*。]
[男は上空から村を見下ろす。
他の魂らしき気配に言葉を添えず、ただ見下ろす――
その顔を覆う包帯は無く、
とても見目良いとは言い難い男の素顔が晒されている]
…今更、とも、なんとも詮無いが―
そう思えるのが義理だと確信無い程には、棲み良い村だったな…
[それからゆっくり下降する。
透ける自身の体も、それ以外も、視界そのものが久しい男に大した違和感を与える事は無く]
…ああ、だがやはり―
あながち間違いでも、無かったのだな。
[全員殺して終えば良いと思ったのは本気で。
大恩ある長老のこの村を護る事にすべてかける男に、残る「容疑者」達が映る*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了