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[まただ。また声が聞こえる。
耳を塞いで片隅でガタガタと震えていた。
隣の車両に行くのは投票で決められた人だけのはずなのに、何故か皆入れ替わり立ち代りに隣の車両へ足を向ける。
皆変。変。変。なんで?
またしても血濡れで戻ってくる小鳥遊の姿を見て、思わず小さく言葉が漏れた]
センセー、変。**
[車両の片隅で蹲り震えているが、弓槻と長澤が各々の役目を果たそうとする姿が目に映り、治まらない震えをそのままに立ち上がった]
あ、あのね……クルミちゃん、違ったの……。鬼さん、じゃなかったの。
[最終的に自分が下した決断故、語尾が小さくなる]
……ごめんね。
[ポツリと漏らすと壁に凭れ、崩れ落ちるようにまた座り込んだ**]
[働かない思考をどうにか動かそうと、弓槻が話しかけていた内容を思い出す]
それ言ったの、六花なのね。
でも、見たい人言うのと投票したい人言うのとも、あの時の状況とも全然違うのね。
コハルちゃんも過剰な思考隠しいらないっていってたのよ。
……シンヤくん、言い訳しかしてないのね。
[視線を合わせたくなくて、最後は俯いて言った]
[様々な結果を考えると焦りが生まれてくる。あれから他には欠けている人は居ない。考えなくては]
投票、占い師さんも含めて考えなきゃいけない…のかなぁ。
皆にも考えてほしいのね。
[ふと、ずっと手に持っている近藤のスケッチブックに気づき、三枝に近寄ると差し出した]
六花、自分の持ってるのね。
これ、コハルちゃん持っててほしいのね。
[スケッチブックから手を離して三枝を見る。普段なら笑顔で返すのに、この状況で嬉しそうに笑える彼女にどっか距離を感じていた]
守る人、六花も考えてたのね。ほんとに居たから鬼火さん出てこれなかったのかなって。
今のとこ思ったのがね
一、今出てもらう
二、守った人に投票
三、既に占われた人は投票、そうでないなら今
でも、三は今出なかった場合に鬼さんに目を付けられやすいのがダメダメなのね。
六花もしゅ…しみれーしょんしてみるのね。
[自分のスケッチブックを取り出し座席を机替わりに唸り始めた]
―回想―
[長澤に怒鳴られ肩が跳ね上がる]
う…う、ごめ、ごめんなさい……。ごめんなさい……。
[泣きじゃくりながら何度も繰り返した]
[須藤と櫻木が話すのを聞いて顔を上げる。考えすぎた所為か顔が赤くなり、煙が出そうな様子である]
そうなのね。三の方法はややこしいのね。既に占われた人から出てきた場合は見てもらった結果が勿体無いなって思っちゃったから出したけど、ダメダメなのね。
色々考えて、六花も今で出るほうがいいって考えてたのね。
センセーが言ってた投票のデメリット回避と、それから二人出た場合で、また、また…鬼さんの声が聞こえなかった場合、皆の負担が大きそうなのね。
[寺崎の言葉も受け]
占われてない人からっていうのはいいと思うんだけど、ナオちゃんだけ宣言しなかったらどのみち言ってるのと同じじゃないのかな?
[きょとんとした表情で見る]
でも、先にナオちゃんが宣言しちゃうのはよくないのね。最後でいいと思うのよ。
[よく見ると疲弊しきっている様子が目に見えて分かる。暗い影を背負っているように思えて、どうにかしてそれを軽くしてあげたくて自分もしてもらったように頭をぽんぽんと撫でた]
いい子いい子。
[櫻木の問いかけに、いつまでもうだうだと悩むべきではないのだと考える]
んっとね、じゃあ、守る人さんかどうか、占われてない人から言ってほしいのね。
ナオちゃんが最後でお願いするのね。
あと、さっきはありがとね。
[泣いていた時にあやすようにして抱きしめてくれたことに、はにかみながらお礼を言った]
[長澤の声を聞いておどおどしつつ]
あのね、まずは守る人さんのことが先なのね。
でも、もしまだ占われてない人から出なかった場合は、出来れば二人には別別の人を見てほしいって思ってるのね。その為には早く決めなきゃいけないから、出来るかどうかは考えてるとこなのね。
[小鳥遊の話しには目を白黒させている]
センセー、あのね、守る人さんのこと、まだ終わってないから少し休んでてほしいのね。
[真っ赤に染まった服が近寄り難さを出しており、近づくことができずにいた]
[うつらうつらとしていると櫻木の声が聞こえる]
ナオちゃん…?
ほんとに鬼火さんの言ってた通り…いた…?
[その力がどういうものかは霞がかってはっきりとは理解出来ないが、他に同様の告白をする者が居ないというのであれば、彼女も自分と似たような立場なのだろうと思う]
[弓槻の告白に目が完全に覚めた。
そして櫻木や寺崎の名を出して嘲笑う姿に怒りを抑えきれず、弓槻の前に立つと平手打ち、返し手でもう一発、更にそこからもう一発入れた。途中で受け止められたかもしれないが、構わず涙を流しながら叫んだ]
シンヤくんのばかぁ!!
泣いちゃっても知らないもん!
占うのも投票もさっき皆で決めたとおりでやるんだから!シンヤくんなんて隅っこで泣いてればいいもん!覚えてろー!
[覚えてろの使い方を完全に間違えているのはテレビなどの影響で間違えた解釈で覚えてしまったからのようだ。
何事も無ければ弓槻の前に来た時と同じ勢いで定位置に戻るだろう]
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