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[引っ張られた体は窓枠を越え、落ちて、落ちて――]
……?
[いつまで経っても、地面に、つかない。てっきりこのまま死ぬのだと思っていたのだけれど]
[永遠とも思えるくらい落ち続けたあと、漸くふわりと地面に着地した]
ここ、は……どこ?
学校……だよね……
[見上げると、自分が開けたと思しき窓が見える。あそこから落ちてきたにしては、随分長い滞空時間だった]
なんで……私生きてるの?
[ここが元いた学校と少し次元のずれた場所だと知るのは、少し*先の話*]
―あ?
[何か暖かいものがまとわりついている感触に目が覚めた。]
ああお前か。
起こしてくれたんだな―って、何で居俺は寝ていたんだ。
[くっついていた犬を頭をわしゃわしゃしながら、周囲を見回す。]
つか、誰もいねーっぽいんだが?
お前わかるか?
いや、それよりここどこだよ。
教室のようだと思ったら、あーあー。
3-2だ。間違いない。3年2組だ。
どういうことだよ。
[状況が理解できずに混乱を始めた。]
えっとー。あー。そっか。
いきなり真後ろから押さえつけられたんだっけ。そう。何かに。
!!
[状況を思い出せば、同じ状況下、振り向いて。]
…いねな。
ったく、何だったんだ。
[不安交じりなったせいか、犬の構い方がやや乱暴になった。犬は特に気にしていないようだ。]
お前も一緒にもってかれたってことか。
しかし、もってかれた…、その表現は正しいかどうだろう。連れ去られたように引っ張られた感触は確かにあった。
だがしかしここは教室だ。おまけに誰も居ない。まさか置いて行かれたってのか、あほな。
[おいてかれた。
そんな言葉が微妙に何かひっかかった。]
もしかして―後ろから誰かがこうやって眠らせて、皆で居なくなるような悪戯なんじゃないか?大方あの妙な雰囲気のセイジ先輩が後ろから狙ったとか。
[皆がいなくなって不安にさせる悪戯はテレビの類でもあったことを思い出した。]
いやしかしセイジ先輩はおかしかったな。喧嘩の仲裁までした先輩がなぜあんな挑発的な態度を取っていたんだろう。そこまでやるんか?
[犬とともに首をひねった。]
そういえば窓をみんなで見ていたんだっけ。んで部長が覗こう見たいな感じだったはず。
[部長の一部始終については、記憶の混乱で状況を覚えていない。]
悪戯であれば皆が窓を開ける様ですっかりだまされた訳だ。さて…。
[おもむろに窓を覗き込んだ]**
[校舎の外に立っていると、皆が一階の教室の窓を開けられずに戻っていくのが見えた]
あれ……みんな。私が見えないの?
[近付いて窓を開けようとすると、難なく開き]
なんだ……窓開くじゃない。
[窓から校舎内に戻り、窓を閉めて鍵をかけ――背筋を寒気が駆け上った]
鍵。さっき、かかってなかっただけだよね。
[なら何故皆は開けられなかったのか。皆に自分の姿は見えないのか]
もしかしてここ……ちょっと次元がずれてるの?
[オカルト部なだけあって、理解は*早かった*]
ようし見てろよ…。
な、こうなったらあいつら見つからずに外に出てびっくりさせてやろうぜ。
[ぽんと犬に手をやると、尻尾を振って人鳴きした。]
いい返事だ。
よし行く―行く…?
[勇み教室の外に出ると、矢張り普通の校内だった。]
なあ…なんかへんな気がするんだけど。お前わかるか。
今は人が居ないから人の気配はしない。だけどこれは人がまるで生活していないみたいな雰囲気じゃないか―。
[しかし、なぞの違和感を覚えた。]
なんかこれは嫌だ。
こんな感じを悪戯とかじゃできないだろ。
[先ほどのトイレも、下に降りる途中も、何れも空気は変わらない。]
いいや思い込みだね。
きっと思い込みだね。
そうあるべきなんだ。
[それを払拭するかのように、思い込みに逃げるかのように。]
じゃなきゃ、さ。
[一階の教室から廊下に出たところで、少し悩んだ]
みんなどこにいるのかなぁ……
[困ったように呟き、怪談の内容を思い返す]
一階まで降りてきたみたいだから……そのあとどこに行ったかなぁ……近いのは理科室だけど……いるかなぁ?
[理科室に向けて歩こうとしたところで、足を止めた。行っても自分が見えないのじゃ意味がない]
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