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……ああ、じゃあ、
君がそう言うなら、あそこにお供えしておこうか。
お墓じゃないけど、大切なものがある、から。
[店の奥から踏み台を取ってきて、
花冠を手に、棚の上へ手を伸ばす。
その手が、人形の前の袋に触れた。]
……まー、そーですけど。
あのひと、そゆとこ不器用だよなぁ……。
[軽く、肩を竦めて言って]
うん、犯人だとすると、かなりの矛盾点。
やっぱり、グリタさんは違う……と、なると。
……犯人の当たりがつかんなぁ。
現実的なモノなのか、非現実的なモノなのか。
そこらでも、色々と変わりそうだし、ね、コレ。
[棚の上から押し出された袋は、
ゆっくりと棚から落ちていき―――
床の上で弾んだ袋の口から、
白い、白い歯が、ぱらりと床に散る。]
僕は、あなたが過労で、
おかしくなってる方に賭けますよ。
もう大人だし、聞こえたら怖いので離れてから言う。
[珍しく少し機嫌を損ねた様子で、
ねるねるねるねを練りながら、歩き出す]
……子供に押し付けるんじゃねえよ。
わかんない、他のはきれいにとれてたよ。お弁当屋さんも。
[自分でも首を傾げて]
たまにそういう写真あるんだって。見えないものが写るんだって。そう言ってた。
[相手の心の内など気づきもせずに。
骨董屋が花冠を供えてくれると言えば、目を丸くして]
本当? ありがとう!
[そこに飾る意味など知らない少女が喜んだ]
[ゼンジの手で移される白い花。
棚の端から見えていた袋が]
――あ。
[ゆっくりと。
ゆっくりと滑り落ちて。
小さな乾いた音が響く]
ほんと、不器用ですよね。
[向けられた疑惑を思い。
モミジに差し出された心情を想い。苦笑い。]
違うような気がするんです。
彼も。そしてあなたも――
[むかしばなしをあまり知らない。
作家先生を見て、やわらかく微笑む]
これ――
[かつんと長靴にあたった小さなものを屈んで拾い上げる]
これ、骨の人。
[言葉は疑問形でなく、こぼれ出た**]
すみません、今戻りました。
[随分時間がかかったじゃないかと
軽く窘めるような主人の声と、
いいじゃない。忙しい時は
ちゃんと働いてくれるんだからという奥さんの声]
この前の厨房は戦場でしたよね。
駐在所じゃカツ丼が流行ってるみたいですけど
編集部じゃクロスチョップハンバーグ弁当が
流行りなんですかね。
[そんな他愛もない話をして時間は過ぎてゆく]
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