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もぉー
何でみんな見えねーんだよーっ
ほら、ほらそこだってそこ!
[もどかしげに地団駄を踏めばイマリに頼まれて]
お、おー。
わかった!
[棚のグラスをジャンプしながら一つずつ取り出して、
おしぼりを出して…と]
うわあああ。
なにすんだモヤったろー!
[目の前に人の形のモヤモヤ。
おしぼりをつかんだように見えて声を上げた]
[ブルーベリーのヨーグルトを掬い、大きなグラスへ。
其処に砕いたビスケットを入れて行き…。
不意にデンゴの叫びが聞こえ]
ぶっ
[噴出した]
モヤった、って何…
[そちらを見て、小さく笑う]
気をつけなさいよー?
[声をかけながらも、悪い霊ではなさそうだ、と。]
[次いでグラスにグレープゼリーを入れる。]
ええ、っと
[更にアイスを乗せ、ブルーベリーを乗せ。
最後にポッキーを数本刺し、
ブルーベリーソースを垂らした。]
こんな、感じかな…
[記憶の中の其れを頼りに下手糞な
パフェの出来上がり。]
[もやもやを見て、口を尖らせて。
べーーーっっと舌を出す。
お盆に置いたグラスに水を注いで、
そーっとそーっと席に運んで]
おー。へーきへーき。
[イマリに軽い調子で返事をするも
手元は重さでカタカタとしている]
お、おまたせしましたぁ。
[テーブルに近づいて油断したのか、
カタンとよろけて思わず裏返った声を出す]
[次いで、チョコレートに取り掛かる。
表情は真剣そのもの。冷蔵庫から生クリームを出し、
グラスに少し注ぎ、コーンフレーク投入。]
んー…
[次は、と思案し、もう一度生クリームを被せる。
其処に切ったバナナをぽいぽいと放り。
アイスをぽこ、ぽこ、と掬っては乗せる。]
うん…
[ここまでは良く見るパフェに酷似。]
あとは、と
[其処にチョコレートソースをうにうにと。
たっぷりたらしてはその上に生クリーム。
そして、再度、チョコレートソースを味付け的に。]
ふふふ
[段々それっぽくなってきたぞ、と不敵に笑う]
あとは、
[そこに、ウェハースチョコを刺し。
ミカンやパイナップルの果物を乗せて]
おっけー!
[わあ、と笑顔]
[水とおしぼりをテーブルに一つ一つ置いて
すたすたと厨房へ戻ったと思えば、
おもむろに冷蔵庫を開けて]
オレも、つくるー。
[へっへへーとにっかり笑ってイマリを真似ながら、
サンデーグラスにバニラアイスを。
それから抹茶アイスとあんこ。
生クリームをコレでもかとかけて…
シロップ漬けのさくらんぼ…を手にとった時]
あ。
[イマリが作ったパフェのポッキーが、
ポキン、と折れて]
あー、それおっさんのパフェだぞ!
[お冷とおしぼりを運び終え、戻るデンゴに]
ありがと
[小さく声をかけ]
えーと
[次の注文にとりかかろうとするも]
…え
[デンゴの大声にびくりと震え]
あああ
[ポッキーが折れているのを、見た]
[じいいいい。
折れたポッキーが、てっぺんに刺さる]
モヤったろー…なにしてんだ。
[子どもながら少しあきれたように呟いて
冷蔵庫を開けて緑色の粉を見つけて取り出した]
コレ知ってんだぜ、まっちゃ、ってやつだろ?
[味見をしないでそれを生クリームの上に
さらさらとふりかけた]
…だまってコレでもくってろ。
[モヤモヤのある前に、自作のパフェをどん、と置く]
デンゴ…
[ゆらぁり立ち上がり]
デンゴっ!!
[大声]
あんたの分も作ってるのに、
つまみ食いなんてどういうこと!!
[大声に振り返れば、デンゴが折ったものだと
勘違いして、わああ、と叱りつける]
お、オレじゃないって
オレじゃ…
[イマリに叱られてたじたじになって
オレじゃねーのにとモヤモヤを睨む]
あいつがやったんだよ…
オレじゃねえってー
[鼻の下をこすった拍子に
手についた緑の粉が口に入った]
げ。か、かれえええっ
なんじゃこりゃ
[粉末ワサビだった]
[腰に両手を添え、仁王立ち]
――。
[物言わぬまま、言い訳をするデンゴを見る]
…デンゴ。
[小さく名を呼ぶも]
お姉ちゃんね、
悪い事をしてもちゃあんと反省するなら良いの。
でも、嘘つくのは許せないよ。
[幽霊、などとい可能性を否定したい面もあるか。
デンゴがやったと決め付ける様な声]
減ってるったって、あんた。
お姉ちゃんが後ろ向いてる間に食べたんでしょ!
[わぁ、と叱りつける]
……
[ちら、と減っている箇所を見て。
お化けを一瞬、思案するも振り払い]
…嘘は駄目。
[嘘で在って欲しいというような呟き]
うう、オレじゃねーのにー。
[ぷう、と頬を膨らませて厨房に回りこむ。
そこに見えるのは減っていくバニラアイス]
イマ、イマ、リ…
これだ、これっ!
[箱のアイスがみるみる減っていくのを
指差した]
[回り込むデンゴを凝視。
そして、指差す先の箱へ視線を移し…]
…ほんと、嘘ばっかり言ってると…
[減ってた。]
………。
[しかも、進行形で。]
……。
[思わず黙り込み、ゆっくりと。
お盆に、出来た分だけの二つのパフェを乗せ。]
――。
[言葉では言い表せない表情で
厨房を出て、ズイハラ達の下へ]
[あっという間に空になったアイスの箱を
むすっとした表情で見て]
あー。全部くっちまった!
みんなの分のパフェ、つくれねーじゃん。
責任取れよな、モヤったろー。
[ぷうう、と頬を膨らまして
厨房を出たイマリに続いた]
お、お待たせ…しました…
[空ろな目でパフェをことり、ことり。
二つだけテーブルに置く。
勿論、ミナツの分と自分の分は未だ作って無い。]
……。
[黙り込んだまま、側の空いている席に座り]
……お化けです。
[ぼそ、と俯き、呟いた]
おばけぇ?
[くっついていったイマリが座って俯いて言った言葉
今更ながらそれに驚いて]
おばけ…おばけ……?
え?
う、うわぁぁぁぁぁ
[すごくびっくりした。
お化けとは、思ってもみなかったから]
そうだよな、ふつー、おばけだよな。
なんで気付かなかったんだ…
[イマリの隣に座って、俯いた]
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