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私もお散歩してくるわね。
またね。
夕飯までには戻ってくるわ。
お腹空いたら、どうぞ。
[風呂敷包みのおでんを指し示す]
[そうして、キッチンから出て行った]
[ぺたり
ぺたり]
[あいも変わらず裸足のまま]
[部屋の扉を開く]
[中に入ると自動的に扉が閉まる]
[暗い室内]
あった。
[かた、かたり、と硬い音]
そうね。外に行くなら靴を履いたほうがいいわね。ダーリン。
[再び扉が開き、2つのカメラを手にして出てきた]
[ローヒールのかかとをカツカツと鳴らして歩き出す]
何を撮ろうかな。
[楽しそうに軽やかに歩き出す*]
-2階-
[つと窓から外を見る
墓碑群に人が集まっているのが見えた]
儀式みたいね。
[複雑な機構のカメラを構え
ファインダーを覗き
慣れたしぐさでシャッターを押す]
[しばらくして、
もうひとつののっぺりとしたカメラを構える]
[背面のディスプレイを覗きながら、数枚の写真を撮る]
デジタルは、結果を撮ってるみたいで、味気ないわね。
[撮れた写真を確認しながらぽつり]
[カメラの底面には"caname"と彫りこまれている]
みつかっちゃったみたいよダーリン。
[カメラを手にしてから、初めて笑顔になり、小さく舌を出す。
そしてユウキに手を振り返した]
瞬間を切り取って集める。
詩的な言葉ね。
[質問にしばし考え込む]
──あいいろに、見えたわ。
綺麗に写ったかは、現像してみないと分からないけれど。
[複雑な機構の──古い機械式カメラに触れた]
そうね。
焼きあがったら、見せるわね。
[またねという風に手を振り、ユウキを見送った]
夕陽だから、なのかしらね。
[ガラスに反射する夕陽を見つめながら]
[のっぺりとした──デジタルカメラで空の写真を何枚か撮った]
[こつり
こつり]
[適当な扉をノックしたり、
デジタルカメラで何の変哲も無い室内を撮ってみたり]
返事が無い……誰も居ないのね。
"control room"。管制室。
[ひとつの扉の前で足を止めた。
扉の横のサイドパネルに指を走らせる。
反応は無い]
ここは開かないのね。ダーリン。
開けてくれないの?
[拗ねてみせる]
[開けることは出来ないと答えるカナメに、肩をすくめた]
まるで青髭ね。
金の鍵があればいいのに。
[念のためポケットを探って、何も無いことを確認しようとして──手を止めた]
[指先に触れたのは、1枚の写真]
[レン、ルリ、ユウキ、ライデンがこちらに曖昧な笑みを向けている]
……?
[裏を返すと 11018.11.24 XXXX]
──え? なぁにダーリン。
ああ、確かに加工して作れるけど。
なんで私のポケットに入ってるのかしら?
11018年。
最近なのか、ずいぶん前なのかさっぱり分からないわね。
偽物なの?
フェイクなら、私は何でこれを作ったのかしら。
[カナメの声に考え込む]
[何事かを告げる声にはうるさそうに頭を振る]
レディが考え事をしているときは黙っていて頂戴。ダーリン。
[告げる声はかすかな苛立ちを含む]
ああ、だめ。考えがまとまらないわ。
[ため息をつくと、写真をポケットに戻す]
[踵を返して、再び歩き出す]
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