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[そこに佇んでいるだけで、
妙な威厳があるから不思議だ。
どんなに若かろうが
白衣を着て院内を歩んでいるだけで
「先生様」と拝みたくなってしまう。
母が末期だから、余計にそう感じるのかもしれない。
遠巻きにユウキ医師を眺め、手を合わせた]
母ちゃんを、頼みます先生…
[声音は届かずとも、妙な動作は
医師の目に入ってしまうか。
せめて、苦しまぬように、と。
解らずも、男はそのまま正面玄関から*去っていった*]
[珈琲を啜る。
珈琲の何が美味しいのか、と聞かれた事がある。
苦いだけじゃないか、そう言われる。
一体何が美味しいのか。
答えよう、わからない。
煙草や酒のように習慣性がある。
それだけの物のような気もする。]
珈琲は、お好きですか?
[老女がまだそこに居たなら、そのような事を聞いてみたかもしれない。]
[そうしていた頃、ふと妙な仕草をしている男性が目にとまった。
こちらに手を合わせて、何やら祈っている風である。
何かを呟いているようだが、声までは拾う事は出来なかった。]
…―――?
[少しだけ、考えた。
けれど、大体の察しはつく。
男性は私服のようであるから、お見舞いの方なのだろう。
そして、神でも仏でもなく、白衣を着ただけの若造に祈る事など一つしかない。
入院されている方の事であろう。]
[こんな時、任せて下さいだとか、必ず治して見せますだとか。
そんな言葉が口から出るのなら、どんなに良い事だろうか。
そしてそれがいつも実行出来るのなら、どれだけ英雄的で、どれだけ気持ちのいい事だろうか。
去っていく男性に、小さく頭を下げた。
他のどの場所より、死の溢れる場所が病院だ。
戦場を除けば、世界で一番人の死ぬ場所だ。
初めの頃は、救えなかった命を想い涙もでた。
遺族の涙に、心を痛めた。
だが、暫くするとそれもなくなった。]
…―――
[命を救おうと、医者になったはずなのに。
志は刻まれる時計の音に混じって、感情は時の渦に埋もれた。
いずれ必ず追いつかれる、鬼ごっこ。
逃げる者をいくら助けた気でいても、再び訪れたその人はもう捕まっている。]
[自分の存在意義を、忘れまい。
そう思い続けてきたけれど、それはきっと不可能な事で。
神の決めた定めから、逃れる術などありはしないのだ。
等しく、平等に、訪れる未来。
ならばせめて、出来るだけ苦しくないように。
出来るだけ、安らかに。
最後に作る顔が、泣き顔でないように。
それが自分の仕事なのだと、若者は思うようになっていた。]
ふぅ
[だから、拝まれるような者ではないのです。
心の中でそう思ったけれど、口には出せなかった。
院内には、患者がいるのだから。
医者の弱音は、絶対に表には出せないのだ。]
[幸せな人生ばかりでは、きっと無いのだから。
苦しい事、悲しい事、いっぱいあるだろうから。
さっきの少女、ルリと言ったか。
あの子のように少しでも、笑ってくれる人がいたのなら。
医者の存在意義は、あるという物だ。]
お店のキャベツが腐ってる
きゃー、別のにしてー
[・・・そうじゃない。
そういうんじゃない。
*苦笑いが浮かんだ*]
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