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あぁ、どうしようもない。
………でも、俺はあいつ信じてっけどな。
[それは、俺の未練。失った日々からでしかないが。]
あぁ、四人いる。俺等合わせて六人だな。
[ここにいる人間の話は、それだけにしておくつもりで。]
……もし、だ。
お前の大好きだった男がいきなりいなくなって。
やっと忘れかけた頃に、そいつが帰って来たら。
お前、どうする?
俺の携帯に入ってる奴にはメール一斉送信したけど。
誰も返信くれなかったな。
連絡とれたのは、お前と美夏ちゃんだけ。
明日、また少し探してみるさ。
[と軽く答えてみて]
あはは!お前らしいや!蹴り倒すか!
いい女だねぇお前!あはは!
[爆笑……無理矢理してみた。]
いいなぁ。お前みたいな奴ばっかなら。
世の中もっと楽しいだろうな。
……わりぃ、変な事言ったよな。
[ひとしきり笑った後で、イマリにはそう謝って。]
俺さぁ、アンの事好きだったんだわ。
あいつが死んだ日、初デートだったんだ。
あいつが事故ったの、待ち合わせ場所に来る途中。
笑えるよな?俺が誘わなきゃ死ななかったんだぜあいつ。
好きだって言ってもなかった。
知らなかったから、病院にも行けなかった。
馬鹿だべ俺?忘れたつもりだったのに。
帰って来やがったんだよあいつ。
[自分でも、泣いているのか笑っているのかわからずに]
言ってろ、誰が引く手あまただ。
お前引っ張ったら、逆に引きずられちまうよ。
[軽い冗談を言ってみて]
蹴られる側の人間はビクビクしてんだろうなぁ。
俺も蹴り倒されないように気をつけにゃー。
[クスクス、彼女の笑い声に合わせて]
はいはい、どーせ馬鹿ですよぉー。
俺は、馬鹿な生き方しかできねぇしな。
……なんでだろーな。
もっと早かったら、俺全部捨ててでもアンと一緒にいた。
もっと遅かったら、きっと綺麗に忘れてた。
今、この瞬間だからこそ……俺は動けないんだよ。
誰かが引っ張ってくんなきゃ、もう動けないんだ。
[ぽつり、ぽつりイマリに答えた]
ちぇ、寒くて悪かったねぇー?
[電話越しに肩をすくめた]
ん……近いとこにね……あるといいんだけど。
これは、俺だけが頑張ればなんとかなるわけじゃ………
ねぇんだよなぁ、やっぱり。
[はぁ、と深いため息をついた。ついでに]
お前が尽くすタイプなら、世の女は皆尽くすタイプ。
[真顔で言ってみて]
選択ねぇ……
[いくつか選択肢を思い浮かべてみる。]
選択肢1、アンと地獄まで駆け落ち。
選択肢2、美夏ちゃんたぶらかして大人の階段登る。
選択肢3、お前と今みたいにずっと笑いあってる。
選択肢4、優等生を拉致監禁して改造する。
選択肢5、女はやめてズイハラさんとラブラブ
さて、どれがいいと思う?
クールな俺は、選択肢1を選ぶと現れるぜ?
[本気で、そう言った。]
ズイハラさん、僕を受け入れてくれるかしらん?
不安だわぁ〜〜
[ぎゃはは!と笑って。]
………さんきゅ、イマリ。お前いい女だぜ、まじで。
[心から、礼を言った]
あぁ、食べ損ねたケーキか。
仕方ねぇなぁ、もとに戻ったら連れてってやるよ。
[無事に帰れる保証はないけれど。]
……おう。落ち着いたなら良かったさ。
こんな事で泣いてんじゃねぇよ……元気でいなきゃ。
お前らしく、な?
[比較的真面目に。優しく言葉を紡いだつもりで]
あらら?美夏ちゃんと同じのが食いてぇの?
[なんだかおかしな感じだったが、とりあえず]
まぁ、同じのでもいいけどよ。
[彼女が笑ったから、俺も笑った。]
あはは、そうそう。笑ってろ。
イマリの死に方は笑い死に以外にねぇっ!
………うん、人間笑ってんのが一番いいんだ。
[本気でそう思う。]
おう、わかった。
寂しかったらいつでもいいなさい?
お兄さんがお友達連れて遊びに行ってあげるから。
[くすくす、笑いながら。]
じゃぁ、またな。
[サヨナラとは、絶対に言わない。]
[電話を切れば、俺は一眠りしようかと思った。美夏ちゃんは、どうしたんだっけ?飯食った後家に帰ったんだっけ?今一緒の家にいるんだっけ?美夏ちゃんがいるなら俺は炬燵で、帰っていたならベッドで寝る。]
あぁ、今日もいい日かなぁ………*
[ふと、美夏ちゃんが心配になり目が覚めた。気がつけば一緒に炬燵で寝ているようで。絶対に風邪をひくと思ったから、彼女を抱き抱えて俺の部屋へ運んだ。触っちゃまずいとこに触らないよう気をつけながら、自分のベッドに寝かせて布団をかけた。なんとか理性を保っている自分が、誇らしくもあり情けなくもあり。そっと彼女の髪を撫でて、俺は自室の床で寝た。]
据え膳食わぬはなんとやら。俺、恥さらし*
―夢―
そこは真っ暗だった。音もなく、光もなく、俺は迷っていた。いや、光を失っていたんだと思う。目を閉じていたんだ。耳を塞いでいたんだ。自責と、後悔と、悲しみで。この闇は、永遠に続くような気がした。それでもいいんじゃないかと、諦めていた。動こうともせず、ただ漂っていた俺。そんな俺の閉じた耳に、声が聞こえた気がする。
「ジュンタ」
誰の声だろう?女の子の声のような気がする。だんだんと、瞳が開いていく。あぁ、世界は、こんなに明るかったっけ?
あ、美夏ちゃんおはよ。
ぜーんぜん軽かったって。寝心地悪いベッドでごめんな?
男のベッドって、嫌だよな普通。
[体を起こして、寝ぼけ眼で美夏ちゃんに声をかけた。]
俺は全然平気だから!よく間違えて床で寝たりするし!
[元気だと、頑張ってアピールしてみた]
そう、ぐっすり眠れたなら良かった。
体は平気だけど、肩が凝ったかな?
あと、朝飯食ってないから腹へった。
[あはは、とお腹を擦ってみて]
電話??あぁ、イマリと電話してたんだよ。
あいつ、泣きそうな声で電話してきやがってさ。
………ま、無理もねぇけど。
おー、作ってくれんの?
「僕のために、味噌汁を作ってくれ」
………なんちゃって。
[んー、と伸びをして。]
心配いらねぇよ。美夏ちゃんは一人になんねぇもん。
イマリだって、なんかあったらすぐ連絡するよう言ってる。
誰も一人になんかしねぇさ
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