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お幸せにね。
幸せを願うのは許されてるんじゃないかな。
夢見たいな幸せだって、なんだってね。
おいらは幸せを願うし、紙幣を送りたいんだ。
次にはもっと幸せなことがあると信じてるから。
[ネギヤが消えた辺りを見つめてぽつり]
そうだなぁ。
次があるからこそ、
不幸になるかもしれないが、
幸せになるかもしれない。
過去に捕らわれて留まるより、
未来を見て、先に進んで欲しいな。
おいらの過去は、何だったんだろう。
ユウキとーさんも辛かった?
……思い出さないほうが幸せなのかな。
[しばし考え込んだ後、話題を変えるかのように]
今日は誰を送るか悩むね。
おいら、みんなに聞いてみようかな。そろそろ出られそうな気がする。
辛かったかは、覚えていない。
ただ、俺も君も、やり残したことがあるから、
こうしてここにいるんじゃないか。
それが送ることなのか別の事なのか、わからないが。
[同じように思案の様子を見せた]
スイのしたいようにするといい。
俺は皆の父さんだからな、見守るさ。
[言いながら、視線はツキハナに注いでいた。独りごつ]
……もし、ゆくなら、共にゆきたいと思うが。
おいら、今、幸せなんだ。
家族の誰も食べなくて済むっていうのが、すごく嬉しい。
だから、みんなを幸せに送りたいんだ。
とーさんはかーさんと一緒なんだね。仲良しでいいね。
[嬉しそうに微笑んだ]
幸せ、か――なら、よかった。
仲良しなのか、
そうでありたいと思い込んでいるだけか。
……はは、いけないな。思考が渦を巻く。
[*塞き止めようと、思考を閉ざした*]
とーさんの「役目」?
かーさんと一緒に居たいから、じゃダメなの?
一緒に居たいから、家族なんだよね? とーさんは役目だからなの?
あの……おいら、今日、パオリンならあっちに行っても幸せになれると思う。とーさんが別な人がいいなら反対しない。
一緒にいたいから。
……そうだったか、そうだったかもしれないな。
はっきりと覚えているはずなのに、どこか虚ろなんだ。
でも、きっと、単純なことなんだろうな。
パオリンか。
いや、スイがそう思うのなら、構わないぞ。
虚ろ……うん。
おいらも、胸のここが、ぽっかり空いているみたいで、少し不安だよ。
でも、素直に、単純に思うと……ここにいると幸せだし、みんなに幸せになって欲しいなって思うんだ。
難しいことって、おいら、頭悪いからよく分からないんだよ。
いいや、単純でいいんだろう。
無駄に歳を食うと、
小難しいことばかり考えたくなるんだ。
どちらがよりよい方法なのだろう、とか――
きっと、比べようもないことなのにな。
[眼差しは“娘”を*見つめていた*]
うん……。
どっちがいい方法なのかとか、おいら、わからないんだ。
ずーっと間違って生きてきたから。
今は、間違ってたのかすら、わからないんだけれど。
でも、いま、手に紙幣があって……それでみんなが幸せになるなら、送りたいんだ。
次の世で幸せになれなかったら、またここに戻ってくればいい。
おいら、ずっと、ここで、みんなを待ってる。みんなが幸せになるまで、ずっと。
[笑った]
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