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[あの日の翌日。
結局のところ、ペケレは事態を把握しないまま
事件は終幕を迎えていた。
倫理委員会の動きも鎮静化し、姿を消した者も
戻ってきた――一部だけだが。
そして彼女は今日も『イヴの時間』に来ていた。
珍しくカウンター席に座り、注文をして。
それが目の前に置かれると、話を切り出す]
マスター、本を出してみる気はない?
このお店に込められた思いを
1人でも多くの人に知ってもらえれば
その分、世界が変わるかもしれないと思って。
もちろん個人情報は伏せて問題ないし。
[真剣なまなざしでポルテの返事を*待つ*]
本当!?
うん、共作でも全然問題ないから。
[ペケレの顔が
彼女の「想い」を知る者が
協力するというのであれば拒むつもりはない。
連絡先を渡し、しばらくして彼女のもとに
届けられた原稿は、想像していたものとは
違っていたが、そこにある彼女たちの「想い」は
感じ取ることができた]
[原稿を一通り読み終えると
さっそく今回の話を受けてくれた
編集者に見せる。
そこでOKが出ると返事のメールを出す]
「ありがとうございます。
これで問題ないです。
誤字など細かい部分はこちらで手直しさせて
いただきますが、大幅な内容変更は
ございませんのでご安心ください」
[ポルテと「書き手」に同じ内容のメールを
送信して、今回の仕事を終えた]
[そして程なくて、あの喫茶店と同じ名を持つ本は
書店に並ぶこととなる。
ポルテと「書き手」の想いを
どれだけの人が受け取るのだろうか
そして――]
あ、ここのコーヒーも結構いけるかも。
(でもEVLENDにはかなわないかな)
[あの店と出会う前と変わらない生活。
『イヴの時間』にいた頃が幻のようにも思える]
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