[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[そうっと小瓶から手紙を取り出し目を落とす]
なんて書いたんだっけ?
『お元気ですか? 私は元気です。』
月並みな出だしだわー……あ。でも、元気も何も死んだんだけど。
──ま、いっか。過去に届くわけだし。書いたときは元気だったし。あの頃も元気だったし。
『私のことを心配してくれてるってマチコから聞いたの。
ありがとう。そしてごめんなさい。
あのね、私、今度レコード出してもらえることになったの。
ざくろの花って言うのよ。
とってもいい歌よ』
[ため息を付いた]
なんて言っていいのか分からないとはいえ、酷い手紙だわ……。
ざくろの花は……あんまり……ぜんぜん、売れなかったけど。
関ると死ぬ、とか、呪いの歌だとか、変な噂も出てきたしね。
『だから、もう、心配しなくても大丈夫よ。
私は歌で頑張るから、あなたも、お仕事頑張ってね。
体を大切に、事故とか、対向車には気をつけてね。
いつまでも、元気でね。奥様と仲良くね』
[手紙を読み終えると、元通りに瓶に納め、大事そうに胸元に抱きしめる]
でも、洞窟に届けないと手紙は届かないのかしらね。
この手紙があの人に届いて、対向車に気づいてくれるかしら。
そして、あの人が事故に遭わないなら……嬉しいな。
[口の端に笑みを浮かべる。わずかに悲しみの入り混じる微笑み]
そうしたら、ざくろの花は、呪われた歌だなんて呼ばれなくなるのかしらね。そうだと、いいな。歌には、罪なんて無いもの。
[瞳を閉じて、静かに何かに祈るかのように、ざくろの花を歌い上げる]
──。
[歌い終えると、慣れたしぐさで優雅に一礼した]
幽霊でも声って出るのね。ここで歌ったら誰かに届くのかしら。
届くなら巡業でもしちゃおうかしら。ううん……届かなくても、歌うわ。私の選んだ道だから。
でも呪いの歌を歌っていた私が死んで、巡業先に化けて出たら……ほんとに呪いの歌かしら?
[くすくすと笑う]
でも、いいわ。歌えるなら、お化けだろうがなぁんでも。
[楽しそうに笑いながら、新たな歌を唇に乗せる]
ひかりの中で見えないものが
やみの中にうかんで見える
まっくら森のやみの中では
きのうはあしたまっくらクライクライ──
[ほの暗い霧の中を、*楽しそうに歩き始めた*]
さかなは空に小鳥は水に
タマゴがはねて鏡(かがみ)が歌う
まっくら森は不思議なところ
朝からずっと
まっくらクライクライ
[つと足を止めて見覚えのある建物に首をかしげる]
あら、ペンションじゃない。
あ──私と、アンちゃん──。
[樹の下に横たわる見るも無残な死体を悲しげに見下ろし、近くにアンが居ないか視線をさまよわせる]
居ない、か。アンちゃんは天国に行ったのかな?
……あれ。でも、私、何で死んだの?
[こめかみに指先を軽く当てて眉をひそめる]
覚えてない……やだ。熊とか、野犬?
[不安そうに立ちすくむ横をゼンジが通り過ぎていく、その視線は決して自分には止まらない]
ああ、やっぱり見えないのね。若旦那さん、どこに行くのかしら。
[寂しそうに微笑んで見送る]
気をつけて行ってらっしゃい。
[戻ってきた車とゼンジの様子に不安そうにみつめる]
若旦那さん、大丈夫?
いつもの余裕のある笑顔が消えてるわよ。
あら、セイジ君も来た。
熊や野犬の仕業なら、ゼンゼンとセイセイでコントしてる場合じゃなくて、ペンションに早く入った方がいいんじゃないかしら?
コントしたらすごいと思うけどね……。
むしろコントするくらいの方がいいのかしら。
あらら、ボタンさんも来たわ。
ルリちゃんひとりぼっちなのかしら。
うーん。誰にも見えないと言うのも、切ないわね。
[苦笑すると、手持ち無沙汰そうに歌を口ずさみはじめる]
──耳をすませば何もきこえず
時計を見ればさかさま回り
まっくら森は心の迷路(めいろ)
早いは遅い
まっくらクライクライ
[ボタンの影にルリを見とめて]
あ。一緒だったのね。よかった……のかしら。外は危ないわよね?
[ゼンジとセイジのやり取りを耳にして眉をひそめる]
何が起きてるのかしら? お化けも居るしね。
[冗談めかしてつぶやくと、肩をすくめた]
/*
ずっと見てたら気になったので、ゼンジの顎のラインを整形。
お代は一千万です。
「そんな大金……!」
それなら構いませんよ、他を当たって下さい。
「そんな、ぶらkk」
あ。因みに言葉は殆ど聞こえてなくて、サイレントムービーな視点のつもりです。セイセイの霊話。
境界が薄れすぎるから同時中継はしたくないからなんじゃけどね。
あれです。瓶を受けとるのだけしたいなー。と思った。
伝わるかなー。難しい。
[セイジの視線に気づき、背後を振り返るが、もちろん何も無い。
手を差し伸べられ、少しためらった後、ゆっくりと右手を差し出す。
──するり、と、手がすり抜けた]
あら、残念。手を取ってもらおうかと思ったのに。
もしかして見えてるのかしら? 聞こえる?
外は危険かもしれないわ。気をつけて。
[なるべく明るく聞こえるように微笑んだ]
小さくツッコミですけど。
右手の平で右頬は叩き難いと思います。若旦那ー。
どうやってたたいたのか想像すると楽しい。
アクロバチックだぜ。
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ