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[意識を失った私は夢の世界にいた。私は木となり見事な花を咲かす。鳥達の鳴く声賑やかに。遠くに見えるのは未開拓の村とそこの人間達]
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[時は流れ近くに社が建つ。私の前に人が訪れるようになり願いごとを打ち明けては時折祀りを開いては崇め。米と麦を私に捧げる。私は満足していた。悠久の時、周りには大好きな人間達とかわいい鳥達、見守ることしかできなくとも子を思う我が子のような感覚でずっとそれを見届けてきた]
[時はさらに流れだす__________
この地に根を降ろして1400年。
人はしだいに訪れなくなり社はゆっくりと廃れていく。周りに立つ木達も大きくなり村の様子は他の木達に遮られも見えない。
私は寂しくなり兎に魂を乗せ村へと降りていく。初めて見る今までとは違う景色。自分の足で行きたいところに行ける嬉しさ。すべてが新鮮で楽しく駆け足で山を降りていく。
山の下の村はかつての姿からは想像もつかないほど発展していた。
人間の数も増え騒々しいほど活気に溢れていた。私のことは忘れ去られているみたいだがそんなことはもうどうでもよくなっていた。いつでもこれでもう来れるようになったのだから......
満足して帰ろうとする私が山へ帰ろうとすると人間の仕掛けていた罠にかかった。足に刃が喰い込み激痛が走る。動けない。
太陽が昇り山をおりて初めて接触人間は凶暴で私を殺そうとした]
[そこにいた人間達はかつての大好きだった人間達とは違っていた。私はとっさに風を身にまとい猟師にけん制する。放った風は喉笛を切り裂き猟師は倒れた。
私は傷ついた足を引きづりながら山へと帰り、山を降りたことを強く後悔しまた変わらぬ木に戻る]
うーん.....
[私はそこで夢から目覚めた]
今のはなんだったんだろう......
[不思議な夢を回想していると不意に頬に生暖かい感触が起き驚く。]
チェロ......?あれ?足が動いてる。
[信じがたい光景がそこにあった。足の悪い兎の足がおぼつかないまでも這うように動いている。]
そっか.....今の夢はチェロの記憶なんだね....
[どうして治ったのかはわからないが半分察したように私はチェロを胸に抱き山を降りていく]
[山を降りて管理棟へと向かう。
夢で見た内容を頭で整理しながら一歩一歩進んでいると前方に男達の集団が見える
私はそこで足を止めた]
[頭の中にチェロの言葉が響く]
ニキ……
イトシイボクノニキ……
ネギヤヲコロシタハンニンガイル……
グリタ……グリタ……
マタコロソウトシテル……
コロサレル……
キヲツケテ……
キヲツケテ……
[私ははっきりとチェロの言葉を聞いた。もう幻聴だなんて疑わない。私はみんなに知らせるタイミングを慎重に見極めるために何事もなかったかのように合流した]
[お姉さんに抱きつかれみなが探していたことを伝えられると申し訳気持ちとなった]
ごめんなさい...... どうしても神社にいってみたくて.........
[素直に謝りペコリと頭を下げる]
.....その............
私は恵ではないです.....
望です.....二木望
[こちらも申し訳無さそうにぼそっと答えた]
何を.....言い争ってるの....?
[雰囲気が尋常でないことに気づく]
殺すってテンマさんを..........?
[兎の言葉がとにかく状況と当てはまる。グリタはテンマを殺そうとしているのだ。こいつが伯父の仇。私から幸せを奪った元凶。いつきりだすのかをずっと伺いつつ様子をみている]
[様子を見ていると医師の言葉に引っ掛かりを感じた。]
おじいさん........備前さんとあの女を殺したって何の話.......?
[生贄や儀式という単語も飛び交う会話に妙な違和感を感じる]
一体どうなってるの???
[犯人が栗田と言うことを私は知っている。しかしそれはなぜ?兎の言葉なんて誰が信じると言うのか......殺す動機さえわからないのにそれを言い出してどうなるというのだろう........ただでさえ現実離れしている会話そのものに異常さを感じて切り出すタイミングを失う]
あの……こんなところで話し合っていても…[ポツリと小さく呟いた]管理棟で落ち着いて話そ…
ずっと外にいて私寒いよ……
帰りたい…
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