情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[占いなんて、医者のする事ではないな。
そう思って、小さく笑った。
運命だ、宿命だ。
そういう物のせいにしてはいけない。
全ては自分の、誰かの、選択の結果だ。
自分の力だけでは変えられない事を、人は運命だと言ってしまうけれど。
医者は、患者の未来を託される存在。
その医者が、運命なのだと逃げてはいけない。
だから、流れる星に願うなら。
皆が、最後の瞬間に笑っていられますように。]
ふふ
私にもこういう部分があったのだな
[そう思うと、少し可笑しくて。
肩をすくめると、前を歩く人影が見えた。
小さな子供と、若者と変わらぬくらいの年齢の母親が手をつないでいる。]
[何処かで違う選択をしていたら。
若者も、人の親になっていたのだろうか。
何処かで違う道を行けば、自分もああやって手をつないで歩いていたろうか。
そう思うと、少し寂しくて。
そして、その親子がとても微笑ましく見えた。
子供は、手に人形を握っている。
サンタには、そのお人形の友達を願うのかな?
それとも、別の何かが欲しいのかな?
少しだけ、歩く速度を速めて。
親子に追いついてみよう、なんて思う。]
ストーカーみたいで、やだけど
[勘違いされない程度には、距離をとっておこう。]
[この選択は、間違いだったのか。
ある意味では、正解だったのか。
子供は、人形を取り落とす。
母親の手を振り払い、それを拾いに車道に出て。
そこに、乗用車が走ってきた。
親子に近づいたのは、正解だった。
若者は反射で駆け出し、車にひかれる前の子供を捕まえることに成功した。
距離をとっていたのは、間違いだった。
子供を抱いて走り抜ける時間はなくて。
結果、子供を突き飛ばす形になった。
ほら、運命なんかじゃない。
ただ、選択を一つ、間違えただけだ。
いつだって、そこに死は転がっている。]
[運動、しておけばよかった。
学生時代なら、もう少し走るのが早かったろうに。
世界がくるくると回る中、浮かんだ苦笑い。
これで生きてたら、ジムに通おう。
そう考えられる程度には、若者は冷静だった。
不思議と、痛くはない。
ぐきりと嫌な音がしたけれど。
痛くもないし、苦しくもない。
背中が何かにぶつかって、回転がとまった。
空は、いつもより高い。
人が、あつまってきている。]
子供は無事ですか
[若者は、そう聞いたはずなのに。
自分の声は、聞こえなかった。
その代わりに、泣いている子供の声がする。
そうか、肺か首がやられて声が出ないのか。
5分以内に、救急車来るかなぁ。]
[無理だろうなぁ。
この場合、窒息になるのかな。
たぶん、そうだろうなぁ。
まぁ、いいさ。
選択を間違えた自分の責任だ。
若者は、小さく笑って。
眠くはなかったけれど、目を閉じた。
苦しそうに、見えるのかな。
血とか、出てるのかな。
子供が怖がらなければいいけれど。]
ただひたすらに生き、ただ死ぬだけ
それだけの事さ
[心残り、あるかな?
ああ、あの男の人にお礼を忘れていた。
ロッカさんにも、煙草のお礼してないや。
患者さんは、引き継いでくれるだろうし大丈夫。
父さんと母さんは、泣くだろうな。
孫、抱かせてやれなくてごめん。]
でも、まぁ
[心残りは、あるけれど。]
悪くない人生だった
[そう思って死ねるなら。]
幸せだろう
[自分は、まだ。]
[若者の意識が、いつ途切れたのか。
それは、誰にもわからないけれど。
最後に浮かべていた顔は、苦笑い。
星がもう一つ、流れた。
若者の部屋では、しまい忘れたアルバムが一つ。
桜並木、砂浜、紅葉、雪景色。
そんな写真がいくつか、テーブルに散蒔かれて。
半分ほど残った煙草がひと箱。
閉め忘れた窓から吹く風で、縫いぐるみとかかれたレシートが何処かへ飛んだ。]
(―――ロッカ、
[声が聞こえました
わたしがずっと聞きたくて仕方のない声です
かみさまの、あの、声です
ひろくんたちの後ろに、かみさまがいるように見えました
伸ばされた手が、わたしの頭を撫でてくれたような気がしました]
(―――ロッカ、)
[声が聞こえました
わたしがずっと聞きたくて仕方のない声です
かみさまの、あの、声です
ひろくんたちの後ろに、かみさまがいるように見えました
伸ばされた手が、わたしの頭を撫でてくれたような気がしました]
―とある見舞客の話―
六花っ!!
[病室に入るなり、俺は叫んで彼女へ駆け寄った。
見覚えのある椅子、装置、そこに薬もセットされている。
彼女は眠っているように見えた。
抱きしめたら、暖かい。まだ生きてる。彼女の左腕に刺さっている注射器を乱暴に引き抜いた。]
死ぬな……、死ぬなよ。勝手に死ぬなよ。
俺の事、忘れてもいいから。全部忘れちゃってもいいから、死ぬなっ……傍にいてくれよっ……!
[謝る声も聞かず、ただ抱きしめる。脈が弱くなってるのを感じた。
予想外の人からの連絡に嫌な予感がして、急いで来たのに。
あの人の時と同じで、俺は何も出来なかった。
悲しくて、情けなくて、悔しくて、涙が出る。
その時、六花の目が薄く開いた。]
六花……!
[間に合ったんだ、そう思ったけど。
彼女の唇が紡いだのは、あの人の名前だった。
それに少しの落胆と、嫉妬を覚えた事は否定しない。
それから、彼女は嬉しそうに、
幸せそうに笑って、そして、
俺の腕の中で、眠りについた。*]
/*
中の人の視点では、色々な裏話とかそういうあれこれがあるけれど、言葉で語るには無粋かなと思いました。
言葉にしたい気持ちはあるんですけどね。
/*
裏話ってほどの話でもないな。
それと、どっかで書いたかもわからないけど、イメージソングはなんとなくバンプの「花の名」でした。
名前も六の花だったしね。
http://www.youtube.com/watch?v=jDzPh3xlDiA
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了