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[鞄にペンを仕舞うと、手帳が手に当たった。
視線を微かに泳がせてから、顔を上げて]
……てっちゃん知ってたの?
東京の同期に、事務所誘われてる、の……知らないよね?
[渡された書類に、順番に目を通す。二度繰り返した。
頭が酷く重い]
引き抜きとかそんな大層なことじゃない。
最近人手が足りないってだけで……
[折りたたんで仕舞うと、封筒をテンマの胸に押し当てて俯く]
どこでも行けばいいよ。
……引き止めてくれるか知りたかっただけなのに。
[ぎゅっと拳を握り、呟いた]
同じ職とかいらない。
[首を横に振り、涙をこらえて顔を上げる]
隠しごとすんな、バカ!!
[早業で取り出したペンで、テンマのデコに「ばか」と描いた]
そんな秘書持った覚えない!
離して。
[小さな声で言ってから、もう一度トーンを上げて同じ言葉を繰り返した]
センセイって呼べなんて一度も頼んでないでしょう……
てっちゃんが勝手に呼んだのに。
ぜっっったい待たない。
居場所なんて取っておいてあげない。
[負け犬のように捨て台詞を吐くと、床に落ちていた背広を投げつけて部屋を出て行った。
あの真っ白い部屋へと、*駆け抜けていく*]
何で着いて来るのー!?
[廊下の角からパンプスを投げ付けた。
テンマの額めがけて時間差で両足分。
最初の部屋に入り鍵をかける。
肩で息をして、扉の所で体育座り]
神様、仏様、流星群様、三毛ランジェロ様……
[膝を*抱え込んだ*]
[音も立てずに扉を開いた]
てっちゃん、ごめんね、おめでとう。きっといい弁護士になるよ。仕事は概ね早くて正確で物覚えいいし割り切るところわきまえてるし。でもたまな変なとこ真面目過ぎるから気をつけてね(早口)
デコの落書き消そうか。あんまりだ。
[ウエットティッシュを取り出し、反応の鈍いテンマに笑いかける]
テンマせーんせ?
[その声は、穏やかで*明るかった*]
。oO(噛んでるのはわざとですきっと……)
[セーラー服とかナース服がどこかのタンスに入っていそうな予感がした。
着るのは<<学生 ナオ>>だ!]
さっさとその情けないツラ貸す!
[グイッとネクタイを引いて、落書き消去に取り掛かる]
[額に視線を集中させ、書類を読み上げるように淡々と]
いつもみたいになんて無理でしょ。
いつものあたしを、必要としなかったのは誰?
[ティッシュを丸めると、ごみ箱に放り投げた]
何で、あたしの秘書のままでいてくれないの。
[わずかに声が掠れていた]
未来って何?
[ゆるく首を振る。
何を否定するつもりかもわからずに。
口を引き結び、ゆっくり瞬きをした]
てっちゃん以外の人に、どうやって頼ったらいいのか教えてよ。
[腹の底から湧き出る笑いに肩を震わせ]
あたし、男性秘書しか雇わないなんて言ったっけ?
相変わらずの思い込みっぷりだね。
[そろりと伸ばした手は、テンマの背中をぽんぽんと叩いてあやす]
大丈夫だよてっちゃん。
旅立っておいで。
[自分に言い聞かせるように言った]
。oO(はい!モミジさんの為に、セーラー服着ます!!)
[モニターに「しばらくお待ち下さい」の文字。
しばらくすると、何事もなかったような顔のキャスターがニュースの続きを読み上げる]
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